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sm視点 優しい夢を見た
暖かい。優しい光と温もりが俺の身体を包んでいる。
ここはどこだ?
目を開けようと試みても、金縛りのように目が開かない。
ここは俺の家ではないのか?横になっている身体は重く、動かすことができない。
思い当たることはないか、頭を回す。
今日もいつも通りに、自分の部屋のベッドに吸い込まれるように倒れて、目を閉じた。…いや、それとも今日は酒を飲んでいたっけ?そもそも俺は家に帰ったのか?
記憶がかなり曖昧。でも、この異様な雰囲気から、俺の脳はこれを夢だと判断した。
ここは夢の中であり、瞼の奥に感じる、この既視感のある気配もまた幻想である。そう考えること辻褄が合う。気がする。
俺はそこにある気配に問いかけることにした。動けないが、声は出せそうだ。
「ぐちつぼ?」
返事はない。けれど、この気配はあいつに違いない。現実よりやたらと安心感があり、柔らかい雰囲気だが。
俺の声に反応したのか、俺の髪に手が触れた。目すら開けられなく、動けない俺の頭を撫でるその大きな手。
頭を撫でられるなんて久しぶりだ。
俺の身長のイジリとして頭を鷲掴みにされることはあるが、こんなに優しく触れられるのはいつぶりだろう?
俺はあまり子供っぽい扱いをされることはないから新鮮で、ちょっと恥ずかしい。
でも、不思議と気分が落ち着く。嫌な気はしない。あいつは絶対こんなことしないのにな。俺はずっと人にこうして欲しかった気がする。
思えば最近は少し忙しくて、疲れがあって調子が良くなかった。配信中も頭痛がして、隠していたのだが、それに勘づいたリスナーのコメントも見かけた。
それに、たらこにだって言われた。
「そめさんさ、最近疲れてる?」
右手が僅かに動くことに気づいた。その手を、ぐちつぼがいるであろうところへ必死に伸ばす。
今だけは甘えさせて欲しい。俺は疲れたんだ。
伸ばした右手を優しく握られる。
「…こんそめ」
いつもより落ち着いていて優しい声色のその声に驚く。やっぱりお前じゃないか。
そう思っているとそっと抱き寄せられた。暖かい…身長差のおかげですっぽり身体が収まる。抱きしめながら俺の頭を撫でて、
「大丈夫。だいじょうぶ。よく頑張った」
と、慰めてくれる。
ふと鼻先がツンとするのを感じて、一滴の涙が俺の頬を濡らした。
ああ、暖かい。このままこうしていたい。
ぼろぼろ溢れてくる涙をそっと拭き取ってぐちつぼは笑った。
「…ははは。もう、どうしたんだよお前ー。俺、ここにいるからな。安心しろ?」
久しぶりに感じた人の温もりと多大な幸福感に、俺は眠くなってきた。
ここで寝て、起きたら現実なんだろう。起きたくないと思ったが、意識は遠のいて行く。
「…おやすみこんそめ」
その優しい声で、俺は眠りについた。
gt視点
今日、こんそめと会ったのは本当に偶然だった。
なぜかあいつが俺の最寄り駅にいて、声掛けようとしたらあいつ明らかに様子おかしいんだもん。
なんか目は虚ろだし、どことなく危なっかしいのを感じて、これはやばいと思って俺の家に連れて帰った。
あいつ思いの外状態悪くて、まさに限界って感じ。
それで家着いたらぶっ倒れる感じで寝て、なんつーか、守ってあげたい感じって言うの?母性本能?w的な感じで?
側で見てたらなんか可愛く見えてきちゃったからヨシヨシしてた。そしたらなんか甘えてくるし、めっちゃ泣くし、見たことないレベルで。まじで子供かよって感じ。
とりあえず寝させて、ひとまず落ち着いてから原人にはゆっくり報告した。
原人は、
「あ〜…あいつな〜。俺はあんま気になんなかったけど、たらこがなんか言ってたな。まあとりあえず、子守りガンバ!w」
とか言ってきた。なるほど。たらこは気づいてたんだなー。たらこもこんそめも、何でそれを俺に言わないんだか。
にしても、こんそめは今情緒やばそうだし俺がどうにかするしかないな。
チラッとあいつの方見ると、さっきより穏やかな顔をして眠っていた。こうしてみると歳下らしい。
「…いい夢見ろよー」
終わり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこんにちは不可思議です。初めて小説書きました。
めちゃくちゃ難しいし、尺どうしようとか、終わり方どうしようとかいろいろ考えました。初投稿なので変なとことか誤字とかあるかもしれません。
後々また投稿するかもしれません。
じゃあ今回はこれで。
ありがとうございました♪