虹色のドラゴン

　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　虹色のドラゴン続き….

村が活気に満ちてから数年が経ちました。タケルは成長し、村の若者たちのリーダーとして、夢を追いかけることの大切さを伝える役割を担っていました。彼は毎年、村の人々と一緒に「夢の祭り」を開催し、皆で自分の夢を語り合う場を設けていました。

ある年の祭りの日、タケルはふと空を見上げました。そこには、いつもと変わらない美しい虹がかかっていました。しかし、何かが違うと感じました。虹の色が少し薄くなっているように見えたのです。タケルは心配になり、村人たちにそのことを伝えました。

「虹の色が薄くなっている。もしかしたら、ドラゴンが何か困っているのかもしれない。」

村人たちはタケルの言葉に耳を傾け、再びドラゴンに会いに行くことを決めました。彼らは山を登り、頂上にたどり着くと、虹色のドラゴンが待っていました。ドラゴンは少し疲れた様子で、目の奥には悲しみが宿っていました。

「どうしたのですか、ドラゴン？」タケルが尋ねると、ドラゴンは静かに答えました。「最近、村の人々の心に夢が薄れてきているのを感じている。希望が失われると、私の色も失われてしまうのだ。」

村人たちは驚きました。夢を追い続けることが、ドラゴンの存在にどれほど影響を与えているのかを理解しました。タケルは決意を新たにしました。「私たちはもう一度、夢を取り戻します！皆で力を合わせて、希望を育てましょう！」

村に戻ったタケルは、再び「夢の祭り」を盛大に開催することを提案しました。今回は、ただ夢を語るだけでなく、実際に夢を実現するためのプロジェクトを立ち上げることにしました。村人たちはそれぞれの夢を持ち寄り、協力し合って実現に向けて動き出しました。

農業を営む人々は新しい作物に挑戦し、職人たちは新しい技術を学び、子供たちは自分たちの夢を描いた絵を村の広場に飾りました。村全体が活気に満ち、希望にあふれた空気が漂いました。

数ヶ月後、再び虹が空にかかりました。タケルと村人たちは山に向かい、ドラゴンにその成果を報告しました。ドラゴンは彼らの姿を見て、目を輝かせました。「素晴らしい！あなたたちの心が再び燃え上がったのですね。」

ドラゴンはその瞬間、色とりどりの光を放ち、虹の色が鮮やかに戻りました。村人たちは歓声を上げ、タケルは感謝の気持ちでいっぱいになりました。「私たちの夢が、あなたの存在を支えているのですね。」

ドラゴンは微笑みながら言いました。「そうです。夢は人々の心をつなぎ、希望を生み出します。これからも、夢を追い続けてください。」

それ以来、村はますます繁栄し、タケルは村人たちと共に夢を追い続けました。虹色のドラゴンは、彼らの心の中でいつまでも輝き続け、希望の象徴となったのです。