テラーノベル
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ダダダダッ!
降りて来る足音。しゃるろだ。聞こえなかったはずがない。
バンッ!
「かなめ!れむちがどうし……れむち!?」
しゃるろも床に倒れているれむを見つけて声を上げる。
「れ、れむち……!れむち!」
しゃるろが揺さぶろうとすると
「待て!動かすな!この体制は頭打ってる可能性がある!」
とかなめの鋭い声が飛んだ。
「出来るだけ動かさずに声を掛け続けろ!」
「え、えっ……?」
困惑で理解が追いつかないしゃるろは一旦放置して、救急に電話をかける。
「……れむ、お願いだから……!」
ワンコールの後、すぐに繋がる。
「き、救急です!」
『意識は?呼びかけに反応は?』
「……あ、ありません……!」
『呼吸は確認できますか?』
確認すると僅かだが胸が上下している。
「息は……ッしてます……!」
『分かりました。揺らさないでください』
「……ッ……はい……!」
その言葉と共に電話が切れる。
ツー、ツー、ツー……
虚しい切断音が響き、心細くなってスマホを握り締めるが、そうはしていられない、とれむに寄り添う。
「れむっ……!しっかりしてッ!」
救急隊が到着するまでの、数分が途轍もなく長く感じた。
一分一秒がいつもよりずっと長く感じる。
カチ、カチ、カチ……
静寂が満たす部屋に、秒針の音が残酷な程に正確な音を響かせている。
その音がひとつ響くたびに、れむの命のタイムリミットまでのカウントダウンがの数字がひとつ減るのだ。
かろうじて確認出来るほどの弱い呼吸。
体温の感じられないひんやりとした手。
(俺は……こんなんになるまで、れむの“大丈夫だよ”を信じていたんだ……)
「ごめんなさい、ごめんなさい……!何度だって謝る……だから……だから、起きて……起きてよっ……!お願いだからっ……!」
かなめの涙がれむの手を静かに濡らしていた。
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