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最後の、「ドゴッ」は誰が殴られたのか😕
続き楽しみです!
鍵の閉まった鉄扉を開けること30分。
館内を探し回った結果、スペアキーなるものを見つけ鍵穴にさす。…しかし、鍵が開いたはいいものの、らっだぁが片手で押していた鉄扉は思ったよりも固く重く、4人全員で押しても片扉半分程しか開かないでいた。
やっとの思いで森へ出る。
「…ッやった‼︎出れたぁぁ〜‼︎」
4人その場で盛大に盛り上がる。
少し経ち、足元の土がぬかるんでいることに気がつくとぐちゃぐちゃと横から嫌な音が聞こえた。
その方向に視線を移せば、紫色の少年ことコンちゃんが柔らかい土を飛ばしていた。
「ちょ、コンちゃん。あんまり服汚すと後々バレるから…」
「あっそうだね‼︎ごめん」
目前に位置していた一直線に伸びる道を進んで行く。
ほどほどに進んで行くと、どういう原理かは知らないが、先程まで柔らかかった土が固くなり普通の地面へと変化していく。
それと同時に賑やかな声が聞こえてくる。
「誰かいるのかな?」
「さぁ?けど近付かん方がい…」
ガサガサ__
「あぁ゛?こんなとこに子供だぁ?」
物陰から出て来た大人の人間に対し、俺ら全員の体は硬直してしまった。
震えが止まらない。怖い。
昔の出来事を思い出す。
「ら…ッ…だぁ」
「毎度、ありがとうね〜」
「こちらこそ〜」
八百屋の老いた店長に営業スマイルを返す。何故かあの店だけはとてつもなく信頼されており、長年贔屓にさせて貰っていた。
森に帰ろう。
そう思って変化させようとすると、突如物凄い頭痛が走る。思わず膝をついてしまいそうになるも、近くにあった茂みに身を隠す。
なんだ…?一体…
数百年…いやそれ以上生きて来た中で、こんな体験は生まれて初めてだった。
呼吸が荒くなり眩暈がする。
『…ぁ』
頭の中に声が響く。
聞き覚えのある、幼い声。
『らっだぁ』
アイツの声だ。
『助けて…ッ』
「なぁんで子供がこんな場所にいるんだぁ??」
「保護団体はこの場所まで見ねぇからだろ」
「馬鹿、アイツら凡人は管轄区域しか見ない低脳だからこの場所は見ないだろうって言ったのお前じゃねぇか」
「あぁ?そうだったっけかぁ〜?」
1人の男が頭を大胆に掻くと、フケのような白い粉が舞っていく。青く綺麗な草に似合わない白が降りかかる。
何故か…何故か分からないが、とてつもなく苛立ってしまう。
「ヤメロッ…‼︎」
緑色の少年こと、緑色が飛びかかる。
彼からすれば、青色という[尊敬する彼]の色を汚されたことが、自身を犠牲にする程嫌だったのだろう。
ドゴッ__