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受付後、少ししてから集合が掛かった。まず参加者二十九人による籤引きで、トーナメントの組み合わせを決めた。リィファとジュリアが当たるとしたら、決勝戦となる配置となった。
その後、ルールの説明があった。舞台は地面に描かれた歩幅十歩分ほどの正方形で、場外の場合は仕切り直し、どちらかが降参もしくは気絶しない限り試合は続く、急所への攻撃は寸止めして勝敗は双方の協議に任せる、という規則だった。
聞き終えたリィファは、闘技場にある十六個の舞台の内、隅にあるものに向かった。シードではないので、一回戦から試合があった。
舞台に辿り着いて、辺りを見回す。三十人ほどの観客が立位で舞台を囲んでいて、期待に満ちた眼差しを浮かべていた。
緊張を強めたリィファは、ゆっくりと深呼吸をした。
審判の合図で、リィファは中に入った。向こうからは、同年代の黒髪の男の子が、勇ましい足取りで歩いてきていた。上下とも白色の服で、腰には黒帯を身に着けている。
(あの衣装は、……確か柔道のものだったかな。いつだったか、先生が教えてくれた。戦った経験はないけど、訓練の成果が出せれば大丈夫。わたしの八卦掌は、もう誰にも負けない)
心を整えたリィファは、おもむろに歩を進め始めた。中央での握手の後に、審判の「始め」の声で試合が始まる。