テラーノベル
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第一フェーズが始まった、とアナウンスがあってから部屋の空気は、少しだけ柔らいだ。
あちこちで会話が生まれ、
笑い声も聞こえるようになる。
……けれど、私の胸は落ち着かなかった。
(dnさん…)
無意識に視線を探してしまう。
少し離れた場所で、dnさんは誰かと話していた。
楽しそう、というより、
真剣に話しているように見える。
et「……そっか」
小さく呟いた声は、自分にしか聞こえない。
na「大丈夫?」
隣から声がした。
et「え、あ…」
開始前から話してくれた、naさんって人。
na「さっきから、少し元気ない気がして」
et「……そんなことないよ」
反射的に否定すると、naさんは困ったように笑った。
na「ごめん。踏み込みすぎたかな」
et「ううん、違うの」
少し迷ってから、正直に言った。
et「好きな人が、いて……」
na「そっか」
naさんはそれ以上、聞いてこなかった。
na「言いたくなったらでいいよ。
無理に話さなくていい」
その距離感が、ありがたかった。
et「…こういうゲーム、苦手でさ
誰を信じていいか、わからなくなる」
na「……うん」
naさんはずっと隣で聞いてくれた。
(この人は、同じ側かもしれない)
ポケットの中の栞を指でなぞる。
実際俺は少し緊張していた。
mf「……でさ、急に呼ばれて、ここ」
mfさんの話を聞きながら、相槌を打つ。
dn「確かに、意味わかんないよねぇ」
mf「でしょー?」
mfさんは肩をすくめた。
mf「…恋愛とか、正直あんまり得意じゃないんだよね」
その言葉に、胸が少し痛む。
(知ってたけど、知ってたけど…)
恋手帳の内容を思い出す。
• 想い人:mf
• 役職:市民
• 好物:ハンカチ
dn「……俺さ」
dn「このゲーム、ちゃんと向き合いたいと思ってる」
mfさんが 真面目な顔でこちらを見る。
dn「誰かを騙したり、適当に選んだりしたくない」
mf「……うん、」
dn「だから」
一瞬、言葉に詰まる。
dn「…っ、よかったら、もっと話したい、です」
暫く沈黙が続いた。
俺は拒絶を覚悟した。
でも、mfさんはふっと笑った。
mf「いいよ」
dn「えっ、え…」
mf「真剣なの、伝わるし」
胸の奥がじんわりと温かくなる。
dn「ありがとう、mfさん…」
mf「こちらこそ、dnさん」
mfさんはそう言って、少し照れたように視線を逸らした。
その背中を見ながら、俺は思う。
(この人となら……)
まだ椅子のことは、考えない。
今はただ、話せる時間が欲しかった。
俺は、違和感を覚えていた。
恋手帳を、何度も開いては閉じる。
• 想い人:na
• 役職:市民
• 好物:キャンディ
……変わらない。
なのに。
(なんで、さっきからetさんばっかり目に入るんだ)
naさんと話しているetさん。
少し安心したような表情。
胸の奥が、ざわつく。
jp「……俺、何してんだろ」
キャンディを口に入れる。
甘さが妙に強かった。
tt「jp、」
声をかけられて振り向くと、ttがいた。
tt「大丈夫か?」
jp 「え? あ、うん」
tt「さっきからぼーっとしとるやん」
ttは心配そうに言う。
tt「……このゲーム、変だよな」
俺は苦笑した。
tt「好きでもない相手を、好きって決められるの」
ttは一瞬、何か言いかけて、やめた。
jp「……そうだね」
短い沈黙。
tt「誰か、気になる人おるん?」
ttの問いに、俺は言葉を詰まらせる。
naさんの顔。
etさんの横顔。
jp「……わかんねー」
tt「なんやそれw」
正直な答えだった。
その瞬間。
胸元が、ちくりと痛む。
――まだ、この時は知らない。
この違和感が、
想いの変化の前触れだということを。
NEXT/4話
コメント
3件
jpは浮気性…、かな…? mfdnだぁ…!
おお....取りあえず最高ってことで 続きが楽しみっす。
jpまさか、、浮気性!?続きが楽しみ(っ ॑꒳ ॑c)