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ここは、とある都市のグランドホテル。
今日は、修学旅行生がここに泊まりに来た。
教師の言う事を聞き、生徒達は自由時間となった。
修学旅行に来たのは中学一年生である。
ニイナ「っしゃあああ自由だァアア!!!」
ユウタ「お~い、ニイナ!」
ケイとルリのいる部屋に行こうとするニイナをユウタが止める。
ユウタ「ちょっと待ってよ!一緒に遊ぼうぜ」
ニイナ「おー!おkおk!」
ユウタはニイナを連れて卓球台に移動した。
ユウタは卓球が得意なのでニイナは3回しか勝てなかった。
数分後、昼食の時間になり、みんなで食堂に向かった。
ユウタ「あ!返せよ!!それオレのゼリーなんだぞ⁉」
そして数時間後、夜になり、生徒達はそれぞれの部屋に戻った。
3号室に行っていたニイナ、ルリ、ヒマリだが、ニイナがピタッと立ち止まった。
ルリ「ニイナ?」
ニイナ「…やった」
ヒマリ「え?」
ニイナ「メインバッグ食堂に置いてきた」
ヒマリ「あ…」
ルリ「じゃああたしら先に部屋戻っといて良い…?」
ニイナ「あ、うん。じゃあたし食堂行ってくるワ」
ニイナはルリとヒマリを置いて一人で食堂に向かってしまった。
ヒマリ「大丈夫かなぁ」
ルリ「大丈夫っしょ」
二人はニイナを心配しながらも、自分達の部屋に戻っていった。
その頃、ニイナは食堂に着いていた。
ニイナ「あったあった。良かったァ」
ニイナは5番テーブルの椅子からメインバッグを取り、食堂から出て自分の部屋へ帰ろうとした時だった。
突然電気が消え、食堂が真っ暗になったのだ。
ニイナ「な、何!?停電!?」
すると、厨房の方から声が聞こえてきた。
「キャハハハハハ!!!」
ニイナ「ひっ!?」
ニイナは思わず悲鳴をあげてしまった。
すると厨房の方からシェフの女性が包丁を持ってニイナの方へ突進してきた。
ニイナ「うああああ⁉」
ニイナは食堂から出て、エレベーターホールまで逃げようとしたが、後ろを振り向くとそこにはコック服を着た男性が立っていた。
男性「キャハハ!!逃ガサナイヨォオオオ!!!」
ニイナ「ひぃいいいい!!」
ニイナは必死に逃げ、階段を使い一階に降りた。
ニイナ「ハァハァ…よし、いない…」
ニイナは3号室のドアの前に立ち3号室のドアを勢いよく開けた。
ニイナ「ルリ!ヒマリ!」
ルリもヒマリも熟睡しており、ニイナの声に全く気づかない。
ニイナ「寝てる場合じゃないんだって!!起きて!!」
ルリとヒマリを揺すったが起きなかったので、2号室に行った。
ニイナ「ユウタ!!」
ユウタ「うおっ⁉」
ニイナ「ちょ、早く来て!大変なんだよ!」
ユウタ「どしたん?何かあったのか?」
ニイナ「とにかく早く!」
ニイナはユウタの手を引いて二階に上がり、食堂に行った。
ニイナは食堂の近くでピタっと止まった。
ユウタ「なんだよいきなり止ま…」
ニイナ「しっ!」
ニイナが指差したのは、調理場だった。
そこではコックやシェフ、そして客と思われる男性が倒れていた。
ユウタ「は…?」
そして、一人のシェフが男性の手を包丁で刺していた。
男性は痛みに耐えられず泣き叫んでいた。
男性「ぎゃああああ!!」
その光景を見た瞬間、ニイナとユウタの身体が硬直してしまった。
ニイナ「な、なん……」
その時、1人のコックと目が合った。
ユウタ「!」
ユウタはニイナの服を掴み、その場から離れた。
ニイナ「どうなってんの!?」
ユウタ「わかんねぇよ⁉とりあえず逃げるぞ!」
2人は食堂を出て、エレベーターホールへ向かった。
しかし、先程のコックが追いかけてきた。
ユウタとニイナはエレベーターに乗りボタンを押した。
ユウタ(閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ!!!)
コックがエレベーターに入る寸前にエレベーターが閉まり、なんとか危機を逃れた。
ユウタ「助かった…」
ニイナ「しっかし、何なんだあのシェフさん……」
エレベーターが一階に着き、扉が開いた。
ユウタとニイナは3号室と2号室のドアの間くらいで止まった。
ユウタ「…で、どうするよ…」
ニイナ「寝ようと思っても絶対寝れないしね…」
ユウタ「…とりあえず起こせるだけ起こすか」
ユウタ「オレは男子起こすから、お前は女子を頼む」
ニイナ「分かった」
ユウタは3,1号室に、ニイナは2,4号室に行きそれぞれを起こした。
数分後、全員を起こすことに成功したが、まだ食堂にはコックとシェフがいた。
コックは料理を作り始め、シェフは食器を準備し始めた。
ニイナ「……なんかヤバい気が……」
ヒマリ「人肉料理…?」
ルリ「そんなわけ無いって……」
ヒマリ「でもさっきからずっと変じゃん」
ルリ「確かに……」
コックとシェフは出来上がった料理を持って食堂から出て行った。
すると、突然後ろから声がした。
リア「うわっ⁉」
後ろを振り返ると、ホテルマンの男性が立っていた。
男性は暗黒微笑を浮かべ、ニイナ達に行った。
「すみません。驚かすつもりは無く…こちらへどうぞ。」
男性に連れられて、ニイナ達は大広間へ行った。
ソウマ「あの、貴方は?」
レイリ「私はここのホテルマンを務めるレイリと申します。」
レイリ「ところで、生徒達はこれで全員ですか?」
リア「いえ…」
レイリ「では、生徒達を起こして来て頂けませんか?」
ルリ「あ、はい」
ルリはソウマを連れて、三階の客室に行った。
数分後、全ての生徒が揃った。
レイリ「ありがとうございます。では、ここについて少し説明をさせて頂きます!」
レイリ「この時間帯、皆さんはお腹が空いていると思います!なのでまずは食事です!食事をして下さい!食べ終わったらここから出られるかもしれません!」
ルリ「えっ!?」
ルリは思わず声をあげてしまった。
レイリ「大丈夫ですよ。アレは、味はともかく、食べれます」
レイリは生徒達を見渡した。
レイリ「おやおや…不満げですね…」
レイリ「では、こうしましょう!」
レイリ「貴方達のお金を貰います。」
ヒマリ「…え?」
レイリ「聞こえませんでしたか?」
ヒマリ「いや、そうじゃなくて」
ソウマ「お金は、先生が…」
レイリ「はい。それは確かに事実です。でもそれはあくまでも”修学旅行の費用として預かっている分”だけです。」
レイリ「修学旅行の費用を全額負担するのは、保護者や教員の方々です。つまり、貴方達は実質タダです。でも貴方達は客です。客である限りお金は払ってもらいます。今からは”旅行”ではなく”合宿”という扱いになります。」
レイリ「そして、私が要求しているのは、その分の金額。すなわち、”私や他のスタッフへの報酬金”ということです!分かりましたか?」
生徒達が困惑し何も言えないでいると、レイリがニイナのメインバッグを指差した。
レイリ「それに入っているお金を全て出して下さい。」
ニイナ「え!?」
レイリ「500円です」
ユウタ「おい待てよ!」
ユウタはレイリに詰め寄った。
ユウタ「何言ってんですか!?」
レイリ「貴方は?」
ユウタ「は…?」
レイリはユウタの財布を掴み、中身を確認した。
レイリ「ふむ……なるほど……貴方も結構持っているじゃないですか」
ユウタ「ちょっ……」
レイリ「貴方も生徒ですからお金を出して下さい。」
ユウタ「ふざけんな!!」
ユウタはレイリに掴みかかったが、レイリはそれをかわした。
レイリ「乱暴は良くありません。」
レイリ「さぁ、早くお金を出しなさい」
ユウタ「…」
ユウタは渋々500円を差し出し、それをレイリが受け取った。
レイリ「ありがとうございます。」
レイリ「貴方は賢明で助かりました。他の方も見習ってくださいね」
ヒマリとソウマは俯いていた。
レイリ「さぁ、そこの金髪の貴方も青い髪の貴方も」
ヒマリとソウマが動けないでいると、レイリは自分のスマホでサイレンを鳴らした。
ソウマ「⁉」
すると、大量のスタッフに囲まれた。
「お金を出しなさい」
ヒマリ「いや……あの……」
レイリ「さっき言ったはずですよ?これは、合宿だと」
レイリは暗黒微笑を浮かべていた。
ユウタ「くそっ!!離せ!!!」
ルリ「ちょっと!落ち着いて!」
レイリ「暴れるなら拘束するまでですね♪」
スタッフは生徒達を掴んだり、抑えたりし始めた。
レイリ「皆さん、大人しくして下さいね?」
生徒達は抵抗するも、多勢に無勢だった。
残るは1人だけになった。
レイリ「最後は貴方1人だけです。お金を渡して下さい」
レイリがそう言うと、ミラが震えながら言った。
「な、無いです…」
レイリ「何故?」
レイリの声が少し低くなった。
ミラ「だ、だって…」
ミラ「わ、私、お金無くなった友達にお金あげたりして、持ってないんです!」
レイリ「……なるほど。」
レイリ「では、こうしましょう。」
レイリ「”貴方以外の全員”で働いてもらいます。」
レイリ「勿論、貴方達に拒否権はありません。」
レイリ「そして…」
レイリ「お金を払えないお客は、”お客様ではありません”」
レイリ「よって、お仕置きが必要ですね」
レイリはニヤッと笑った。
生徒達は皆、絶句していた。
レイリ「おやおや……そんな顔しないで下さい。」
レイリ「大丈夫ですよ。痛いのは一瞬のみですから」
ミラ「あ…や…やめ…」
ミラは泣きながら後ずさったが、すぐに捕まった。
そして、レイリがシェフ達に向かって言った。
レイリ「…良いですよ。」
ミラ「…?」
その時、シェフがミラを掴み、何処かへ連れて行く。
ミラ「やめて!!痛い!!どこ行くの⁉ねぇ!!」
生徒達は唖然としながら見ていた。
ニイナ「あそこって確か…」
ユウタ「…!」
ニイナとユウタは察したが、恐怖で動けなかった。
レイリ「処理は済みました。」
レイリ「今から仕事について説明します。」
一話 終了