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「アストレア、話がある。」
そう言ったのは、父だった。俺は、椅子に座っている。父の隣には母もいる。
「なんだよ、父さん。」
「お前、旅がしたいんだってな。」
「ああ、俺は世界を知りたい。どんな景色が見えるのか俺は知りたいんだ。」
「止める気は無いんだ。ただ、お前が、アストレアと暫く居る事が出来ないって事に悲しいんだ。」
そう言うと、父と母は泣き出した。
「弟達が居るから良いだろ!別に帰って来ないわけじゃない、10年近く居なくなるだけだ。」
「その10年が悲しいんだよぉ!」
「分かったから、抱きつくなよ気持ち悪い!」
「っていうのは冗談だ。」
「冗談なのかよ!じゃあなんだよ、話って。」
「旅の途中に、寄ってほしい所があってな。ハポンという国に行ってほしい。」
「なんでだ?絶景でもあるのか?」
「絶景があるのもそうだが、お前に返して欲しい物があってな。」
そう言うと父は、祖父の部屋にあった刀を取り出した。
「これは、母さんの父さんが旅で使っていた奴だ。その当時、国宝級の刀でな…」
「あなた、そんな虚しい感じで言わないでちょうだい!」
「だってよぉ、この刀浪漫を感じるんだもん!手ばなくしたくないよぉ!」
わかる、かっこいいよな。父の発言で祖父の血が通っていることを実感した。
刀に抱きつく父を母は、軽蔑する様な見下す目で見下ろしている。
「まあ、なんだ旅出る時はこいつを持ってけよ。」
「ああ、わかったよ。」
コメント
1件
凱さん、第5話読了です📖 アストレアがついに旅立ちを決意する回、胸にくるものがありましたね。両親があそこまでストレートに「寂しい」って泣き出すの、すごく人間らしくて不思議と温かい気持ちになりました。「10年が悲しいんだよぉ!」って叫ぶお父さんと、それを冷めた目で見下ろすお母さんの温度差も絶妙で、家族の空気感がリアルに伝わってきました。 それにしても、祖父の刀を託すシーン、いいですね。刀に抱きつくお父さんの姿にも血のつながりを感じて、アストレアが「わかる」って共感するところがすごく好きでした。旅立ちにただの決意だけじゃなく、親から子へ、そしてまた次の世代へと受け継がれるものがある——そういう重みを感じるエピソードでした。次の展開も楽しみにしていますね🌷