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寧
111
琳埜
今日はほんとに何もうまくいかなかった。
朝起きて時間確認したら既に1時間遅刻。
バタバタで飛び起きて急いで準備しようとしたらワンさんの餌ひっくり返すし。
歯磨きしようとしたら丁度歯磨き粉ないし。
新しい歯磨き粉探してたら床に落ちてるペットボトル踏んでコケた。
誰だよここにペットボトル捨てたやつ。
準備して外に出たら雨がザーザー降ってる。
傘はこの前叶の家に忘れてきた。
なんでこんなうまくいかないんだよ。
神は俺を見捨てたのか?
スタジオに着いた頃には2時間遅刻してた。
まあ遅刻はどうでもいいんだが。
今日はくろなんの収録で、「コンビニ商品で1番美味しいものを決めよう」という企画だった。
収録中は絶対失敗しないでくれ…!と願っていたらそりゃもう大惨事ですよ。
いちごミルクのストローはへし折るし、じゃが⚪︎こはぶちまけるし、叶の服にケチャップ溢したし。
マジで今日何回謝った?ってくらいには失敗だらけ。 まあどうにか収録は終わって、ヘトヘトで家に帰る準備をする。
「葛葉今日マジで失敗だらけすぎでしょw 」
「うるせぇ!今日なんかうまくいかないんだよ!」
俺が悩んでるっていうのに、コイツは隣でヒーヒー笑ってやがる。うざいから1発入れといた。
「葛葉、今日家行っていい?」
「えー、んー、」
こんだけ失敗してる中で家に人招いたら、まじでもうそろ人56し起こしそう。
朝から失敗だらけでマジだ何が起こるかわからんし、 遊ぶくらいの元気がなかったので断ることにした。
「今日はだめ」
「えー、なんでよ」
「なんでお前に俺の予定言わないといけねェんだよw」
「断られた理由気になるじゃーん」
早く帰るぞ、と声をかけ、荷物を持ってスタジオからでる。最中、床にあるコードに足を躓かせ、コケそうになった。マジで何にもうまくいかん。
おい叶、お前なに笑ってやがる。
帰り道になんか起きる可能性が出てきた。
俺死ぬ?もうそろ死ぬのか?
マジで怖くなってきた。やっぱ叶にきてもらおうかな。……いやいい。また笑われる。
なんとか無事に家に着いた。
幸い帰り道に何か起きることもなく。
強いて言うなら野良猫に威嚇されたことくらいか?動物の分際で吸血鬼様に逆らうな。
「飯何にすっかな…」
とりあえず空っぽな筈の冷蔵庫を開けてみる。
案の定、いつ買ったかわからないハムと飲みかけの水しかなかった。 ウーバーする気力もないし今日はこれだけでいいか。
1人でハムを食ってたらなんだか虚しさを感じてきた。
静かだから、余計今までのこと考えてしまう。朝起きたこと、収録中に起きたこと、帰り道に起きたこと。
そう考えると迷惑しかかけてないな。ってネガティブ思考になって、泣きそうになる。
なんでこんなこともできないんだ。なんでこんなところで失敗するんだ。
無意識に自分を責めて、自分で傷つく。
食い終わったゴミを捨てる気力もなく、倒れるようにベッドに入る。
気づけば目に涙を溜めてて、泣きそうになっていた。てか泣いてるとおもう。
マジでなんでこんなうまくいかないんだ。
ジャージの裾で一生懸命目元を擦るが、その涙が止まってくれることはない。
「う”ぅ〜ッ、ん”〜っ、」
泣いたのなんて久しぶりで、ヘタクソでガキみてェな泣き方になってる。
「う”ぅ〜ッ、っふ、あ”ッ、 」
マジで涙止まらん、なんだこれ…
側から見たら1人で泣きじゃくってる変な奴なのに、脳内では意外と冷静だった。
その時、部屋の奥から音が聞こえた。
ガチャ…ガチャガチャ…ガチャッ!
ん…?誰か入ってきた?
いや、ないな、、俺の合鍵を持ってる奴なんて叶しかいない。叶にはちゃんと今日は無理って言ってあるし…
いやでもあいつならやりかねない。
だとしたらこの涙を今すぐ止めなければ。
そう思ったって止まるわけがない涙に苛立ちを持って、もっと涙が溢れてくる。
「も”ぉ〜ッ、あ”〜ッ、っふ、」
どんどん足音が近くなって、焦ってジャージの裾でガシガシと目元を擦る。
ガチャッ、
「葛葉ぁー、傘届けにきた…って、なにしてるん?」
「う”ぅ〜ッ、っひ、ん”ぅ〜ッ、 」
「なぁーに泣いてんのさ…w」
「あ”ぅ〜ッ、しらん”ッ、っふ、」
「ほれ、そんなに擦ったら目痛いよ。こっちおいで。」
恋人が泣きじゃくってるっていうのになんでこんなに冷静なんだ。腹立つ。コイツマジで腹立つ。
____だが、叶が言う「こっちおいで」に反応して一瞬体が動いてしまう。 このプライドを捨てるか、まだ反抗して叶を避け続けるか。
もう、なんでもいい。
「う”ぁ〜〜ッッ、かなぇ”ッ、ん”ぅ〜ッ、」
「おわ、ほんとに限界みたいやね。」
全ての思考を投げ捨て、叶の胸に飛び込む。
やはりコイツは俺の対応をわかっていて、心地よい触り方で頭を撫でてくる。
そんな叶の手がもっと欲しくて、無意識に叶の手を頭に擦り付ける。
「くーちゃん、甘えたやねぇ。」
「…るせぇっ、っひ、ん”ッ、」
「ほれ、ごろんしよ。」
「ん”ッ、」
俺をまるで赤子のように接してくる。
俺の頭を胸に抱き、頭を撫で、背中をトントンと叩き、なにより、甘い声で囁いてくるもんだからそりゃもう眠気MAX。
眠いから呂律も思考も回らなくなってきて、自分が今何を話してるのかわからない。
「かな…」
「くーちゃんちゃん、おねむやね。」
「んぅ…」
「はいはい、寝ちゃいなね」
「おやすみ」
そんな頃にはもう、なんで泣いてたかなんてどうでも良かった。
_________
どーもらいです!
こういう系好きなんだよ!!!
限界がきて泣いちゃうっていうの大好きです!
なので書きました。
それではまた次回で会いましょう。
コメント
4件
今回もいいね〜
うわあ、6話読了…。朝からずっと「うまくいかない」が積み重なって、収録のドタバタ、帰宅後の虚無、そして自分を責めて泣き崩れる流れがもう、読んでてこっちも胸がぎゅっとなったよ。特に「こっちおいで」で一瞬体が動いてしまう葛葉の心理描写が秀逸で、プライドと甘えの葛藤がすごくリアルだった。叶さんの冷静さと包み込むような優しさが沁みる…。連載中のこの空気感、大好きです。更新楽しみにしてる!