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翠百表現有
8000文字以上
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翠『 初めまして 。 』
その日初めて恋をした 。
屋上で携帯を見ていた俺の前に現れたイケメン 。
みんなが憧れる生徒会長 。
百『 … 名前 、なんだっけ 。 』
翠『 … 綠江 桜智 、君 と 同じクラス 。知らない ? 』
百『 、知らない 、名前 の 漢字 、なんで書くの 。 』
翠『 ぇ 、急だな ぁ … 。( 笑 』
頬に手を置いて眉を垂れさせて笑う 。
自分の頬が少し赤らむ 、バレていないだろうか
初対面で変な質問をしてしまった 。申し訳ない
翠『 ペン とか 持ってない ? 』
百『 持ってるけど … 。( 渡 』
翠『 ありがと 、ピンクなんだ 。可愛い 。 』
無意識人たらし 、此奴 、絶対モテる 。
制服のポケット部分からメモ帳を取り出して 、俺が渡したペンを持って紙に走らせる 。
すち 、っていう人は俺の隣に座ってメモを見せてくる 。
肩が当たるぐらい近い 、自覚ない ?
翠『 綠 が ね ぇ 、緑 の 旧字体 で 、江 が 江戸 とか の やつ 。 』
翠『 それから 桜ってかいて す って読むの 、ちょっと変わってるよね 。 』
翠『 あと は 智識 の ち かな 、覚えてくれた ? 』
百『 … うん 、ありがと 。 』
翠『 ほんと ? 明日会ったら なんだっけ とか ありそうだけど 。 』
百『 … 明日会えるの 。 』
丁寧に教えてくれたすち 。
御礼を言ったら疑問を呈された 。
それならば明日 、また会えるのだろうか 。
そのことを問いたらすちは真紅の瞳を収縮させ 、瞳孔を大きく開かせ動揺していた 。
翠『 … 会えるよ 、会いたかったらクラス来てよ 。 』
動揺していた表情から今までの表情に戻し 、笑いかけてそう言ったすち 。
百『 … 嫌だよ 、クラス の 人 に 俺 嫌われてるし 。 』
翠『 なんで 嫌われてるの 、俺 今 君 と 話した だけだけど 悪い気 しなかったよ 。 』
百『 それは すち だけだよ 、俺 、みんな と 合わない 。 』
翠『 ん ~ 、勉強 出来ないとか ? 』
百『 それもあるけど … 。 』
翠『 ! じゃあさ 、俺 と 此処 で 勉強しよ ? 』
百『 は ? 』
その日 から 俺 と すち の 勉強会 が 始まった 。
_
百『 すち 、俺 の 勉強 に 付き合って 単位 とか 大丈夫なの ? 』
翠『 先生 に 免除 されてるから大丈夫だよ 。 』
翠『 ぁ 、間違えてる 。 』
百『 ぇえ っっ !? 』
翠『 はい 大声ださな − い 。 』
俺の勉強を手伝いながら自分の勉強もしている 。
流石ハイスペイケメンと名高いすち 。
俺とは全くの別モンだな 。
翠『 此処 お尻 痛くなるね ぇ … 。 』
百『 慣れたらそんなことないよ 。 』
翠『 やっぱり慣れかぁ … 。( 笑 』
雑談をしながらもわかりやすく勉強を教えてくれた 。
地頭は悪くないんだから勉強した方がいいよ 。とすちに言われた 。
だから慣れない勉強に励んだ 。
百『 ねぇ 、すち 、何してんの ? 』
翠『 三つ編みしてる 。 』
百『 俺 の 髪 で ? 』
翠『 勿論 。 』
すちは距離の詰め方が異常だ 。
いや 、もともと距離が近いのかもしれないが気付けば後ろから抱き締められることだってある 。
気付いていないのか耳元で話してくることだってある 。
同性ではあるがそういうところは気を使って欲しい 。
翠『 んね ぇ 、そういえば 俺 名前 一回 も 呼んだことないよね 。 』
翠『 ちゃんと 名前 教えてくれる ? 』
百『 … 桜甘 蘭 。 』
翠『 なんて書くの ? 』
百『 えっと … 。 』
翠『 はい 、メモ 。 』
百『 ありがと 。 』
すちのメモを受け取って持っているペンを走らせる 。
毎度の如く距離が近い 、多少なりとも慣れたがまだ少し緊張する 。
百『 苗字 は 桜って書いて … 、それと 、甘いって書く 。 』
百『 下 の 名前 は 胡蝶蘭 とか の 蘭 。 』
翠『 胡蝶蘭って … 、頭いいねぇ … 。 』
百『 これは 知識じゃない ? 』
翠『 知識 は あればあるだけいいんだよ 。( 微笑 』
百『 そうなんだ … 。 』
すちは人を褒めて伸ばすタイプなんだろう 。
すちは褒め上手だ 。人が嬉しくなることを言ってくれる 。
撫でるのは 、別に要らないけど 。
翠『 じゃあ らんらん 。 』
百『 ぇ っ 。 』
翠『 俺 、らんらんって呼んでいい ? 』
百『 … いいよ 、嬉しい 。( 微笑 』
翠『 … … 。 』
翠『 … 良かった 。( 笑 』
その笑顔に俺の身体は体温が上がってしまった 。
顔が火照っているのがわかる 。見られないように顔を俯けさせる 。
翠『 らんらん ? どうしたの ? 大丈夫 ? 』
百『 大丈夫 … っ 。 』
叶わないのに 、何してるんだろ 。
_
翠『 らんらん もう 俺 が 教えなくても 十分 出来てるじゃん 。 』
百『 ほんと !? 』
翠『 ほんとほんと 。( 笑 』
翠『 頑張ってるもんね 。( 撫 』
すちと出会って二ヶ月が経った頃だった 。
すちのおかげで自信が持てた気がした 。
翠『 ねぇ 、ちゃんと 授業 、受けてみない ? 』
百『 … でも 、教室 に 友達 とか 居ないし 。 』
翠『 ぇ 、俺 友達じゃなかった ? ( 焦 』
百『 … 同じクラスだっけ 。 』
翠『 そうだよ !? 』
すちはとても驚いた様子だった 。
少しの間ず ~ んというオーラを放ちながら俯いていた 。
翠『 俺 らんらん と 席隣なのに … 。( 落込 』
百『 ぇ そうなの ? 』
翠『 あ ~ … 長いこと教室来てなかったもんね ぇ 。』
百『 なんか … 御免 。 』
翠『 いや 、大丈夫 。 』
翠『 … じゃあ 、教室 、来てくれる ? 』
百『 … いいよ 。 』
罪悪感でついその言葉を口に出してしまった 。
_
久しぶりに皆が登校する時間に家を出た 。
待ち合わせをしていたから家の前ですちを待つ 。
翠『 ぁ ! らんらん ! 』
声のする方向を向けばマフラーを巻いて俺に手を振るすちが見えた 。
明るく太陽のような笑顔 。
百『 おはよ 、すち 。寒いね 。 』
翠『 もう冬だからね 、… らんらん 、顔赤いよ ? 』
翠『 寒いでしょ ? 』
百『 まあ 、そうだけど 。 』
翠『 ちょっと 動かないでね 。 』
すちは自分の首に巻いていたマフラーを解き 、俺に近づいて俺の首にマフラーを巻く 。
顔が近くて 、俺は緊張しているからか 、寒いからか 、手が震えてしまった 。
真紅の瞳も黒く輝く睫毛も凄く近く見える 。
翠『 震えてるよ 。( 手握 』
翠『 冷たい 、長いこと待たせちゃったね 。 』
百『 いや 、全然 … 。 』
翠『 … 行こうか 、遅れちゃうからね 。 』
百『 うん 。 』
手を握り続けて欲しいと思うのは我儘だろうか 。
付き合いたい 、すちと一緒に居るのは安心するし 、笑うことができる 。
素直で居られる 。
百『 すち … ってさ 、彼女さん とか 居る ? 』
翠『 居ないよ 。 』
翠『 あんまり 、女の子 は 興味ないかな 。 』
百『 恋愛対象 、女の子でしょ ? 』
翠『 うん 、でも … 、俺 の 周り に 居る女子 は 、タイプ な 子 は 居ないかな 。 』
百『 そうなんだ 。 』
これ以上は踏み込んではいけない 。
すちは決して 、俺が好きだという訳ではないのだから 。
重い足を無理矢理進める 。
俺とすちは一定の距離を保ったまま学校へ向かった 。
翠『 らんらん 、開くよ ? 』
百『 … うん 。 』
( 開
瑞『 んぁ !すっち − !!今日 やけ に 遅いな !? 』
瑞『 課題見せて欲しかったのに − !! 』
翠『 一時間目始まる前 に 終わらせられればいいんでしょ 、今から だったら 十分出来ると思うけど ? 』
瑞『 それ言われたら なんも 言えんやん !! 』
瑞『 … ? 誰その子 。 』
すちに明るく声を掛けた男の子が俺に対して疑問を問いた 。
すちは俺のことを座らせて少ししゃがみ 、俺と目線を合わせてくれた 。
翠「 名前 、言っていい ? 」
百( 頭横振
翠「 話すの 、まだ慣れない ? 」
百( 頭縦振
翠「 わかった 。 」
すちは優しく俺の目をちゃんと見て話してくれた 。
怖くて声を出せず 、俺は頭を振ることしかできなかった 。
翠『 この子 は 俺 の 友達 。 』
翠『 まだ 慣れてないみたいだから 、優しくしてあげてね 。 』
翠『 大丈夫 ? マフラー 取ろっか 。( 微笑 』
百「 ありがと 。 」
瑞『 … じゃあ こさ 仲良くなる ! 』
瑞『 この子可愛い !! 』
翠『 優しくね 。 』
瑞『 もちのろん ! 』
その子は満足気にその言葉を口にし 、俺に近寄ってきた
明るく笑う気さくな子だった 。
俺は昔から人と関わるのが苦手だったから 、このような子が居るのは俺にとって救いだ 。
翠『 俺 隣 の クラス 行ってくるね 。 』
翠『 すぐ に 帰ってくるからね 。( 微笑撫 』
百『 うん 。 』
_
瑞『 すっち − って なんか すっごぃ 甘いね 。 』
瑞『 ん − と 、らん ~ … くん !! だね ! 』
百『 そうだね 。 』
瑞『 すっち − いっつも 冷たいからな − 。らんくん の こと 好きなのかもね !!( 笑 』
百『 はっ !?( 照 』
こさめ 、という人と話をしていたら 、急にそんな話題が出てきた 。
こさめの言葉に俺の顔は真っ赤になっていたと思う 。
顔も耳も火照り 、それをこさめに見られてしまった 。
瑞『 へ ~ ? 好きなんだ ~ ♪ 』
瑞『 らんくん 純粋さんなんやねぇ ~ 。( 撫 』
百『 いや そんなことないから っ !? 』
百『 最低限 は 知ってるし ! 』
瑞『 へ ぇ ~ ん ? 』
翠『 ん 、ただいま 。どうしたの らんらん 、顔真っ赤だよ ?( 顔触 』
帰ってきたすちに顔を触られ 、羞恥心に塗れた顔を見られてしまった 。
すちは俺の顔をよく見て 、『 ちょっと失礼 。 』と呟いて 、俺の額にすちの額を合わせた 。
翠『 ちょっと熱いかな ? 』
翠『 大丈夫 ? 緊張してる ? 』
百『 いや 、違うけど 。 』
翠『 … こさめちゃん が なんかした ? 』
瑞『 それ出てくるん悪意あるやろ 。 』
翠『 一部 。 』
その言葉にすちに対して怒りを表に出すこさめ 。
賑やかで俺が居ない時はいつもこうなのだろうか 。
これぐらいの関係なら 、俺でもなれるのかな 。
_
三年生になってクラスが変わった 。
すちとは違うクラスになってしまった 。
でもすちは毎日 、毎時間会いにきてくれた 。
新しいクラスの人達は案外優しくて 、簡単に馴染むことができた 。
百『 いるま っ !移動教室行こ ~ 。 』
紫『 ん 、ちょっと待っとけ 。 』
百『 りょ ~ 。 』
俺にも新しい友人ができて 、すちと関わることが段々と少なくなっていた 。
お昼ご飯の時と登下校の時だけしかすちに会うことがなくなった 。
でも俺はそんなに気にしてなかった 。
すちに負担をかけ過ぎるのもいけないから 。
百『 ぁ ! すち ! 』
翠『 … … 。 』
百『 すち ? 』
翠『 ん 、ぁぁ 、らんらん 帰ろっか 。( 微笑 』
百『 うん ! 』
いつも通り 、少し距離のある帰り道 。
友達という関係以上はない 。
それでいいんだ 。すちの為にも 、これでいい 。
翠『 ねぇ 、明日 、らんらん の 家 行っていい ? 』
百『 ぇ 、なんで ? 』
翠『 … 明日 、らんらん の 誕生日でしょ ? 』
翠『 ケ − キ 作るから 、一緒 に 食べよ ? 』
百『 いいの ? 』
翠『 うん 、勿論 。( 笑 』
いつも通り優しく笑ってくれるすち 。
誕生日 、知ってたんだ 。俺すちにそんなこと言ったっけ
でもなんだろうか 、俺とすちが一緒に帰る度にすちが段々と暗くなっている気がした 。
大丈夫かな 。
_
翠『 誕生日おめでと 、らんらん 。( 微笑 』
百『 ありがと 。もう18か … 、早いね ~ 。 』
翠『 そうだね 、昨日 まで 同い年だったのに 。 』
百『 産まれたの早かったから 。( 笑 』
翠『 俺 も 産まれる の 早かったら良かったのに 。 』
百『 いや無理あるだろ 。 』
いつもより距離が近い 、いや 、いつもこんなに距離が近かったっけ 。
何故か思い出せない 、最近 、関わることがなかったから
翠『 ねぇ らんらん 。 』
翠『 らんらん は いるま って人のこと好き ? 』
すちの真紅の瞳が濁っていた 。
見たことのないすちの姿 。
その時 俺は気付いた 。
百( あれ 、最近 すち の 目 見たっけ 。 )
思い返せば 、三年生になり 、友人が出来てからすちと会う頻度が低くなった 。
そしてすちの顔を見ることが少なくなったんだ 。
いつも俺は前を見ていた 。
昔のように屋上に二人きりという訳ではなかったから 。
何故会っていなかった ?いや 、すちは来ていたんだ 。
教室に 、毎日 、毎時間 、来ていた 。
百( 俺 、気付いてなかったんだっけ 、無視 、してたんだっけ 。 )
翠『 … らんらん ? 』
百『 ぁ あ 、ッ ごめん 。 』
百『 いや っ 、そんなことない … っ 。いるま は 友達だよ 、すち と 同じ 。 』
俺はすちを宥める為にそう言った 。
すちは『 そっか 、良かった 。 』といつも通りの微笑みを見せてくれた 。
でも 、何故だろうか 、まだ暗さが残っている 。
恋人になれたら 、本音を言い合うこともできるのだろうか 。
_
翠『 らんらん っ ! ( 手振 』
百『 んぁ ! すち ! 』
翠『 どうしたの 、クラス に 呼び出す の 珍しいね 。 』
百『 いや ~ 、勉強教えて欲しくてさ ~ 。 』
百『 今日 放課後空いてる ? 』
翠『 空いてるよ 、近く に ある 図書館 に でも 行く ?』
百『 いいの ? 』
翠『 いいよ 。 』
数ヶ月が経ち 、前よりはすちと打ち解けることが出来たと俺は感じている 。
友人との関係も 、遊ぶことは少なくなったが今でも仲のいい友人だ 。
紫『 おい らん 。 』
百『 ん 、なに 。 』
紫『 お前 ぶっちゃけ 綠江 の こと 好きだろ 。 』
百『 は ッ ッ !? 』
紫『 こさめ に 聞いたぞ ~ ? ( 笑 』
百『 こさ 許さんからな 。 』
紫『 てことは ほんと なんや ~ ww 』
ある日 、いるまがすちと俺の関係について茶化してきた 。
好きではあるが 、俺はすちに不釣り合いではないか 、
そう思ってしまう 。
紫『 お前ら むず痒過ぎ 。 』
紫『 早く告ってやれよ 。 』
百『 … いいんかな 。 』
紫『 いけるだろ 。( 撫 』
いるまはすちと違って撫で方が荒い 。
でも一つ一つの言葉が刺さる 。説得力があるんだ 。
人を慰めるのが慣れていないんだろうが 、不器用なりに人のことを思っているんだろう 。
百『 ありがと 。 』
百『 ツンデレ っ ! 』
紫『 お前それ喧嘩だよ ? 』
百『 やってみろや この野郎 。 』
_
翠『 ん ? らんらんからだ 。 』
瑞『 な − に イチャイチャしてんだ 。 』
翠『 辞書読んできな もうちょっと 頭良くなるよ 。 』
瑞『 その毒舌やめて 。 』
瑞『 んで 、メ − ル なんて来たん 。 』
翠『 放課後 に 屋上来てって 、らんらんから 。 』
期待をしてしまうのは俺の間違いだろうか 。
俺の考えが間違っていることだって十分有り得る 。
でも 、屋上でなにをするのか 、俺には理解が出来ない 。
瑞『 告白やん 。 』
翠『 俺 も そう思ったんだけど 、そんなことあるかな 。 』
瑞『 すっち − も らんくん も 距離置き過ぎ 。 』
瑞『 逆 に なんで 告白やないと思ったん 。 』
翠『 すち は 友達だって 、言われたから 。 』
俺のそこ言葉に隣に居たこさめちゃんが呆れ果てた表情で溜め息を吐いた 。
そんなこさめちゃんを見て 、自分が情けなく思い 、俺は眉を顰め 、目線を逸らしてしまった 。
瑞『 すちくん 、今 から こさ が 言うこと 絶対 守って ! 』
瑞『 どんなこと 言われても らんくん を 傷付けない 。らんくん の 気持ち 第一 で 行動 して ! 』
翠『 善処するよ 。 』
_
百『 すち っ ! ごめん っ 、遅れた 。 』
翠『 いや 、俺 終礼 早く終わっただけだから 、気 に しないで 。 』
百『 ありがと 、助かるよ 。 』
翠『 うんん 、全然 。要件 、なにかな 。 』
俺がすちを呼び出したのは告白をするため 。
此処で初めて会って 、その時一目惚れしたから 。
告白が受け取られるなんて思ってない 。多分 、断られると思うから 。
百『 … 付き合って欲しい … 。 』
意を決して 、その言葉を口にした 。
風が通り過ぎる音 、太陽が沈もうとしている朱色に染まった空 。
その音や視覚情報を認識出来ない程俺は緊張していたと思う 。
百『 男 … 同士だけど 、… 恋人 として … すち の 隣 に 居たい … 。 』
声が震えて 、自分の息を吸う音が聞こえる 。
でもすちの顔を見るのが怖くて 、目を開けることが出来なかった 。
翠『 らんらん 、… らんらん 、目 、開けてくれる ? 』
百( 開
目を開けると泣きそうな顔をしているすちがそこに居た 。
翠『 俺 、らんらん を 幸せ に 出来るか分からない 。 』
翠『 辛くさせる かも しれない 、無理 を させてしまう かも しれない 。 』
すちの声も震えていた 。
でも落ち着いて 、俺の手を握って 、優しくいつも通り声色で俺に意思を伝えていた 。
翠『 こんな俺 で いいなら 、よろしく 。( 微笑 』
その言葉がとても嬉しかった 。
_
小さな生命の泣く声で俺は目を覚ました 。
長い夢を見ていた気がした 。
翠『 らんらん っっ !!( 抱締 』
翠『 良かった … っ 。 』
百『 あれ 、俺 、どうしたんだっけ … 。 』
翠『 ずっと 眠ってて … 、難産だったから … 。 』
百『 あ − … 、、そっか ぁ … 。 』
すちの抱き締める力が強くて 、少し息苦しい 。
俺は難産だったが 、長時間の陣痛に耐え 、そこで意識が途絶えてしまったようだった 。
百『 あかちゃん は … ? 』
翠『 居るよ 、隣 に … 。 』
百『 … かわいいね ぇ … 、目元 が すち と 似てる … 。 』
百『 名前 、何 に しようか … 。 』
翠『 男の子だもんね … 。 』
百『 … 命 って 書いて 、みこと … とか 。 』
翠『 いいね 、それ 。 』
隣に居る眠っていた赤子をすちが抱きながらそう言葉にする 。
百『 思い出すね 、俺 が すち に 名前 の 漢字 教えてって言って … 。 』
翠『 あの時 は 驚いたけどね ? 』
百『 んは っ 、そうだね 。( 笑 』
あの時はこんなことになるなんて思ってなかったな 。
大好きな人と恋をして 、結婚して 、子供を産んで 。
あの日 、あの時 、すちと出会ってなかったら 、
行動の一つ 、言動の一つ違っていたら 、こんなことにはならなかったかもしれない 。
百『 すち 。 』
百『 あの日 、あの時 、俺 に 話しかけてくれてありがとう 。 』
翠『 … 、こちらこそ 、言葉 を 返してくれてありがとう 。 』
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