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彼ら彼女らが『ビッグボード国』に到着した瞬間、時坂が発動していたものは解除された。
その直後、ナオトの班分けが終了した……。
つまり、ナオトはほとんど時間をかけずに、班分けを終わらせたのである。
彼は部屋に戻ると、みんなを集めた後《のち》、それを発表した。
「それじゃあ、発表するぞ。一班は俺と……」
「ちょ、ちょっと待って!」
巨大なちゃぶ台の近くに座っていたミノリ(吸血鬼)は急に立ち上がると、そう言った。
「おう、なんだ? ミノリ」
「どう考えても、あんたの班は最後に発表すべきでしょ!」
「ん? あー、そうだよな。お楽しみは最後までとっておいた方がいいよな。でも、いいのか? 後になればなるほど消去法で俺の班のやつがわかるんだぞ?」
「そ、それでもいいから! あんたの班は最後に発表して!」
「ああ、わかった。じゃあ、気を取り直して。えー、二班は、ミノリとコユリとメルクだ」
【ミノリ】は黒髪ツインテールの吸血鬼型モンスターチルドレン。
ちなみに『強欲の姫君』である。
【コユリ】は銀髪ロングの天使型モンスターチルドレン。
【メルク・パラソル】は灰色髪ショートのハーフエルフ。
ちなみに、メルクが大人なのかどうかは未だによくわからない。しかし、見た目はたしかに大人である。
「じゃあ、次に行くぞ。三班はマナミとシオリとツキネだ」
【マナミ】は茶髪ショートの獣人型モンスターチルドレン。(モデルはネコ)
【シオリ】は白髪ロングの獣人型モンスターチルドレン。(モデルはネコ)
【ツキネ】は変身能力を持っているスライム型モンスターチルドレン。
ちなみに今のツキネはアパートの管理人さんである『橋本《はしもと》 かな子さん』の姿をしているため、どこからどう見ても黒髪ポニーテールのお姉さんにしか見えない。
「うーんと、四班はチエミとミサキとカオリだ」
【チエミ】は黄緑髪ショートの妖精型モンスターチルドレン。(体長は十五センチほどである)
【ミサキ】は『四聖獣』の一体である『玄武』。
ちなみに、ミサキの外装はアパートと合体している亀の方で本体は人型である。(黒髪ベリーショートの幼女であり、ボクっ娘)
【カオリ】はピンク髪ロングのゾンビ型モンスターチルドレン。
ちなみに『憤怒の姫君』である。
「えーっと、五班はシズクとルルとコハルだ」
【シズク】は黒髪ロングのドッペルゲンガー型モンスターチルドレン。(左目を黒い眼帯で隠している)
ちなみに『嫉妬の姫君』である。
【ルル=メタル=ホワイト】は白魔女。
ちなみに『モンスターチルドレン育成所』に三人いるという副所長の一人である。(白髪ロングの幼女)
【コハル】は『藍色の湖の主』。
ちなみに旧名はインディゴファースネークである。(実はミサキの実の妹)
彼女は先ほど紹介した『四聖獣』にカウントされていないが、『玄武』とは亀と蛇でワンセットなので、それなりに強い……かもしれない。(藍色髪ロングの幼女)
「で、六班がキミコとカリンとライカだ」
【キミコ】は金髪ロングの獣人型モンスターチルドレン。(モデルはキツネ)
ちなみに『色欲の姫君』である。
【カリン】は聖獣王。
ピンとこない人は『光竜』と『麒麟』と『陰』と『陽』が合わさって誕生した存在である、と認識しておこう。
ちなみに、いつもは人型である。(金髪ツインテールの幼女)
【ライカ】は紫髪ツインテール(短め)の悪魔型モンスターチルドレン。
旧名はベルモス。(ベルフェゴールとベヒモスを合わせた名前)
ちなみに『怠惰の姫君』である。
「えーっと、次は……七班だな。うーんと、フィアとヒバリとニイナだ」
【フィア】はナオトの守護天使。
ちなみに、四大天使の力を融合させて誕生した存在である。
そのためか、目と翼と髪の色は赤、青、緑、黄の四色である。(髪型がロングの幼女)
【ヒバリ】は『四聖獣』の一体である『朱雀』。
外装は常に燃えている体長五百メートルほどの『炎鳥』で本体は人型である。(赤髪ロングの幼女)
【ニイナ】は『殺し屋の中の殺し屋』……らしい。
ちなみに『肉体変形魔法』を使える。(黒いローブについているフードを深々と被っているせいで髪の色などがわからない幼女)
「えー、そんで、八班はブラストと名取と黒い影で作った俺そっくりの俺だ」
【ブラスト・アークランド】は斧使い。
一月の誕生石である『ガーネット』を誤って体に宿してしまった人物。かなりの大男。
【名取《なとり》 一樹《いつき》】は殺し屋。
名取式剣術の使い手で名刀『銀狼《ぎんろう》』の所有者。
ナオトの高校時代の同級生で両目を前髪で隠しているのは人見知りだから。
普段は途切れ途切れにしか話さないが武器のことになるとよく話す。影が薄い。
『……………………』
「え、えーっと、ちょっと待って……。今なんて言った?」
ミノリ(吸血鬼)はみんなが言いたいであろうことを代表して言った。
「おう、なんだ?」
「その……八班の班員をもう一度だけでいいから、ゆっくり言ってくれる?」
「おう、いいぞ。八班はブラストと名取と黒い影で作った俺そっくりの俺だ」
「ねえ、ナオト。ちなみに、一班の班員は誰なの?」
「え? もちろん俺だけだぞ?」
「いやいやいやいや、明らかにおかしいわよね? 三人一組って言ったのに、なんであんたの班だけ、あんただけなのよ」
「ミノリ、お前は一つ大きな勘違いをしているぞ」
「か、勘違い?」
「ああ、そうだ。たしかに一班は俺一人だけだが、今の俺は何と合体してこうなったのか思い出してみろ」
その時、ようやくその場の全員が理解した。
まず、彼が纏《まと》っている黒い鎧は【|黒影を操る狼《ダークウルフ》】が彼の体に合わせて体を変形させたものである。
次に、彼の背中から生えている四枚の黒い翼と彼の尾骨から生えている先端がドリルになっているシッポは天使型モンスターチルドレン|製造番号《ナンバー》 四の【ミカン】と『強制合体《フォースコネクト》』したことにより、一時的に得たものである。
つまり、今の彼は二人と一匹で構成されているため、三人一組という条件は満たしているのである。
まあ、その中に動物が混じっているが、それを言ったらモンスターチルドレンも似たようなものなのでセーフである……。
「たしかに、あんたは今、二人と一匹で構成されているから条件は満たしているわね」
「まあ、そういうことだ。ということで、今回はそれで頼むぞ」
「ね、ねえ、ナオト。あんたはそれでいいの?」
ミノリ(吸血鬼)はナオトにそう訊《き》いた。すると、彼はこう答えた。
「ああ、もちろんだ。というか、俺、一応、賞金首みたいだから、一人の方がほっとするというか。刺客に襲われても対処しやすいというか。まあ、そういうメリットがあるから、俺はこういう班分けにしたんだよ」
「……そう。でも、あたしたちが誰かに襲われたら、どうするの?」
「いや、それは別に問題ないだろ。なんてたって、お前らは俺と同等かそれ以上に強いんだから」
「それは……そうだけど」
しばらく……沈黙が続いた。
「……他に意見がないなら、これでこの話は終わりにするが、何か質問があるやつはいるか?」
その時、コユリ(本物の天使)がスッと手を挙げた。
「はい、コユリ」
コユリは「はい」と言うと手を下ろしてから、こう言った。
「マスター、私をアホ吸血鬼と違う班にしてください」
俺は、またコユリと口喧嘩を始めそうなミノリ(吸血鬼)の方を見ると、やめとけ……という意味で首を横に振った。
「ほう、それはどうしてだ?」
「それはもちろん、アホ吸血鬼と一緒に行動したくないからです」
「そうか……。そんなにミノリと一緒に行動するのが嫌なのか」
「はい、嫌です。同じ部屋にいるだけで鳥肌が立ちます」
「いや、そこまで言うことないだろ……」
「本当です。信じてください」
「じゃあ、見せてくれ」
「え? い、いえ、その……胸のあたりなので結構です」
「ほう、少し前に俺の初めてを奪いたいとか言ってたやつが、こんなことで恥じらうのか」
「た、他人に肌を見せることを恥ずかしいと感じるのは当然だと思います」
「いや、いつも白いワンピースを着ている時点でパンツ覗いてくださいって、アピールしてるものだろ」
「こ、これは魔力制御用の服なので仕方なく着ているだけです」
「じゃあ、なんで大罪持ちはそれを着なくてもいいんだ?」
「そ、それは……大罪持ちは全モンスターチルドレンの中でも特別な存在だからです」
「ほう、なら、もしお前が大罪持ちだったら、何を着るんだ?」
「そ、それは……その……し、白いドレスを……着てみたいです」
「そうか、そうか。コユリは白いドレスを着てみたいんだな。なら、ミノリに頼んでみればいいんじゃないか?」
「……え、えっと、それは……つまり……」
「ああ、ミノリにお前専用の白いドレスを作ってもらえばいいってことだ」
その時、ミノリ(吸血鬼)が話に割って入った。
「あ、あんた、あたしが服作れるの知ってたの?」
「いや、知ってるも何も。時々、着てたコスプレ衣装のどこかに自分の名前を書いてたじゃないか」
「あー、そういえば、そうだったわね」
彼はコユリの方を向くと、こう言った。
「なあ、コユリ。今回だけでいいからさ、ミノリと一緒の班になってくれないか?」
「……わ、わかりました。マスターの言う通りにします」
「よし、それじゃあ、明日から探索頑張るぞー!」
『おおーー!!』
その時、ミノリとコユリは小さめの声でそれを言った。
*
同時刻。ビッグボード国……。裏路地……。
「さてと、そろそろ我ら『|漆黒の裏組織《アポカリプス》』の出番ですかね。この国の裏路地にモンスターチルドレンとほぼ同等の力を得られる薬を格安で販売した結果、かなりの人たちがそれを買っていきましたから、明日にでも計画を実行できそうです」
まあ、その中で薬の力に耐えられるのはごくわずかの人たちだけですけどね……。
彼の名は『グレー・アイランド』。その姿は誰にも見せないが組織の中で唯一の頭脳派である。
彼は一度、『不死身稲荷大社』でナオトたちと会っているが、それっきり彼らに接触してくることはなかった。
それは、今回の計画のために資金を集めていたからである。
組織の目的はモンスターチルドレンが必要ない世界の実現だが、それは理想論にすぎない。
組織の本当の目的はモンスターチルドレンを超越した新しい人類を創造することである。
そして今回、それを実現するための実験台となるのがここ『ビッグボード国』である。
「さてと、それでは、明日行われる『新人類創造計画の|序章《プロローグ》』を成功させるために、今日はもう休みましょうか」
さてさて、これからどうなることやら……。