ニキしろ SS
首絞めの表現が入ります。
過激な表現が苦手な方は閲覧をお控えください。
梅雨の空は常に曇っていた。今日も雨で、3日くらいずっと雨だ。気圧で体が重いけれど、仕事も休みなので家でゆっくり編集したり、メンバーとゲームして過ごしている。
「ボビー、入っていーい?」
「なんや、ええよー」
扉のノックの音が聞こえて、ニキが来る。
両手には暖かいコーヒーを持っていた。
「おじゃまー」
「なんだよ、コーヒー?」
「そ、一緒に飲もうと思って」
「それならリビングに呼べばよかったやん」
「だってボビー気づかないからさ」
小さな机に2人分のコーヒーが置かれる。少し涼しい今日に合う。俺はPCデスクの椅子からベッドに移動して、ニキと2人で並んで座りコーヒーを飲む。なんだか優しい味がする。
「今日はやることないんか」
「特にねー」
「編集は間に合わせろよ」
「えーがんばれなーい」
「何とかしろや」
「ボビーが撫でてくれたら頑張れるなー」
「あぁ……もう」
ニキは甘えたいと言わんばかりにこっちを見つめる。これだけ整った顔が近くにあると、まだ少しドキドキしてしまう。
「ほら、がんばれ」
俺はニキの頭を優しく撫でる。
「よし、頑張る」
「単純やなぁ」
「ボビーも撫でてあげるーよしよし」
「俺はええって!」
「いいやんいいやん、かわいいねー」
「誰が可愛いんじゃ」
ニキは犬を撫でるようにわしゃわしゃと俺を撫でてくる。片手から両手になり、髪をぐちゃぐちゃにされる。丁寧にセットしている日だったらキレていたと思う。
「もうええやろ!」
「えー?やだ」
「もう髪ぐちゃぐちゃやないか」
「だとしても可愛いよ」
「たまにはかっこいいって褒めてくれんのか」
「かっこいいけど、可愛いの。ほら、こっち向いて?」
「は……?……っん」
唐突にキスされる。両手で撫でられていたかと思ったら、いつの間にかその両手は俺の頬に添えられていて、キスに誘導される。
「ちょ、まって、なんやねん」
「いいじゃん、ね?」
「ん……っ…ぅ……っ」
卑猥な音がする。頬に添えられていた手が俺の耳を塞ぐようにされて、キスの音がダイレクトに脳内に響いてくる。官能的な音に呑み込まれそうになって、呼吸が荒くなるのが分かる。
「は…ぁ……ッ、にき…」
「キス顔可愛すぎ」
「見とったん?」
「ずーっと見てた、可愛い…いじめたくなっちゃうな」
「恥ずいから見るなって」
「やーだ、全部見せて」
「んんぅ……ッ……」
また舌を絡め取られるようにキスされる。ニキの甘い味がして、舌でなぞられる感覚にゾクゾクして、腰が浮いてしまう。ニキの手が俺の頬や耳に触れているのももどかしくて、快楽に繋がる神経がニキに触れられることを求めているようだった。
「んッ……ふぁ……うぅ……♡」
「腰、動いてる…」
「ぁ……いや、違……う」
「触って欲しいんでしょ?」
「ん……」
「言わないと、ちゅーで終わりにしちゃうよ?」
「い、嫌……だ」
ニキの目がギラギラしている。ニキも興奮しているのか息が少し上がっている。俺に触れる手の体温も熱い。それが伝わって更にゾクゾクする。
「触って……」
「どこ?」
「気持ちいい……とこ」
「偉い。いいよ」
そう言ってニキは俺の耳元で囁いた。
「いっぱいイかせてあげる、裕太♡」
「ひ……ぁ……ッ」
「囁いただけだよ。耳、弱いね」
「あ……ぅ…ぅ…」
「僕としてて弱いとこ増えちゃったの?」
「ちが…う、っ」
「でも、前までこんなにココも感じて無かったよね?」
「あっ、あ……う、ッん……んぅ」
耳元で囁きながら、ニキの手は俺の胸に触れる。敏感になっているのに、直接は触れない。周りを少しずつゆっくりと撫でて、愛撫される。焦らされているのが苦しくて、それでも直接肌に触れているからゾクゾクしてもどかしい。
「はぁッ……ぁ……にき、ねぇ……」
「なぁに、どうしたの」
「触って…はや、く」
「触ってほしい?」
「ん…はやく、ねぇ、触って…ッ」
「仕方ないなぁ」
「あぁッ♡ は、ぁッ……ぅ♡♡」
やっと触って欲しいところに触れられて、思わず甘い声を出してしまう。周りをなぞられていた刺激が一気に乳首に集中して、溜められていた快楽がビリビリとそこから伝わってくる。快楽が全身に行き渡って、力が抜けて目の前にいるニキに抱きついてしまう。
「う♡ぁっ……あぁ…ッ……ふ……ぅ♡♡」
「気持ちいいんだ、可愛い」
「あッ……あ、ぅ…ッ♡♡」
「ほら、これ好きでしょ」
「あぁッ♡♡あッ♡あ、ぅぅう…ッ」
「身体熱いね……声甘い」
「は…ぁッ♡♡うあ、あっ、あ、あッ……まっ、て……まって……ぇ♡♡」
「やーだ、待たない」
「ひぁッ♡♡うぅ……♡♡それだめ…ッ、だめ、こりこりしないで……っ♡♡」
「やめてあげない♡」
「ぁあッ♡♡うう……ッ、うぁッ♡♡ぁ、ぁ、やだ、やら……やら…ぁッ…あ、まって、やめ、て、らめ……ッだめ、だめ……あッあ、あッ………!♡♡」
その瞬間、俺は思い切りニキに抱きついてしまった。腰がビクンと跳ねると同時に、ニキの匂いがする。それにまたドキドキするし、鼓動が早くなる。乳首だけで果ててしまうような情けない体になってしまっていた。
「……裕太?」
「は……ぁ…ッ」
「イッちゃった?」
「う……ぅ」
上手く返答できない。ここで素直に頷くことも恥ずかしくて躊躇ってしまう。
「ほんとだ、ドロドロになってる」
「……ッ!あっ、まって…だめ、今さわ……っちゃ……だめ…ッ」
「じゃあやめちゃう?最後までしなくていいの」
「……いや」
「じゃあ脱いで?」
「ん……」
ニキに言われるまま、自分で下着を脱ぐ。ドロドロになったそれがあらわになって恥ずかしさが増していく。
「乳首触っただけで出ちゃうんだ」
「は……ぁ、っう、ぁ、やだ…っ」
「もっと触って欲しい?」
「ん……んんッ」
「ちゃんと言って、ほら」
「……触っ…て」
言われるまま口に出す。それを聞いてニキはまたニヤリと笑った。
「ぐちゃぐちゃになっちゃうよ?いいんだ」
「い、いから」
「やめてあげないからね」
「あッ♡あぁ……ッ、あ、ぁ♡……うぅぅ」
「……またおっきくなった、そんなに触られるの好きなの?」
「い……わんといて、……ッ」
出したばかりなのに、ニキの優しい手つきにまた感じてしまう。意図せず大きくなるそれが恥ずかしい。既にとろけているそれは卑猥な音を立ててグチュグチュと動かされる。
「裕太、横になって」
「ん…っ」
「ねぇ、僕、裕太のこと大好きかも」
「……今更やん」
「大好きなんだけどさ、裕太が気持ちよくて苦しそうにしてる顔見るの堪らないんだ」
「……は?」
「許してね」
「……ッ…は……ぁっ、が…ぁ」
ニキの片腕が首に伸びてきた時、俺は逃げられなかった。強くは無いが、息が出来るか怪しいくらいに首を絞められる。びっくりしてしまって、より苦しい。もう片方の手で、勃ってしまっているそれをぐちゃぐちゃにされる。快楽と苦しさが混ざって脳内がおかしくなる。
「…ひゅ……ッ……ぅ……ッ♡」
「苦しい?」
「……ッ、、っ…ぅ♡♡」
「助けて欲しい?」
声が出せず、頷くことしか出来ない。涙目になっているのが自分でわかる。何故首を絞められているか分からず、必死になって訴える。
「ッは……あ、っ……はぁ……ッ」
「涙目になっちゃってるね、ごめん」
「な……んで」
「僕にこんなに酷いことされてるのに、身体が反応してるの可愛い。ねぇ、もういい?挿れたい」
首を絞められていたのに、ずっと触れられていたせいで、それはずっと反応していた。苦しいのか気持ちいいのか分からなかったが、確実に快楽は感じていた。苦しさの中にある快楽に目がチカチカしていた。
「解すのは優しくしてあげるから、ごめんね」
「うぁ……ッあ、ぁ…♡」
ゆっくりと指で解されていく。もう俺の液でニキの手は濡れており、ローションを使わなくてもすんなり解せていた。
「まだ少ししか挿れてないのに、そんなにビクビクしてんの」
「ぁ……っ♡♡はぁ…っ、あッ」
「2本挿れちゃおっかな、ほら」
「あ゛ッ♡♡はぁッ……うぅ…♡♡」
まだ奥まで来ないもどかしさ、中が掻き乱される苦しさ、色んな感情が混ざって甘い声が溢れる。さっきと違うニキの優しい目がこちらを見ていた。
「裕太、もう挿れていい?」
「はぁ……っ、ぁ……うん」
「全部受け止めてよ、裕太」
「ッあっ♡♡あ、あっうぅ……ッ♡♡」
「まだ全部じゃない……から、ほらっ」
「ああ゛ッッ♡♡」
ニキの全部が奥に来る。中途半端に突かれるのじゃもう満足出来なくなっていた。奥の奥を何度も何度もニキのペースで突かれていく。腰が浮いてしまうし、息遣いも荒くなって、呼吸が浅くなる。声も溢れてしまって、恥ずかしい声をニキに聞かれる。
「あ゛ッあッ……ッうぁ…、あ、はぁッ♡♡」
「奥きてるね、気持ちいい?」
「はぁ…ッ、きもち……ぃ♡♡」
「ココ好き……っ?」
「あ゛ぁ゛ッッ♡♡あ゛ッ、ぅ…、う、あ、ッ♡♡」
「かわい……顔も下もぐちゃぐちゃだね」
「う゛ぅぁあ゛ぁッ♡♡」
「声、うるさいよ。抑えて」
「ッ……?!ッぅ……ッふ……ッう゛♡♡」
ニキの冷たい目と目が合ったと思ったら、息が出来なくなった。それでもニキは俺の奥に打ち付けてくる。息が出来なくて、それでも奥にはニキが入ってきて、気持ちよさと息苦しい辛さが混ざって目眩がしてくるほどだった。霞む視界の先のニキは、意地悪な笑顔で恍惚とした表情をしているように見えた。
「ぁ゛ッ……ッが……ぁ……♡♡」
「可哀想…苦しいのに気持ちいいんだね」
「……ぁッ……ぉ゛…ッ……っ♡♡」
「ほら、もっとナカ締めて?」
「あ゛ッッッ……ッ……♡♡」
「いい子、ほら」
「はぁッ♡♡は……ぁ゛ッ……あ゛ぁあ゛ッ〜〜〜〜ッ♡♡♡♡」
やっと離してもらえて息が出来る。それと同時に1番奥を突かれてしまって声が溢れ出る。中がぎゅっとニキを縛り付けるように求めてしまうのが自分でも理解出来た。
「…っ、勝手にイッちゃだめじゃん」
「はぁ゛ッあ゛ッあ♡♡ごめ、ごめ……んぅ♡♡」
「ちゃんとイくって…言って」
「ぃ……ッ♡♡イく……いッちゃ……ぅう゛ッ」
「また苦しくされたいの?」
「いや゛ッ♡♡いや、や……から……ッ♡♡ごめ、ごめ、ん♡♡い゛ぐ……ッう゛ッ〜〜〜〜♡♡」
情けない自己宣告をして果てる。ニキのものはさらに奥に入ってきて、気持ちいいと感じてしまうところを明確に攻めてくる。それが何度も繰り返されて、上手く息が出来ないくらい連続で突かれておかしくなりそうだった。
「はぁ゛ッあ……っはぁ♡♡」
「イッてもいいけど、僕が満足するまで楽にしてあげないからね、覚悟して…♡」
「お゛ッ♡♡お゛ッあ゛っあ♡♡」
「そんなに声出して……っ、声枯れちゃうね?」
「あ゛ぁ゛ッあ♡♡ッうぅ゛ッう、ぁあ、っ」
「もう奥届いてる?ほら、ほらっ」
「お゛ぁ゛ッ♡♡あっ、う、うあ゛ッきてるっ、ぎでる゛ッぅう゛♡♡」
「裕太、声抑えてよ。聞こえちゃうよ?」
「…………ッ!?♡♡ッん゛ん゛ッ……ふ…ッ?!♡♡」
また急に酸素が来なくなる。苦しい。口を塞がれて、首も締められる。本当に息ができない。喘ぐのも辛いくらい苦しいけれど、頭がふわふわして、目の前がチカチカして気持ちいい。首を絞められて、奴隷のようにおもちゃのように扱われて興奮している自分がいる。押さえつけられて、息もできないし声も出せないのに、自分の全てがニキに支配されている感覚に溺れていった。
「ん゛ッ……っふ……ッ……ん゛ッッ〜〜〜〜ッ♡♡♡♡」
「首締められてイッちゃうの?」
「はぁッ、はぁ゛ッ……♡♡」
「えっちだね、裕太っ」
「あ゛ッ♡♡はぁ゛、あっあ、あ、ッ♡♡」
「ねぇ、勝手にイッてごめんなさいは?」
「お゛ッ♡♡あ゛あ゛ッ♡♡ご……ごめっ♡♡ごめんッなひゃ……っい゛ぃッ♡♡」
「よしよし、偉いね」
ニキは俺の頭を撫でて抱きしめるように奥を突く。ニキの匂いと温もりが体全体に伝わってドキドキが止まらない。ニキの鼓動も伝わるような気がして、俺もニキを抱きしめ返す。
「……ぁ…裕太、イきそ…」
「はぁ゛ッ、あ゛っ……ぁ……にき…ッ ♡♡」
「好きだよ、裕太、裕太…っ」
「にき…ッ♡♡にき、っあ゛、お゛ッ♡♡すき、しゅき……ぃ゛ッ♡♡♡」
「ナカ出すよ、受け止めて」
「あ゛あ゛ぁ゛ッ♡♡うぅ゛っ♡♡きて、きて、おねがぃ゛ッ♡♡にき…ぃ゛ッ♡♡♡」
「ぅ……あ、裕太……ッ!」
「ん゛んぅ゛〜〜〜〜ッ♡♡♡♡」
2人で果ててしまって、ぎゅっと抱き締めあったままぼーっとしてしまう。苦しさと同時に来る快楽という新しい感覚に襲われて、身体がビリビリしていた。
「裕太……大丈夫そ?」
「はぁ……ッ、はぁ…」
「苦しかった?ごめんね、つい……」
「……つい…じゃ、ないねん…なんであんなこと、したん?」
「……僕に苛められてるのに、苦しいのに、気持ちよさそうな目して僕の事見てるの、めっちゃ興奮した……」
「はぁ……?」
「苦しいのに気持ちよさそうに喘いでる裕太の声堪らないわ……」
「お前……どうした…」
「いじめてごめん。僕は裕太のこと大好きだから、嫌なら辞める。ごめんね」
「別に……苦しいけど。嫌じゃ、ないわな」
俺は別にそういう性癖を持っていた訳でもない。SMとか興味はあるが自分がやる立場になるとは思っていなかったし。けれど、これはそういうプレイじゃない気がする。多分、ニキの独占欲だと思う。最近俺がほかの活動者とコラボしたり案件を撮ったり色々あったから、きっと、ニキは嫉妬しているんだと思う。それが行動に出てしまっているんだと思うとなんだか愛おしかった。それに、俺自身も目覚めてしまいそうなくらい気持ちよかった。
「苦しいのは嫌やけど、ちょっとだけ……なら」
「……マジ?」
「しゃーない、許してやるよ」
「……裕太〜だいすき〜〜っ」
「ええからもう、風呂いくぞ」
「そうだね、背中流してあげる。腰辛いでしょ、立てる?」
「……手、貸して」
「はぁい、ちゃんと優しくもするからね」
「デフォはそうであってくれよ」
「当たり前。大事な恋人だから」
優しく手を取って立たせてくれる。
優しいのももちろん大好きだけれど、たまにはああいう冷たい目をして恍惚とした満足気な表情をして、独占欲丸出しで俺を抱いてくれるニキを見るのも良いな。そんなふうに思った。
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