上田「もらってばっかじゃ申し訳ないないので、昼何か奢りますよ」
…そんなに奢られたくないのだろうか。鳩に豆鉄砲を食らったような顔をしている。
そう言えば自分から「奢ります」なんて言ったことなかったな。
佐藤「なんでもいいの?」
上田「俺ができる範囲でなら」
佐藤「でかかわの限定ぬいぐるみを一緒に買いに行って欲しい」
でかかわ。10〜20代を中心に爆発的な人気を誇っている猫のマスコットだ。流行に疎い俺ですら知っている。佐藤がすきだったとは意外だ。
佐藤「誤解しないでね?姪の誕生日プレゼントにあげるんだよ」
なるほど。それなら納得がいく。ふと俺にある疑問が浮かんだ
上田「言っておいてなんですが、どうして1人で買いに行かないんですか?」
佐藤「転売ヤーの対策のために2人組じゃないとダメなんだよ」
佐藤が困った顔で言う。しかし、2人組という縛りだけだと転売ヤーは防げないんじゃないか?
佐藤「早速だけど買いに行こう。限定だから売り切れたら元も子もないから」
佐藤「ついた。ここだよ」
佐藤が指差した先には、パステルカラーのくまやでうさぎ、あれは…マシュマロかな。いかにも映えそうな感じの外観だ。
佐藤「これ絶対僕目立つやつじゃん」
佐藤高いもんな〜。しかも顔がいいときた。これは隣にいる俺まで目立つ。
スタッフ「いらっしゃいませ!当店は2人で全10種のスタンプを集めていただいて、その後豪華景品ゲットという感じになっております!是非お楽しみください」
上田「豪華景品というのは…?」
スタッフ「こちらの限定でかかわぬいぐるみになります」
スタンプラリーをしてゲットするということか。わかりやすい。
佐藤「早速向かおうか」
…このスタンプラリーはなかなかに難しかった。謎解きとアスレチックを掛け合わせたものであり、頭は疲れるわ、体力はなくなるわでなかなかに大変だった。
上田「これでラスト…ですか…?」
佐藤「…きっとそのはず…」
しかし部屋には何もない。
スタッフ「最後のチャレンジは!カップルの証明をしていただければクリアです!」
カップルの証明??なにするんだ、お揃いTシャツとかか?
佐藤「具体的には…?」
スタッフ「先ほどのカップルはキスをなされていましたよ」
佐藤も流石にこの状況は予想外だったらしい。あんなによく回る口が全くと言っていいほど動いていない。そもそも俺が奢ると言ったからこうなったわけだし。俺に責任がある。
俺は覚悟を決めた。
上田「先輩」
上田「目、閉じてもらっていいですか」
佐藤「無理しなくていいよ、?」
先輩の顔が赤くなっていく。色白だから余計わかりやすい。こっちまで恥ずかしくなってくる。
俺は佐藤の頬にキスをした。
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