コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
幻覚寺の墓地は焼き場でも無いのに、ガンガン火が燃えている。全て「お骨」を改めて金隠氏が読経しながら燃やしている為で有る。粉々だった骨はさらに燃やされると灰になり、残存は僅かになった。百はあった骨壺の中身は、灰になると一箇所に集められ、金隠氏は山頂から下の山に向かって勢い良く撒いた。合掌し、彼は山を下った。
「やあ、いいお天気で良かったよ。後は少しづつ『総合墓石』にご氏名を彫っていくから」「そうね、仏様も浮かばれるでしょう」亜漕は満足そうだった。こうした合祀も時代的な変化だろう。「えっ⁉」と思う金持ちすら申し込んで来る。
「一休みしましょう。皆を呼んでお茶にするから。」
幻覚寺の山に沈みゆく太陽の夕暮れは美しかった。