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wki[] ryk「」 mtk『』
「こんにちは!」
『………………』
「ねえねえ!きいてる?おなまえなんてゆうの!」
『………………』
「おーーい!きこえますかーー」
『ゲンキ……』
「げんき⁉︎げんきなさそうだけど……」
『ぼく、ゲンキ』
『げんきはないけど、ゲンキくん。』
「ゲンキくんか!おもしろいなまえだね! ぼくは……えっと……」
『おなまえわからないの?』
「ん………スズカちゃん!ぼく、あっわたし、スズカっていうの!」
「かわいいなまえでしょ!」
『うん』
「ゲンキくんもかっこいいよ!」
『ありがと……』
「よかったらゲンキくん、いっしょにあそばない?」
『いいよ』
Side.ryoka
これが僕たちの最初の出会い。
まだ、越して来たばかりで人見知りそうなゲンキだったけど、振り向いた瞬間にわかった。
「あ、この子僕の運命の子だ」って
みんなも新しい顔が珍しいのか、ゲンキにたくさん声を掛けてたけど、
幼いながらに独占欲強くて、僕としか遊ばせてなかったな 。笑笑
ゲンキは僕の運命の人。
この世を生きて20年。
あれほど強く誰かを思うことなんて、忘れないでいることなんて、一度もなかった。
ぱっちりとした大きな目。誰がどう見ても可愛いあひる口。全てを包んでくれそうな温かい手。
人懐っこくて、困ってる人はすぐに助けて。
自分よりも誰かを大切に。
そんな感じで、僕とは正反対で心優しい人。
ずっと一緒にいられると思ってたのに。
あの夜までは。
どうしても最後だけ会いたくて、ゲンキん家の窓を覗いたんだっけな。
『スズカ、ちゃん…?なにやってるの…?』
ゲンキは眠れないようで、すぐに出てきてくれて。
「ゲンキくん…ごめんね。ぼく、ひっこすんだ」
『え?なんでさきにいってくれなかったの!』
「ごめんね、ごめんね…」
ママとパパが急に引っ越すよって起こすんだもん。
せっかくゲンキとお菓子の家で遊ぶ夢を見てたのに。
今考えれば、あれは夜逃げだったな。
だったら僕に言ってくれなかったのもわかるかもしれない。
ゲンキは泣いてた。
『ねえ!けっこんするって言ったじゃん!ずっといっしょだよってぎゅって手、にぎってくれたじゃん!いっしょにしょうがっこういくって、おそろいのランドセルかったじゃん!』
『スズカちゃんなんか、だいっきらい!」
そう言うと、ゲンキは家の中に消えてしまった。
ゲンキに大っ嫌いって言われた時は、すっごくショックだったけど、まあ。
当たり前だ。
本当は俺だってゲンキと生涯一緒に過ごしたかったし、小学校だけじゃなくて中学も、高校も、大学も、それからも、ずっと一緒にいるつもりだったし、18歳になったら本当に結婚するつもりだった。
ゲンキに届いたかはわからないけど、
「ゲンキくん、またあおうね。ぜったいだよ!」
「ゆびきりげんまんだからね!」
「ぼくじゃないやつとつきあったらはりせんぼんのーます!ゆびきった!」
そう叫んだ。
次…10いいねでいいっすか?
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