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それから数日間、スタンリーはほとんど毎日、学校帰りにあの図書館へ通っていた。
そんなある休日の朝。
朝食をとっていると、父親が何気ない調子で言った。
「今日な、仕事の関係で会う人がいるんだが、その人の子供がスタンリーと同い年でね。会わせたいって言われたからついてきてくれ。」
スタンリーはスプーンを止める。
(なんで親の仕事で、知らねぇ奴と会わなきゃなんねぇんだよ)
頭に浮かんだのは図書館と、あの白衣の少年だった。
今日も行くつもりだったのに。
結局 、 スタンリーは大きくため息をついて 頷いた。
車で三十分ほど。
助手席で黙って窓の外を眺めながら、少し長いな、とだけ思う。
到着した家は、思ったよりも広い敷地だった。
案内してきた大人が、にこやかに話しかける。
「君がスタンリー君か。噂は聞いているよ。
大人も出る射撃大会で優勝したそうじゃないか」
「Thank you」
スタンリーは今すぐ帰りたい気持ちを押し殺して、適当に返す。
そして廊下を進み、ある部屋の前で立ち止まる。
「ここが、息子の部屋だよ」
興味はなかった。
ただ礼儀として、ノックをする。
「どうも、スタンリースナイダーでs」
言い終わる前に、視界に入った人物を見て、スタンリーは固まった。
銀色のポンパドール。
見覚えのある、すべてを飲み込んでしまいそうな瞳。
中にいた少年も、同じように目を見開いている。
「……スタン?」
「……ゼノ?」
背後で、大人が楽しげに言う。
「じゃあ、私たちは別の部屋で話してくるよ。
終わるまで、二人で仲良くしていてくれ」
扉が閉まる。
数秒の沈黙のあと、先に吹き出したのはゼノだった。
「はは…はははっ!まさかとは思っていたが……」
「それ、俺のセリフな」
スタンリーも耐えきれずに笑い、ゼノが腰掛けていたベッドの隣にどさっと座る。
「いやぁ、驚いたよ。
まさか“射撃大会で優勝した同い年の少年”が、スタンだとはね」
「俺もだよ。
“父親の仕事関係のガキ”が、図書館の天才だなんて聞いてねぇ」
二人は顔を見合わせて、また笑う。
部屋は思ったよりも普通だった。
本棚は多いが、ポスターやゲーム機もちゃんとある。
「ここ、ゼノの部屋か」
「そうだよ。君の想像よりは子供部屋だろう?」
ゼノがまたジョークを言う。
スタンリーはそのジョークに笑って言った。
「なんかもっと実験器具とかあんのかと思った」
「そのようなものは全部、君との秘密基地にあるよ」
スタンリーはあの図書館にそんな物があると聞いて少し驚く。
「そりゃ初耳だな。どこにあるんよ」
「気になるかい?」
「まぁな」
ゼノはその言葉をきくと、スタンリーの目を見て口を開く。
「じゃあ、親の話終わったら――」
言いかけたところで、二人同時に口を開く。
「図書館行く?」
「図書館に――」
一瞬の沈黙。
それから、また笑いが弾けた。
「言うと思った」
「見事だスタン。」
スタンリーは立ち上がり、腕を伸ばす。
「じゃあ決まりだな。 」
するとゼノはゲーム機をスタンリーに差し出す。
「では、親の話が終わるまでたまにはゲームをしようじゃないか」
スタンリーはそのゲーム機を手に取って言った。
「あんたが言い出すなんて珍しいじゃん」
そしてゼノはニヤッと笑う。
「おぉ、スタン。射撃だけの君は僕に勝つことはできるのかな?」
そんな皮肉にスタンリーは笑って答える。
「あぁ、できるね」
ーーーーー数時間後
「また俺の勝ちだな」
ゼノは眉間にしわを寄せながら言う。
「……One more time」
「あんたこれで何回目よ…もう諦めな。」
スタンリーは呆れたように笑う。
ゼノは渋々テレビの電源を切る。
すると丁度、部屋のドアがノックされる。
どうやら終わったらしい。
スタンリーは立ち上がってゼノに言う。
「じゃ、あとでよろしく」
「わかっているよ」
スタンリーとゼノはまた、2人だけの図書館に
行く。