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もう1人でずっとポロポロ泣いてた。同性愛って今でも段々と認められてきてるけどまだ認めてない人とかいるから難しいよね…
うわぁ ... 素敵な 作品 ありがとう ございます 😭😭 冗談抜きに ガチ泣き しました ... 二次創作だと 歓迎 されるけど 、 リアルの 反応は こうなのかなぁ なんて 考えながら 拝見させて いただきました 😭 2人は なにも 悪くないけど 世間は 認めて くれないのが 辛すぎて リアルすぎて もう ...(語彙力) 参加 ありがとう ございました 🙇🏻♀️⸒⸒
皆様こんにちは!りんごです!
今回!りむ様のコンテストに参加させていただきます!ノベルの読み切り部門です!
今回は皆さんが大好きで主の得意分野である感動系でいきます。と言っても感動するかは分からんし得意分野かも怪しいが。
あと主作のイラスト挿絵付きです!これはコンテスト作品対象と思ってなくて入れたら良くなるかなぁ位の気持ちで描きました。入れるかどうかはりむさんに任せます()
あとあと書いてたらマジで長すぎた。主の体感だと本1冊書いた気分。なので一気に読むよりかは少しずつ読んでいくのがおすすめです!
まぁ、要はあれです。
楽しめよって話ですはい。()
⚠️⚠️
・当たり前の📢×🍍
・ご本人様とは一切関係ありません
・死表現、🔞有
・主作イラスト(挿絵)付き
全てフィクションです。 以上が宜しい方はこのままお進み下さい
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
彼と景色を見てる時、彼から告白を貰った
📢「俺と、一緒にいてくださいっ」
🍍「っ…!!」(ポロッ…
「___はいッ…!」
事の発端は配信で俺らの報告をする事になった時だった。
🌸「___じゃあ、言うのね?」
🌸「お前らが付き合ってるって事」
🍍「……あぁ、」
📢「その時はらんが司会をしてくれ」
🌸「ん、分かったよ」
会話を聞けば分かるだろう。
俺達は付き合っている。
気づいた時から俺達は互いに惹かれあっていて、春の暖かい季節に2人で花見をしながら歩いてた時、いるまから告白をしてくれた。 それからメンバーにもリスナーにも内緒で付き合い始め、手を繋いだりハグをする他にキスだって何回もしたしその先だってヤった。
初夜が終わり暗い部屋の中、汗と唾液と精子で濡れたベッドの上でピロートークをする。
📢「ッはぁ…なつ?大丈夫か?///」
🍍「ッ…気持ちっ…かったけど///////」
🍍「疲れた…死にそぅ…///////」
📢「んっはw、おつかれっw///」
📢「…なつ、」
🍍「ん?///」
📢「…ありがと」
🍍「!…どうしたん?いきなりw」
📢「んーん、なつと付き合えて幸せだなって今実感してんの//」
🍍「っ…俺もッ…幸せだしっ…!/////」
📢「んふふっw、良かったっw」
そう言って2人で抱き合って眠った。
でもメンバーとずっと一緒に居るせいか俺達がおかしい事に少しずつ気づき始めて数ヶ月前無理やりにでも聞き出そうとこっちに突っかかってきた。何を言っても信じようとしないし諦めない4人に俺達は諦めて話した。気持ち悪いと言われるのではないかと想定していたが全然そんな事無く、なんなら泣きながら祝ってくれた。
そんな幸せで嬉しい祝杯にいっそリスナーにも報告してもいいのではないかと6人で思った今日この頃。
🦈「…はぁ、やっとだよぉ〜!!」
🍵「本当に…隠すのが大変だったよ…」
👑「でもこれで心置き無く配信で話せるし楽しめるんやから!良かったよ!」
🦈「みこちゃ〜ん、何話す気なん?w」
👑「ほら始まったよこの水色ッッ!!!」
🌸「こさめ!w 虐めないのっ!w」
こうやってメンバーみんなは変わらずにくだらない話をして盛り上がる。本当に俺らは恵まれてるなと感じていた
でも、
それでもやっぱり良く思わない人もいる訳で
📢「___俺となつはお付き合いをさせて頂いてますっ…!」
メンバー全員の緊張が走る中、いるまはモニターの前で、これを聞いている数万人のリスナーに言った。いるまも緊張してるのかこっちにまで伝わってきてて俺は震える両手を握りしめて話を聞いていた。
📢「活動はこれからも続けて___」
いるまが俺たちが付き合ってる事と今後の活動は変わらず続けてく事を話してる時、リスナーの反応をコメント欄やチャット欄を覗く。
🍍「___ッ…!」
『え?きもっ』
『いるなつてぇてぇ』
『男同士って大丈夫?』
『どんな目で見ればいいの…?』
『おめでとうございます!!』
『リアコの方々が悲しむくない?』
7対3と、反対意見の方が多かった。
🦈「………ッ」
こさめもチャット欄を見たのだろう。ショックで少しだけ声が漏れてしまっている
いるまは気にせず淡々と話を進めてるけど内心ショックを受けてるんだろう
🍵「…暇ちゃん、見なくていいからね」
🍍「ッ…ん、大丈夫っ」
👑「こさめちゃんも…大丈夫…?」
🦈「ぁ…うんっ、!」
ミュートにして互いを励まし合いながら今回の公式配信は終えた。結果で言うと反対意見も多く某呟くアプリではとっくに取り上げられて討論や炎上をしていた。
俺達の浅はかな考えがこうなるとは誰も思わなかった。
🌸「…これで…いいんだよな…?」
📢「…あぁ、まぁ、こうなるわな」
👑「ッ良くないよっ…!こんなに嬉しい事なのにッ!それで良いとかっ…!!」
🍵「みこちゃん、落ち着いて…」
📢「…大丈夫だ。そんな批判なんて気にせず俺らは活動し続けよう。」
それでいいんだ。例え反対意見が多くたって祝ってくれる人が数人でも居るんだったら俺達はそれだけで幸せなのだから。そんな話を配信前にいるまと話した。
それから俺らのチャンネルやリスナーがどんどん変わっていった。
まず、チャンネル登録数が急激に減った。それも数十万人程。メンバーと長時間の会議をした結果また実力を発揮して取り戻そうと決めた。
次に、アンチコメの数。俺らのチャンネルに動画を出す度にアンチコメが増えていった。『気持ち悪い』という奴もいれば『キスとかしねぇの??w』と茶化す奴もいた。まだ見てくれて推してくれるリスナーが言ってもらんが配信で注意喚起をしても聞かないし減らない。ましてや俺らのチャンネルにアンチを投げるのは良いが他の4人のコメント欄にも出てき始めた。
最後に、私生活。ダンス練や外での仕事の際リスナーらしき人が後ろから着いてきてる事が増えた。予測とすれば俺やいるまのリア友か知り合いが顔や個人情報流したのだろう、流石にこれは警察沙汰だと考え被害届を出した。警察側はできるだけ見回りをすると言っときながら動いてくれない。そのせいで少しずつ増えていった。
応援してくれると思っていた。
俺たちが配信や動画でくだらない話をする度にリスナーは嬉しそうにコメントしてきて。細かいじゃれ合いをするだけで直ぐに反応をくれる。
恥ずかしいしそこまで見られると逆にキモいと思っていたけど内心少し嬉しくて、何よりいるまと何も考えずに話して触る事ができるのが俺にとって幸せだった
そう思っていたのに___
🍍「もぉ”…嫌だッ…」(ポロポロ
そのせいで俺も夜中泣く事が増えた。
編集して忘れようとしてもアップした時に着くコメントが怖くてできない。
誰かに相談したくても誰も信じる事ができない。
気分転換に外で遊んでも誰かが後ろに着いてくる。
何も出来ずに部屋に引きこもって、泣きわめく事しかできない。でもたかがコメントでこんなに弱くなってる自分にも腹が立つ。
🍍「グスッ…もぉ”…無理っ…」(ポロポロ
死にたいって言いかけた時___
(((ピンポーン…
インターホンが鳴り響いた。
家まで特定して来たリスナーなんじゃないかと不安になりつつ誰だと思い見ればアホ毛が特徴の紫頭の大好きな彼だった。
(((ガチャア…
📢「…!よっ、元気か?」
🍍「っいるま…」
彼は俺に笑顔で挨拶してくれたが顔をよく見れば隈と涙を流した痕が残ってて、きっと俺と一緒で悩まされつつも俺のとこに無理してまで会いに来てくれたんだろう。
🍍「…あがりな?ここまで来るのにしんどかっただろ?w」
📢「…いや、今日はいいや」
📢「……なぁ?なつ?」
一緒に死なないか?
〝僕らの逃避行〟
俺はいるまの誘いに乗った。
俺らは誰にも会いたくなくてLINEの通知は切り親族にも友達にも、そしてメンバーにもブロックをした。そして部屋の中を片付けつつ部屋に保管してあった持ち金を全て財布に入れる。今の時間だとリスナーが沢山いるため夜中まで2人でモキュメンタリーを見た。1人で見るのは怖いけど長年一生に過ごし共に死ぬ彼と見ると全然怖くなかった。
そして夜中の23時半、身バレしないようにマスクとキャップを被ってから片付いた家を最後に見て鍵を閉め、夜の街を2人で歩き駅に向かった。予想通りリスナーやストーカーは居なくて歩きやすかった。歩いてる時呑んで酔っててうるさいおっさん達やラブラブの異性のカップルを横切り楽しそうだなと他人事みたく思う。
📢「……どこで死のうか?」
🍍「…そうだな……」
顔は合わせないで隣から聞こえる優しい声を聞きながら答える。
🍍「…朝焼けの海がいいなぁ」
📢「じゃあ、そこにしようか」
そう話しながら歩けば丁度良く駅に着き、海沿いがある場所までの駅のきっぷを買い電車に乗りこんだ。社畜のサラリーマンが多い電車は乗り込むのに大変だったがいるまは俺を窓際に入れ替えてくれた。俺の目の前にはマスクと帽子を被ってて顔は見えないが匂いがいるまだと分かり彼の肩に顔を沈めた。 電車に揺られながら立ち過ごしていくうちに少しずつ人は減っていって気づけば俺達と数人の乗客しか居なくなり沢山並んで空いてる席の角の方を俺らは陣取り座った。
今は深夜の1時半、最近よく眠れてないのか電車の揺れにうとうとし始める。
📢「…俺、起きてるからさ?寝てな?」
🍍「っいるま…寝なくていいん?」
📢「あぁ、目冴えちゃってさ…」
そう言っときながら俺より目の下の隈が酷い癖に。無理すんなよ
🍍「…じゃあ、」
📢「ん?」
🍍「俺が、起きた時…次、いるまが、寝ろよ…?」
📢「……え?」
🍍「…いるまも…寝なきゃ…」
🍍「すぅ…すぅ……」
📢「…ごめんな…なつ…」
📢「起きろよ、なつ」
🍍「…んぅ…?」((パチッ
いるまに起こされ目が覚めれば女の機械音が次に着く駅を車内に流していた。どうやら着いたらしくて外を見れば太陽が少しだけ昇っていて明るくなっていた。それに気づいた俺はいるまに寝る時間をあげなかった事と寝てる間に肩に頭を乗せていてきっと重かったのだろうと申し訳ない気持ちが芽生えた。
🍍「…ごめん、いるま。全然起きれなかったし肩まで貸しちゃって…」
📢「ん?別に気にしてねぇしいーよ?俺も少しだけ眠れたしなつの寝顔可愛かったし笑」
そう言って笑っておきながら目の下の隈が消えていない。寝てないと言ってやろうかと思ったが彼の為だと思い騙されてるフリをしながら一緒に席を立ち出入口へと向かった。
駅から出れば駐車場とバス停、朝だからかまだ開いてない店っぽい木の家以外何も無くて緑が生い茂っていた。
📢「ここなら俺らの事知らない人が多いだろ…」
そう言ったいるまを見ればさっきまで付け直してたマスクと帽子は取ってあってマスクは手の中で握りしめポケットにしまい帽子はショルダーバッグにかけていた。
🍍「…どうなっても知らねぇよ?」
📢「そんな心配しなくても大丈夫だって」
そう言って俺らはバス停の近くまで歩き時刻表を確認した。
📢「…ダメだ、間に合わんわ」
🍍「うん、てかもう明るいしな…w」
本当は夜中に着いてバスに乗って海まで行こうとしたが何も考えずに行ったため思いどおりにはいかなかった。しかもここは田舎だからなのだろう、バスが全然ない。一日に2、3本しかない挙句ここから海までバスじゃないと一日歩かなきゃ行けない。
🍍「…明日でもいいよ?」
📢「…ま、そうだな。金もいっぱい持ってきてるし」
そう言うと俺の手を取り引かれた。
📢「じゃあ今日は最初で最後の俺らの旅行デートじゃんっw」
🍍「!…確かにっw」
ここまで来てしまったら引き返す訳にもいかず散歩がてらそこら辺を歩いた。
死ぬのなんて何時でもできる。
そんなに急がなくたって大丈夫だ。
少しだけ、今日1日いるまといるこの時間を楽しむ事にした。
歩いてると途中木系の家があり看板を見れば『Cafe』と書いてあった。ちょうど開店されてある。
📢「…お腹、空いてる?」
🍍「あんま…」
📢「でも暇潰しになるろうし、入らん?」
確かに、まだ朝の6時半だ。歩いたって何もないだろう。
🍍「…いーよ」
そう言って店に入った。目の前には丁度皿洗いをしていたここの店長だろう、おばあちゃんがカウンター越しに立っていた。
「!…あれまぁ、いらっしゃい」
📢「…2名で」(ニコッ
「はいよ、好きな所に座っちゃって」
おばあちゃんは嬉しそうに笑っている。流石に俺らの事は知らないだろう、俺もマスクと帽子を取りいるまとカウンター席に座る。
「ふふっ、こんなにかっこいい人達が来ると思わなかったわぁ。旅行?」
📢「ぁ、あははっ笑、そんな感じです」
流石に俺もいるまも海まで死にに行ってきますとは言えない。言葉を濁しながら適当にあしらった。
「そうかいそうかい、何もない所だけどゆっくりしてきんさい」
📢「ありがとうございます笑、なつ?何か飲む?」
🍍「ぁ…じゃあ、アイスコーヒーで」
📢「んじゃ、俺も一緒のを」
「はいよ、今注ぐからねぇ」
コースターの上に置かれた2つのコップにアイスコーヒーが注がれた。飲んでみれば水出しなのだろう、あまり苦くなくて飲みやすかった。
「あ、良かったら何か食べなさいな、お金はいらないからさ」
📢「えっ?いや、そんな…」
「こんなに細いとぽっくり死んじまうよぉ、残してもいいからさぁ」
いるまの止めの言葉も聞かずにおばあちゃんは裏へと行ってしまった。
🍍「…どうすんの、これ」
📢「……食べるしかねぇだろ」
多分かしこく帰って来ないだろうし作ってもらって食べないってのは気持ち悪い、残してもいいのなら1口2口貰って辞めようと2人で話した。
「またせたねぇ、どうぞ」
10分程経ってようやく帰ってきた。皿に乗ってる物を見れば小さいが1個6cm位ある分厚いパンケーキが2つ乗ってありトッピングにアイスやホイップ、苺が乗ってある豪華な物が出された。
🍍(…胃もたれしそう…)
「ここの1番人気でねぇ、良かったら食べなさいな」
📢「あ、ありがとうございます」
いるまはそう言うとナイフとフォークを手にしパンケーキに刃を通し口にした。俺は今食べている彼を隣で見守る。
📢「……うまっ」
🍍「!」
「よかったっ、あなたも食べなさいな」
おばあちゃんにいきなり振られびっくりしたが俺も大人しくパンケーキを口にした
🍍「…!」
中はまだ火が通ってないかと思ったがしっかりふわふわで1口食べるだけで甘さが口の中で広がった。気づけばフォークを進む手が止まらず夢中で食べてた。
「あらあら、気に入ったかしら」(ニコニコ
📢「なつ…w」
🍍「あっ、ご…ごめんなさい…w」
「全然いいのよぉ、こうやってお客さんに喜んでもらえるだけで幸せなんだから」
そう言うとおばあちゃんは遠い目で外の景色を見て話し始めた。
「最初はなかなか繁盛しなくて大変だったけど、お客さんに喜んで欲しくて努力したもんだよ」
🍍「…!」
「こうやってあなた達やご近所さんが喜んで食べてくれたり、ここに来てくれるだけで、私は幸せで何時でもお空に逝けるわぁ」
おばあちゃんは淡々と喋る。俺らと似たような経験があったからこそ、きっと分かり合えるんだろう。彼女と俺らが重なってしまった
📢「……おばあちゃん、」
「ん〜?おかわりかい?」
📢「…俺らが付き合ってるって言ったらどうする?」
🍍「…っえ?」
いきなりのカミングアウトに俺はいるまの顔を見てしまった。彼を見れば少し怪訝そうな顔をしていて膝の上に置かれてる手は汗ばんでてきつく握っていた。そんな緊張気味な彼の手に俺は自分の手を置き包み込むように握ってあげた。
「あんれまぁ…
…いいんじゃないかしら?」
🍍「っえ…?」
📢「ッ否定…しないんですか…?」
「えぇ、あなた達が幸せなら私から言うことはないしねぇ。好きな人がいる事はとても大切で大事なことなのよ?」
そう言いながら俺らのコップにまたアイスコーヒーを入れてくれた。こうやって目の前で否定しないで尊重してくれる人なんてメンバー以外だと初めてで涙が出そうになった
🍍「っ…ありがと、おばあちゃん」
「いいのよ〜、でもこんな年寄りの考えで良いのかしら?」
📢「…うん、十分だよ」
握っていたいるまの手が気づいたら解かれていて俺の手を握っていた。
「またいつでもいらっしゃいねぇ」
📢「ありがとうございました」(ニコッ
🍍(ペコッ
それから俺らは残すと思っていたパンケーキを全て食べ切り流石にここまで良くしてもらって金を出さないってのもあり少し多めに出して店を出た。おばあちゃんは俺らが見えなくなるまで手を振って見送ってくれた。
📢「久しぶりにあんなに食ったなw」
🍍「俺もw」
そう言いながら時間を確認すれば9時頃。
店に入る前より道中には車や人が増えていて、少し人の目を気にしてしまった。でもそんな俺を置いているまはスマホを手に話す
📢「近くに美味しいそうめんがあるんだってよ?良かったら行かね?」
🍍「えっ、ぁ、あぁ…」
📢「…大丈夫だよ、俺がいる」
🍍「!…うん、」
また手を繋ぎながら緑の多い道中を歩いた
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🍍「ッッッ…ぃ、いるま”ぁ”…」
📢「ん〜?」
🍍「山登りは聞いてねぇんだけどッ!」
📢「だって言ったらどうせ行かねぇだろw」
そう言いながらいるまは歩くのが遅い俺を上から見守ってくれてる。途中山道に入る時点でおかしいと思った。でも別に遠くはないだろうし山道っていっても低い方だろうと考えてた数十分前の俺を殴りたい
🍍「ッぜーッ…ぜーッ…し”ぬ”…」
📢「死ぬのは明日な?」
🍍「まだ着かねぇ”のぉ”ぉ”…?」
📢「まだ20分も経ってねぇぞ?w」
そんな俺を置いているまは楽しそうにずかずかと先を歩いてく。ムカついてコイツをそのまま置いて俺だけリフトに乗って上からイキり散らかそうかと思ってきた。
📢「頑張れよっ、お前そんなんだからエッチする時先にトぶんだしよぉ?w」
🍍「ッ…クソがぁ”ぁ”ぁ”ッッ!!///」
📢「あっははッ!www」
そうくだらなくてはしたねぇ話をしながら山道を登っていく。最初は普通の山登りだったのに途中から追いかけっこが始まり思ったより早く上に到着してしまった。
📢「はぁっ、つ…着いた…」
🍍「はぁッ…はぁッ…ぉ”え”ッ…」
山に着き木の建物の中へと入るとものすごく涼しくて団子の他にもラムネやかき氷、裏では流しそうめんをしている。中は小さい子から高齢者まで沢山の人がいて賑わっていた。
「おっ?観光客か!山登りおつかれさん」
📢「!お邪魔しますっ」
「何か飲むかい?」
📢「んじゃラムネ2本で」
いるまは近くに居たおじさんや店員さんと話をしていた。その姿を遠くから見ていると着てるTシャツの袖を引っ張られる。
🍍「……ん?」
「お兄ちゃん!一緒に流しそうめんしよ!」
「わーいっ!!やろやろぉ!」
🍍「え?お…俺…?」
「そこの兄ちゃんっ!俺ここでビール飲んでるから子供の面倒見てくれねぇか!」
🍍「嘘だろ…俺した事n 「お兄ちゃんこっちこっちー!!」
ここの人はみんな話聞かないのかまた彼らの言いなりになってしまい裏まで連れてかれた。困惑してしまいいるまを見れば愛おしそうにこっちを見ていて逆に誘いずらかった。連れてかれると数人の子供たちが竹の前で目を輝かせていて俺は丁度真ん中の子供たちを挟んで座らされた。
「はいっ、これ麺つゆね〜」
🍍「ぁ…あざす…」
「じゃあ流すよ〜!」
すると上からそうめんが流れてきた。上から流れる水の勢いもあったのか滑りやすいのか思ったより速すぎて思わず2度見をした。
「速いよー!お兄ちゃん取って!」
子供たちからの期待の眼差しをされた。俺だってやったことねぇんだけど。そう思ってるとまた上からそうめんが流れてきた。俺は投げやりに箸を入れてそうめんを取る。
「…取れてないじゃん!」
「お兄ちゃんへたくそーっ!」
子供たちからの野次を聞き俺の中のプライドにひびが入った。いきなりここに入れられて初めてやったってのに下手くそというガキに大人の力を分からせたくなってきた
🍍「誰やへたくそ言った奴ッ!!兄ちゃん取ったるから見てろよ!?」
「きゃーーーっ!!」
店の裏からは流しそうめんと格闘してる俺の叫び声と子供達の喜ぶ声や笑い声が響いた。
「楽しそうだなぁ」(ニコニコ
📢「…そうですねw」
そんな楽しそうに遊ぶ俺と子供たちの姿を客やいるまは優しい顔で見守っていた。
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🍍「た…ただいま…」
📢「おつかれっw、ほらラムネ」
帰ってくればいるまからラムネを貰った。そうめんを食べて甘いものが欲しくなったから丁度良い。時間が経ったからぬるかったけど昔と変わらないこの甘さが美味しかった。
「お兄ちゃん沢山取ってくれたよ!!」
「おぉ!良かったなぁ!お兄ちゃんもコイツらの面倒見てくれてありがとな!」
🍍「あっ、いえ…w」
ほとんど俺が騒いでただけな気がするが子供も他の客も喜んでくれていた。
「お兄ちゃんっ!ありがと!」
さっき一緒に遊んだ子供たちが俺の腰に抱きついてた。満面の笑顔を俺に向けてくれていてどこか心が浄化された気分だった。そんな子供たちの頭を撫でる。
🍍「…どーいたしまして」(ニコッ
📢「!……ふっ笑」
「えへへっ!あっ!今度はお兄ちゃんも一緒にしよーねー!」
📢「え?俺?」
🍍「っいいじゃんw、コイツめっちゃおもろいから誘ってやってw」
「わーーいっ!!」
📢「おい適当な嘘吐くなや!!」
本当は嫌じゃないくせに、声はキレてるように見せかけといて顔は嬉しそうだった。
📢「なつ、そろそろ行くか」
🍍「あっおうっ!」
時計を見ればもう13時。下山してバスに乗らないと俺らの目的が達成できない。
「ん、また来なさいな」
「えぇ〜!もう行っちゃうの?」
俺らが帰ることを聞いたのか後ろから聞こえる少し寂しそうな客の声がしてくる。
「あこのリフトから降りれるから使いなね」
📢「あっ、ありがとうございます」
「お兄ちゃん!またねっ!」
🍍「っあぁ…」(ニコッ
またなんて無いのに。
俺らは死ぬためにここに来たんだから。
そう言って別れ下山して近くにあったバス停に停まってる数本しかないバスに早く乗り込む。海まで遠いため1番後ろの席に2人で座った。沢山歩いて人と話をしたのかいるまはうとうとしている。電車の時も俺を置いて寝ていなかったのだから眠いに決まってる。
🍍「…寝てていーよ?w」
📢「!…じゃあお言葉に甘えて」
そう言って俺の肩に頭を置いて寝始めた。こうやっているまから甘えられるのは慣れてなかったため少しぎくしゃくしてしまったがほんの少し嬉しかった。
数十分バスに乗り目的の停留所に着いた。降りてもまだ緑が多いため少しだけ歩く。
📢「……!海だ…!」
🍍「!」
歩いていると緑が少なくなっていき海沿いが少しずつ出てきた。沖縄よりかは感動する海ではないが太陽に照らされて光るその海は俺らからは綺麗に見えた。俺はいるまを置いて小走りし防波堤の上に乗って歩いた。
📢「…山の時より元気じゃんw」
🍍「うっせっ、いいんだよっ」
そう言っているまも俺の後ろで歩いて着いてくる。2人で歩きながらまた海を眺める。
🍍「…あなたの一生の後悔として添い遂げるよ」
いつか2人で歌った曲を口ずさむ。思ったより伸びが良くて少し嬉しかった思い出
📢「!…大切なものってなぁに?」
大切な、もの、……
🍍「…今失くしたそれ…」
乗ってくれたいるまと歌いたくて堪えながら次の歌詞を口ずさむ
「「あたしと間違いを犯しちゃったんだ」」
📢「取り返しがつかない…ね…」
🍍「ッ……」
歌いたいのに声が出ない。苦しくて、辛くて防波堤の上でしゃがみこむ
🍍「っなんなんだよッ…」
📢「……なつ、」
🍍「ッ俺らがッ…何やったってんだよッ!!」
この世界がムカついてくる。
恋人同士になるのはダメな事なのか?
こんなにも罵られる事なのか?
平和に暮らしちゃダメなのか?
🍍「もぉ”ッ…分かんねぇよッ…」
📢「…なつ、降りよっか」
いるまはそう言うと俺の手を取り防波堤から降りるのを手伝ってくれた。俺は素直に降りるとそのまま手を引き抱きしめられる。
📢「………」(サスサス
いるまは黙って俺の背中をさすった。暖かい手が服越しに感じ彼の肩に頭を預け背中に縋りつく。それでもいるまは何も言わず背中を擦りながら抱きしめてくれた。
明日の朝になるまで海の近くにある旅館へと訪れた。平日であるため泊まる人はいなくて予約しなくてもどの部屋にも簡単に入れたため少し奮発して高めの部屋を予約した。
🍍「ッ…おわぁ…!✨️」
部屋に入れば部屋が広く高級感のある和室でありこういう旅館は入った事があまりないため部屋の探索を楽しんだ。
📢「っw、ガキじゃんっw」
楽しそうな俺を隣で笑いながら見てそう言ういるまに蹴りを入れてると外から女将さんが食事の用意を終えたことを伝えに来た。それから部屋に用意された豪華な夕飯を食べ酒を飲み小学生みてぇな会話や2人だけでちんつんゲームとくだらねぇ事をして笑い合い最後の晩餐を楽しむ。気づいたらもう18時半になった。
📢「なつ、露天風呂入ろうぜ?」
🍍「ぁっ、おう」
そう言って一緒に脱衣場へ行き服を脱ぎお風呂へと入った。女将さんに紹介して貰った時に触れていた小さな露天風呂と備えてあったシャンプー、2つのシャワーが着いていた。
📢「おー、小さいけど本格的だな」
🍍「お…おう…//」
いるまとは長めの付き合いだし男同士だけど恋人っていうのもありお互いタオルなしの真っ裸は流石に緊張した。俺の処女もとっくに彼に奪われている。でもそんな俺を置いているまはシャワーを頭からぶっかけてる。
🍍(…俺の思い上がりかよ///)
そう思いながら俺もいるまの隣に座りシャワーを浴びた。
📢「はぁ〜…風呂久しぶりに入ったわ」
🍍「うわっ、風呂キャン界隈いるやん」
📢「うっせぇわw」
結局身体を洗い流した後数分露天風呂を楽しんで終わった。特に何もする事はなくただ喋って終わった。部屋に戻れば女将さんが用意してくれた2つの布団が敷かれていた。俺は吸い込まれるようにふわふわの布団に寝っ転んだ。
📢「……寝る?」
🍍「ッなんか、眠れないんだよなw」
きっとこの夜を過ごしたらこの世を去るのだから。俺は今更緊張してきた。
📢「…そっか、これで最後だしな」
🍍「……ぅん、」
📢「…じゃあさ、」
そう言うと仰向けに寝っ転んでる俺の上にいるまが覆いかぶさって来た。
🍍「ッ…//////」
📢「…言う前に恥ずかしがんなよw」
📢「…なぁ?良い?//」
そんな事を聞きながらもとっくに俺の着てる少しはだけた浴衣の胸元に手を入れている
🍍「ッ…ぅん…/////」(ドキドキ
📢「めっちゃ緊張してんじゃん、最後でも優しくするから」
そんな彼の言葉を信じて俺は布団に身体を預けされるがままになった。
暗くなった部屋に肌がぶつけ合う音と荒い息の音、小さな喘ぎ声が響いてる。
(((パチュンパチュンパチュン♡
🍍「ッぁ♡んぅ♡はぁッ♡ぁあッ?!♡/////」
📢「なつ、静かに…///」
🍍「ッ!♡ふぅッ♡んんぅうッ♡むりぃッ////」
他の客が居ないためその分響きやすい。それに静かにしろと言っときながらコイツはピストンしつつも俺の弱い首と耳元にキスをして右手は俺のを扱き、左手は乳首をこねたり引っ張ったりを繰り返してる。
🍍「ぃやッ…♡いうまぁッ♡きつぃッ♡やらッ♡/////」 (ビュッビュッ♡
📢「気持ちよさそうに腰振っときながら何言ってんだよッ///」
(((ドヂュッ!!♡パチュンゴヂュッドヂュッ♡
🍍「んひぃい”ッ!??♡あぁあッ!♡いやぁッ♡まっ”てぇ”えッ♡/////」(ビュルルルル♡
📢「ほら、聞こえるからっw///」
🍍「ッふっ♡っへんたいっ…!♡/////」
そんな会話をしながらも動物の交尾みたく夢中になり快楽を感じたくてお互い息を漏らしながら腰を振るのを止めない。
(((パチュンゴヂュッドヂュッ!!♡♡
🍍「ッあ!♡はぁッ…♡んぁあッ!?♡いぅまぁ”ッ♡ぃるっ…まッ♡/////」(ビュルルルル♡
📢「ッ…ゴム…ねぇからっ、外な?//」
耳に響く優しい低音を聞き、下からの痛くて気持ち良い圧迫感と性感帯を触られてる感覚が全身に感じ身体が痺れて、目を開けば息が荒い愛おしい彼の雄の顔が近くにあった。
そんな事を感じながら昔を思い出す。
最初会った時は今の優しさが少し胡散臭く感じていて“陽キャ”や“変なラッパー”と思っていた。
でも彼と過ごしていると根は真面目で、笑顔が可愛くて、俺のノリを否定しないで笑ってたり乗ってくれたりしてくれた。
俺の唯一の相棒だと思っていた。
でも一緒に居るうちに俺の中にあった恋心が少しずつ芽生えていって、それと同時にこの恋は報われないと思っていた。だからその分わざと彼にボディータッチやメンヘラチャットを送ったりもして彼との時間を作ってこの恋を突き放そうとした。彼とのお揃いの指輪を見ながら泣いた時もあった。
そんなこんなにかっこよくて変わりになる人なんていない彼から数ヶ月前ショッピングをした帰りに桜を見てる時、告白を貰った。
📢『俺と一緒にいてください__』
緊張気味に、でも俺の事を真っ直ぐに見て言ってくれたこの言葉。 本当に嬉しくて涙を流しながら返事を口にした。それから楽しかった毎日がもっと楽しくなった。彼が隣に居るのが当たり前になってた。
俺は幸せ者だと思った。
でも、今は、もう___
『え?きもっ』
『あなた達が幸せなら私から言うことはないしねぇ。』
『お兄ちゃん!またねっ!』
『俺と一緒にいてください__』
🍍「ッ♡はぁ♡ぃるまッ”♡いるっ♡///」
📢「ッなつ…?!」
🍍「ッえ……」(ポロポロ
気づいたら俺は泣いていた。
🍍「ッふっ…ぅあっ…」(ポロポロポロ
📢「っ、ごめん、痛かったか?」
自覚したら涙が止まらなくなった。今日は泣かなかったのに。そんな俺を見ているまは 心配していて痛かったと思われたのか俺の中から抜き出してしまった。
🍍「っ違うっ…ごめッ…大じょっ」
謝ろうとした時いるまは片手で俺の両頬を掴み俺の言葉を遮った。
📢「…言え。俺は本気だ」
告白してくれた時と同じ俺の事を真剣な眼差しでこっちを見る。
🍍「ッ…今更っ…ここから離れるのがっ…寂しくなったッ…」
📢「ッ…うんっ…」
🍍「俺もッ…死にたいって思ってるっ…でもっ…こんなに俺らの事を、出迎えて、認めてくれる人がいてさっ…」
🍍「っまた、って言われる度にっ…行きたいって思う度にっ…俺らは明日には死ぬって思ってっ…辛くてッ…さぁ”ッ…」
🍍「ッもぅ、いっそッ…ここに2人で引っ越してさっ…平和に暮らしていければ良いのにっ…て、感じててッ…」(ポロッ
🍍「でも、あんな奴らにッ…俺らがここにいる事がバレて、またあんな思いをすんのもッ…ここを汚すのもッ…嫌でッ…」(ポロポロ
📢「ッ…なつっ…」(ギュッ
🍍「あっははっ”…w、俺にっ…居場所なんてないんだなぁ”ッ…w」(ポロポロポロ
最低だな、俺。恋人とエッチしてる時にそんなネガティブな事を考えて。いるまを困らせちゃって。
🍍「いるまッ…聞いて…?」
🍍「もう、俺の事、振っちゃってもいいよ?」
📢「っは……?」
🍍「どうせ、俺の事を思って、考えて 、
一緒に逃げる計画をしてたんでしょ?」
📢「っ…あぁッ…」
🍍「やっぱりッ…w、俺さ、いるまには生きてて欲しいもんっ…」
🍍「無理なんてしないでッ…俺だけっ、死ねば大丈夫なんだからっ…」
大好きだから、この選択をしてる。
俺にも、彼にも、後悔のないように。
📢「ッ無理なんてしてねぇよっ…」
🍍「っ…嘘…つきっ…w」
📢「一言もついてねぇよっ…今更、お互いを手放すなんてッ…馬鹿だろっ…」
🍍「っ……」
📢「…確かにさ、俺らにはシクフォニっていう居場所があって、リスナーに支えられてた…」
📢「でも、今はそんなのはもう無くて、俺もなつも居場所がないんだもんなっ…」
🍍「っ…だったら別れ___」
📢「ッ別れねぇよアホッ!!」
🍍「っ…!」
📢「いちいち馬鹿な事を言ってんじゃねぇよッ!勝手に悩んで泣いてどっか行こうとしやがってッ!っざけんじゃねぇよッ…!!」
📢「居場所がないとか言って自殺に行って、居場所も大切なものもなくなってここに残った俺はどうすりゃいいんだよッ!」
📢「お前の居場所は俺の隣だろうがッ!なんだ!?遠回しにもう俺の事好きじゃねぇとか言ってんのかッ!?」
🍍「ッ…ちがっ…!!」
📢「ッだったらっ!!お前が行きたい場所に俺だって着いて行くっ!お前の居場所が守れるのなら俺はなんだってするッ!」
📢「昨日だってッ、今だって、俺からの誘いにお前着いて来てくれてんじゃんっ…!それと一緒だろっ…、!」
🍍「…いる…まッ…」(ポロポロ
📢「お前が好きだからッ、愛してるからッ、俺はここまでやってんだッ!俺、一緒にいて欲しいって言っただろッ…!忘れたのか!?」
忘れる訳ないじゃん、
🍍「ッ…ごめんっ…なさいッ…」(ポロポロ
📢「っ…」
いるまは俺の事を抱きしめ横になった。肩が涙で濡れてるのも気にせずに慰めてくれて、気づいたらお互い夢の中へと入っていた。
翌朝、俺は目を覚ました。
外はまだ薄暗くて、充電されてなくてギリギリなスマホを確認をすれば今は4時。
重いなと思いながら確認すれば寝ているいるまからバックハグされている。
🍍「…いるまっ……」
📢「___ぅん…?」
小さな声でも聞こえたのか彼は直ぐに起きてくれた。俺が居ることが確認できると腕の力を強くし俺の首筋と肩の間に顔を入れて匂いを嗅ぎ始めた。
🍍「っくふふッw、こしょばいっw」
📢「ん、かわいーなぁ…」(ギュゥゥゥゥ
後ろを振り返って彼を見たら彼も顔を上げていて思ったより凄い距離が近かった。
📢「……チュッ」
🍍「っ!…んっ//」
これで最後になるかもしれないキスを交わして布団から出て私服に着替え始める
俺らが選んだ部屋は1階にして、まだ暗くて部屋から出れない時でも窓から出れるように考えていた。中から覗けば地面まで高くなく2人でまたがってそのまま外へ飛び込んだ
🍍「高校の時に学校に侵入したのが懐かしいわぁ…w」
📢「あー、配信で話したやつ?w」
そんな話をしながら2人並んで歩き海を目指す。途中2人でスマホを開き某呟くアプリを開く。TLには俺らの事を馬鹿にしてくる奴やメンバーやリスナーが今俺らを探してるツイートをしてて炎上や騒ぎになっている。そんな中遺言みたいに文字を打った。
『今までありがとう』
この文字だけで十分だろう。2人で書いて一緒にツイートをする。すると直ぐに連絡や通知が嵐みたいに鳴り響いたがそのまま電源を切った。
まだ暗く誰もいない道中はまるで俺ら2人っきりの世界みたいに感じた。
📢「…死ぬのは波止場でいい?」
🍍「…うん」
📢「分かった」
そこから10分位歩き海に着いてしまった。ここに来てからずっと途切れる事がなかった会話が止まってしまい、波の音とカモメの鳴き声しかなくなった。波止場には誰もいなくて誰にも見られないと安心した。
今から自殺をすると考えたら身体が強ばってしまった。震える身体を自分で抱きしめながら重い足を動かせる。でもいるまはずかずかと俺の前で歩いていて波止場のギリギリまで歩いて止まった。
🍍「……いるま…」
📢「…怖い?」
🍍「っ……」
📢「…俺さ、リスナーに生きる理由を教えてやった癖に今から自殺すんだよなw」
🍍「…ぅん……」
📢「俺だって死ぬのは怖いさ、でもお前を残すなんてできねぇからよ」
🍍「っうん……」
📢「俺から誘ったのもさ、正直俺は別に死んでも死ななくてもいいって思ってたんだけど、どうせお前は死にたいとか思ってんのかなって考えてさ、冗談で誘ったら来るし」
🍍「っほぼ…俺のッ…せいじゃ…」
📢「違う、これは俺の償いだ。」
📢「俺はお前が好きだ。今もこれからもずっとそうだと思う」
📢「昨日みたいにお前が居場所が分からねぇとか、別れたいとかほざいてたら俺の傍に居させて 一緒に逃げ出してやる」
🍍「………」
📢「……だからさ、もし迷ったり、寂しくなったりして、泣いてたりしてたら、」
📢「俺が隣にいるから、大丈夫」
🍍「っ…」(ポロポロポロ
いるまの手はいつでも暖かかった。
俺が安心できるこの暖かさが大好きだ。
強ばった俺の身体も、死ぬ直前の緊張が溶けたように重い足取りが軽くなった気がする。俺もいるまの隣に行き真下にある荒く流れる海の波を見つめた。
真っ直ぐ見ればちょうど俺が見たかった朝焼けの海の景色になっていて、すごく綺麗だった。
📢「…なつ」
🍍「…うん」
📢「俺は、お前が大好きです」
🍍「っ…うん、俺も、大好きです」
📢「…俺と、一緒にいてください」
俺の手を握りながら、あの時してくれた告白と同じ事を言ってくれた。
🍍「っ…はいっ…!」(ニコッ
返事をすればいるまはまた俺の事を抱きしめた。俺も彼の背中に手を回した。
📢「っお前の最後の笑顔が見れて良かったわっ…w」
🍍「っ…んふふっw」
📢「……行くかっ」
🍍「…うんっ…」
そう言うと抱きしめ合ったままいるまはそのまま脚で地を蹴った。
2人分の身体が海の上で宙を舞った。
最後にお互いの顔を見合わせれば2人して泣きながらも幸せそうに笑う姿があった。
そして、全身が冷たくなった。
『ニュースです。 昨夜、〇〇県✕✕市の⬛︎⬛︎海岸に2人の男性の遺体が____』
“僕らの逃避行”