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⚠nksr
⚠不穏
「おはよ」
いつもと変わらない声で 彼は 言う
「 ん、おはよう 」
それに答えるように俺は手を振った。
a.m.3:25
窓についた雫が硝子を滑り落ちた
それと同じタイミングで彼は煙を吐く
雨の中 ベランダで煙草を吸う彼の後ろ姿が酷く美しく見えた
ベランダへと続く扉を開けて 彼の隣に並ぶ
「 なあニキ 」
「 ? 」
呟くように彼は言う
「 俺死のうかなって 」
淡々といつもと変わらない声色でどこか遠くを眺めながら 彼は言った
冷たい変な汗が だらり と 額を伝う
なにか、言わなきゃ
頭が真っ白で 何も考えられない
「 ぁ、え…は? 」
「 ニキ、俺しにたい 」
虚ろな目をして 小さく微笑んだ
ここで手を下ろしてしまったら 後に戻れなくなる様な気がしてたまらない
いつも 彼の笑顔と優しさに甘えて 手を下ろしてきた
その行為が この事態を 招いたのか
雨が強くなる
吹かれた風が窓を揺らした
「 ぼびー、それマジで言ってる? 」
「 …マジに決まってるやろ」
吐き出された煙がふわふわと宙を漂う
ああ、本気なんだ
そう思わされる鋭い瞳が俺の瞳を捉えた
俺は多分、ボビー無しじゃ生きていけないのだと思う
なら 答えはひとつだ
「 ならボビーと死ぬ 」
煙草の火が消された