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「離れても仲良くしような。」
4月某日、陽葵と杏瑚は肩を組みながら話していた。
『そりゃそうじゃん。当たり前よ。』
杏瑚がそう呟く。
中学校の入学式、玄関では喜んでいる男子たち、ため息をついている女子2人組。
「(喜怒哀楽が揃っている。)」
陽葵はそう感じた。
幸いにも、5年生の頃とても仲が良かった友達と同じクラスだった。杏瑚も好意を寄せている相手と同じクラス。しかし、親友と離れるのはとても悲しい。
『そんな気はしてたけど。』
杏瑚は呆れたように呟いた。2人は別々のクラスの下駄箱に靴を入れる。
田舎の中学校。クラスは2つしかない。話したことがない人は居ないだろう。
「それじゃ、また。」
『じゃ。』
1組の扉の前で杏瑚と別れる。そして、奥の2組へと進んでいく。
2組の扉は開いていた。
『あっ先輩ー。』
何故か陽葵は同級生から先輩と呼ばれている。しばらく友達と話し、黒板に貼られていた座席表を見る。
「1番前かよ!」
そう陽葵は大きめの声で叫んだ。
先生は面白そうな人だった。何の教科だろうと考えたが、自己紹介の時に確信した。
「音楽や。」
綺麗なビブラートを響かせていた。
「(これからどうなるのだろう。)」
陽葵はそう思った。