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#ベリアン・クライアン
ぷち
296
⋆˙⟡
ある日─
主はルカスとベリアンと一緒にグロバナー家に行っており、結城は地下のランドリーでフルーレと一緒に洗濯をしていた。
「手伝って頂きありがとうございます、結城さん!助かります。」
結城はいつもこのたくさんの量を1人でやっているのかと思うと、フルーレの仕事に対する情熱を感じ取った。
「こんなにたくさんの洗濯を1人でやってるなんて、フルーレさんは凄いですね!俺にはなかなか出来ませんよ。」
結城の言葉にフルーレの心が温まり、2人で手分けして洗濯をしていると、ミヤジがランドリーにやって来た。
「おや、結城君も来てたんだね。フルーレ君の仕事を手伝ってるんだね、ありがとう。」
結城はミヤジの事を慕っているためなのかミヤジに会えてとても喜んでいるようだった。
「少しでも執事達のお手伝いをしたくてしてるだけなので、お礼なんてそんな…」
結城が照れくさそうにしていると、ミヤジは頬を緩ませてランドリー用のバスケットを持ち一緒に洗濯物を干す事になった。
3人は手分けして洗濯物を干していき、あっという間に終わった。その時、気持ち良さそうにお昼寝をしているムーを見付けた。
「ふふ…もう食べられないです…」
ムーは寝言を言いながらよだれを垂らしながらお昼寝をしていたため、すぐにささみを食べている夢をみているのだと確信した。
「ムー!…もう何やってるんだよ。」
フルーレに大きな声を掛けられ、ムーはびっくりして飛び起きた。
「わわっ!!びっくりしました…」
ムーはその後、もふもふされながら結城に抱き抱えられ顎下を撫でられていた。
「んふふ…気持ち良いです♪」
ムーはゴロゴロと喉を鳴らしながら気持ち良さそうな顔をした。
「洗濯物も干せたし、紅茶淹れてひと息つかないかい?」
ミヤジがそう言うと、紅茶セットを用意すると手際良く紅茶を淹れていった。そして、結城とフルーレの前に紅茶を差し出した。
「ありがとうございます、ミヤジ先生。」
2人はお礼を言うと、一口飲んだ。
結城はムーを膝の上に乗せていると、ポケットに猫用のおやつを持って来ている事を思い出した。
「ムー。これ、猫用のおやつなんだけどどうかな?」
結城はチ◯ールと書かれている有名なおやつを手のひらに出し、ムーの口元に持っていき差し出した。
ムーは見た事がないものだったため、くんくんとにおいを嗅いでいたが一口食べ始めるとあっという間に全て食べ終わった。
結城の手を綺麗に舐め取る程に美味しかったのだろう、もっと欲しそうに結城の方を見て居た。
「美味しかったです!ささみも好きですけどこのおやつも好きになっちゃいました♪…あの、もうないですか?」
結城はずっと手を舐めているムーが可愛くてぎゅっと抱き締めた。
「ごめんね、もうないんだ。また今度持ってくるね。」
結城はムーの頭を撫でながら、次はネコ缶も買ってこようかなと考えていた。
「ムー…最近、太ってきてると思うけどダイエットしなくても良いの?」
フルーレはムーの食い気に呆れて、丸々となっていくムーの体の心配をしていた。
「…じゃぁ次のおやつは、カロリー控えめのものを持ってこようかな!」
結城はムーの身体の事も考えながらおやつを持ってこようと思い、密かにムーのダイエットを応援しようとしていた。
一方その頃─
主とアモンと隼人は庭でアモンが育てた花を愛でていた。
「◯◯さんは本当、お花が好きっすね♪」
アモンはお花の香りを嗅いでいる主を愛おしそうに見ながら、主に問い掛けた。
「私が好きなのはアモンが愛情をかけて育てたお花達が好きなんだよ。だって…こんなにも綺麗で、力強く咲いてるんだもん。」
隣に居た隼人もアモンの庭の花達に対する情熱と愛情深さには感心していたので、心の内で納得していた。
アモンは愛する人から自身が愛を持って大事にしているものを、一緒に大切にしてくれている事が嬉しかった。
「◯◯さんにそんな風に言ってくれるのは庭師冥利に尽きるっすね♡これからもこの屋敷の庭のお花は、俺が綺麗に咲かせるっすから見てて下さいっす♪」
アモンは主の手の甲に軽くキスをすると、それを見ていた隼人は俺もと言わんばかりにもう片方の手の甲に軽くキスをした。
主は笑みを零し、コンサバトリーのお花達も見ようとアモンと隼人にも声を掛け、3人は結城とフルーレとミヤジとムーが居るコンサバトリーへと向かって行った。
主が結城とフルーレとミヤジとムーが先に居る事に気が付くと、その光景はまるで休憩中の執事達の戯れにしか見えなかった。
主と結城と隼人は執事達とは違う世界から来たけれど、そうとは思わせない程にとても馴れ親しんで、幸せな空間になっていた。
「…?◯◯、どした?」
隼人が主に声を掛けると、頬を緩ませながら主は答えた。
「ううん、何でもないよ。…でも、幸せだなって思ってたの。結城君も隼人も、こっちの世界に馴染んで今では執事として私の側に居てくれてる。
その事がどれだけ幸せな事なんだろうって思ったら嬉しくて…すごく温かい気持ちになるの。」
主はそう言うと、3人と一匹の元へと走って行った。アモンと隼人は、主の心優しさに胸を高鳴らせた。
(俺はそんな◯◯さんだからこそ、大切にしたいって思うんすよ。)
(やっぱ…◯◯は、この屋敷の主なだけはあるよな。だから◯◯の事も、執事達の事も…俺は守りたいって思うんだよ。)
アモンと隼人は、熱い想いを胸に秘めながら主の後を追いかけた。
fin.
コメント
1件
もうもう、このエピソードめちゃくちゃ癒された…!洗濯干しの光景も、ムーがおやつに夢中になってる姿も、主さんがみんなの幸せを噛みしめてるラストも、全部がほっこりした空気で包まれてて読んでて自然と頬が緩んだわ。結城くんがムーのダイエットまで考えてるの、細かいとこまで優しくてにこにこ止まらん。こういう日常回、大好きです!