この作品は、ゆさんの「わんちゃんのお世話」(nasm)という作品の続編です。
ゆさんの作品を読んでからの読むことをお勧めします。というかゆさんの作品がとても素晴らしいので絶対に読んでください。
【Side Smile】
なんか起きたらよくわからない布に包まれてる。上手く動けない。
出してよ!ねぇ!
あ、出れた。
なにこれ……なかむの服?なんでこんなのを俺を着せたの?
ねぇなかむ、起きてってば。ねぇねぇ。これなによ?
起きないな……乗っかってみよ。
なんで起きないの。もういいよ。
目の前に立ちはだかるのは、大きな扉。
……ここしまってるじゃん。どうやって外いこう。
押しても、扉はビクともしない。
うーん、開かない。
銀色の取っ手に足をかけると、扉が動いた。
あ、やっと動いた!やったやった!
何この箱。中になんか入ってる。えいっ。
いっぱい出てきた。まぁいいや。
……なにこれ!白いのがずっと出てくる!すごい!
あれ?もう出てこない。なんでだろ。
あ、これなかむのにおいする!やった!うれしい!
振り回しながら、部屋中を駆け回る。途中いろんな物にぶつかったけど別にいいや。楽しいし。
うわっ!なんか白いふわふわ出てきたんだけど。めっちゃあるし。なにこれ、ちょっと怖い。
ん?今音したよね?
急いでなかむの所に戻ると、なかむはもう起きていた。
あ、なかむ!おはよう!
「もしかして、スマイル……?」
そう!俺だよ!やっと起きたの?遅いってば!
「ちょっとちょっと!一回離してよ!」
えぇ、なんでよ。もっと遊んでよ。
「本当に、犬になっちゃったの?」
えぇ?
何言ってるの?俺はずっとこうだったじゃん。
すると、なかむが立ち上がってどこかに行こうとする。
置いて行かれたくないから、俺もついていく。
なかむが、小さいところに入ろうとする。
いいな!俺も一緒に入る!
「ちょっと!流石に入ってこないでよ。」
えー、なんでよ。別にいいじゃん。
目の前で、扉が閉められてしまった。ちぇ、つまんないの。
しばらくすると、水の音がした。この中って何してるのかな。
あ!なかむやっと出てきた!ねえ次はなにするの?
なかむは、また知らない部屋に入ってく。
水を流して、自分のことを洗い始めた。
なんで洗ってるんだろう。
「えいっ」
するとなかむは急にこっちを向いて、俺に水をかけてきた。
うわ!なにすんだよ!冷たいだろ!
「ははっ!ごめんてごめんて」
おい、なかむはなにがしたいんだよ。そんなことしてないで俺と遊べよ。
水を止めたなかむは、またどこかに歩き出した。
そして広いへやの前で立ち止まると、急に困ったような顔をした。
まったく……なかむの考えてることはちっともわからない。
「はぁ……」
え?俺なんかしたの?
なかむは、さっきまでいたところにまた戻ってしまった。
ねぇちょっと、どこ行くのよ。
さっきからあっちいったりこっちいたりしてるしさぁ。
なかむは、四角い何かを手に持ってなにかしている。
そしてあろうことか、それに話し始めた。
「もしもし〜〜」
『〜〜……〜〜〜■■■』
え?なんでそんなのに話してんの?
ていうか知らない人の声もするし。何言ってるかよくわかんない。
「落ち着いて聞いて」
「スマイルが犬になった」
スマイル……って俺の話?
『……〜?』
「ほら、昨日耳とか生えてたじゃん」「朝起きたらもう完全に犬だった」
『〜?〜〜〜〜〜〜?』
「マジ」
「ほらスマイル、きんときにおはようして」
おはようって言えばいいのね。わかったよ!
「おはよう!」
『〜〜…〜〜■〜〜〜〜』
「そういうわけだからさ、ドッグフードとペットシーツとキャリーハウス、あと掃除道具も買って家まで来てくんない?」
『〜〜〜?』
「そう、宜しくね〜」
「さ、スマイル」
「これからきんときお兄さんがご飯を持ってきてくれます」
「それまで何したいですか?」
なかむは急にこっちを向いて、いろいろ言ってきた。
何て言ったの?上手く聞き取れない。
「わかんないよねぇ」
なかむはベッドに寝転がると、また四角いなにかをいじり始めた。
覗き込んでみると、それはぴかぴかと光っていた。ずっと見ていると目がチカチカする。
いったい何がおもしろいんだか。
ふと、なかむが悲しそうな顔をした。どうしてだろう。
おれはずっとここにいるのに、俺のことを見て泣きそうな顔をしている。
ねぇ、そんな顔しないでよ。
慰めたくて、顔を舐めてみる。なかむは一瞬嫌そうな顔をしたけど、すぐに笑ってくれた。
ねぇなかむ、おきてよ。俺と遊んだら楽しいよ?あとお腹も空いたんだけど。ごはんないの?
なかむのことを引っ張ってみるけど、びくともしない。どうしたら起こせるかな。
「あーもう、お前はほんっとうにかわいいなー!」
そしたら、なかむが起き上がって俺のことを撫で始めた。
うれしい!すっごく気持ちよくて、声が出ちゃう。おなかを撫でてくれるのが好きだった。
「お手!」
なかむが突然、手を差し出してきた。どうしたら良いのかな?
よくわからないから、とりあえず食べてみた。
「痛ってぇ!」
「スマイル、ダメ」
なかむが口から手を引っこ抜いた。痛かったの?それに、怒られた。
なんでだよ。俺は何をするかわかんなかったんだよ。
俺は悪くなくない?
俺の方を見て、なかむがなぜかまた笑った。
あぁ、やっと笑ってくれた。
なかむが笑ってくれるのが、いちばんうれしい。
何考えてるかはよくわからないけど、なかむのことが大好きだ。
これからもずっと、そばにいてあげる。おれが守ってあげる。
だから、わらっててね。
後半ちょっと雑ですね
これ以上の続きは未定ですが、0.1%ぐらいの確率で上がります。期待はしないでください。
改めまして、こんな自由な作品を許して下さったゆさんには心より感謝申し上げます。
コメント
1件

🙂視点ありがとうございます😭🙏 もう完全にわんちゃんになっちゃったんですね…何もわからないけどただただ楽しんでるのがものすごく犬で可愛いです🥰 素敵なお話をありがとうございます…😭 0.1%の確率、お待ちしております🤣