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こんにちは、ものものです♪
今回はバッドエンド(?)編になります。(?)の理由は冴と凛にとってはハッピーな気がするからです。
凛潔冴潔注意⚠️
バッドエンド注意⚠️⚠️
それでは、どうぞ!!
冴side
いつかこうなることはわかっていた……わかっていたはずなのだ…。
ピーポーピーポー
「大丈夫ですか!?聞こえますか?」
「…」
「だめです!意識を失っています!!早く病院へ!!」
ガタガタガタガシャン
俺はただ救急隊員の言われるまま、病院に着いて行くことしかできなかった。
ピッピッピッ
「……」
ガラガラガラッッ!!
「潔!!!」
ダッダッダッ
「おい!返事しろ!おい!!」
「…凛、静かにしろ。病院だぞ。」
「なんで兄貴はそんなに冷静なんだよ!?潔は…潔は……なんでこんなことに…」
嗚呼、なんでこんなことになったのか。俺が聞きたい。どうして神はここまで試練を与えようとするのか。
世一がこんなことになったのは、ある試合中のことだった。
その日は俺が別の用事があってどうしても試合に参加できなかった。だから、世一が倒れたことを知ったのは、電話でのことだった。もしものことがあった時のために、世一の友達と連絡先を交換しておいたのだ。
ピロロピロロッピッ
「どうした」
「冴さん!潔がっ…潔がっ!」
「…何があった」
「なんかブツブツ喋っててそしたら急に倒れて…。今、救急車呼んでます!」
「すぐに向かう。待ってろ。」
「はい!お願いします!」
クソッ!俺がちゃんと見ていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。
俺が現場に向かうと、円のように人だかりができていた。そこを押しのけるように入っていくと、そこに世一がいた。
顔を真っ青にして倒れている世一が。
そこからの記憶はほぼない。エコーがかかった周りの声が妙にうるさく聞こえていた。
「…世一」
俺の中には、勿論悲しみがあった。しかしそれ以上に、俺の中には何かどろっとした黒いモノが渦巻いていた。今までもうっすらとは感じたことはあるが、明らかにもっと粘り気の違う、もっとドス黒くて、ぐるぐると、心を蝕んでいくような、そんなモノだった。
「兄貴、これは…なんだ。」
「?凛??」
俯いていた頭を起こして凛を見ると、俺は息を呑んだ。
凛の目は澄んだターコイズブルーから、苔の入った泥のような、濁った暗い緑が渦巻いている色に変わっていった。
「凛…おい。」
「兄ちゃん、おれ、分かったんだ。」
「…」
「潔は…潔は…どんなに俺らが言っても、サッカーを続けると思う。でも、そんなことをしてたから、倒れちゃったんだ。失明するかもしれないのに。そんなことになるならいっそ…」
ゾワッ
全身に鳥肌が立つのを感じた。
「潔は2度と家から出すべきじゃないと思う。」
「!…凛、それは…」
「ねぇ、兄ちゃんもそう思わない?潔を、無くしたくないでしょ。俺たちにとって、潔はもう、酸素と同じくらい必要なんだよ。失ったら、もう生きてはいけない。兄ちゃんも、もう、わかってるでしょ。俺と同じ、黒いモノ、あるでしょ。なら、どうすればいいか、わかるよね?」
嗚呼、その通りだよ、凛。俺にも、黒いモノ、あるよ。これに従えばいいのか。
わかってしまった瞬間、ソレは俺の心にどろっとかかって、黒く染めてゆく。
もう、後戻りは、できナイ。
潔side
…パチッ
「……ん?ここは…!」
そうか、俺はまた倒れたのか。
小さい頃からメタビジョンを使い続けたせいで、俺の目は試合以外で使うことを禁止されるほどボロボロになっていた。前世のときも、引退した後すぐに視力が急激に落ちてしまった。そんなこともあり、今世では十分気を付けていたのだが。
ガラガラ
目を覚ました俺を見て、2人は目を見開いて固まった。
「…世一?」
「冴、凛。ただいま。」
ガバッ
「「世一(潔)!!」」
よかった。2人とも元気そうだ…と思ったのも束の間だった。
「潔、俺は「凛、いい。俺が言う。」」
冴は暗い顔をして話し出した。
「…世一、お前はまたサッカーをするのか。」
「えっ!…まあ、退院したらね。」
「俺は…俺たちは、世一が倒れるところをもう2度と見たくない。だから、2人で決めたんだ。世一はもう、家から出さない。」
「は…何言ってんだよ。そんなの、嫌に決まってんだろ!?」
そのとき、体全身から冷や汗が出る感覚に襲われた。俺はその元凶に目を向けなければよかったのに…。
冴と凛の目はドロドロとした黒い緑の瞳に変わっていた。
「!!冴、凛!その瞳…。」
「…何言ってるのかは知らんが、潔。お前はもう、俺らのモノだ。」
「残念だが、諦めろ。」
やばい!!このままだと、本当に家から出してもらえないだろう。そんなのはもう、監禁だ。どうにかして、この状況から抜け出さなければ…。
ガラガラガラ
「潔さん、目が覚めたんですか!!」
病院の先生が駆けつけてくれた。どうやら、看護師が自分が目覚めたことに気がついたのだろう。
「先生!あのっ…」
その瞬間、凛に口を塞がれた。
「ん!むぐっ!」
冴は俺を隠すように立つと、
「先生、世一はもう退院できるそうなので、家で療養します。」
「申し訳ないが、あと一晩は様子を見なければ…」
すると冴は先生の方へ歩み寄っていった。
「先生、俺の目を見てください。」
「なんだい?…あっ……」
ん?何が起こってるんだ?冴が邪魔で、先生がよく見えない。
「先生、世一はもう退院できます。なので、手続きをお願いします。」
「…ああ。わかりました。今すぐ手続きしましょう。」
「!!!」
えっ?さっきまでの先生と言ってることが違う。どうして…。
「兄貴、あれを使ったか。」
「!?凛!どういうこと!」
凛はニヤリと不気味に笑った。
「ああ、潔は知らなかったな。兄貴は目で催眠をかけられるんだよ。元々その才能があったみたいで、ちょっと練習したら、誰でもあんなふうに思うままにできるようになったらしい。」
「ヒュッ」
ブルブルブルッ
いつもの冴と凛じゃない。こんなのは、冴と凛じゃない。俺はどうすれば…。
「世一」
ビクッ
「世一、さあ行こうか。」
「…っ〜、いや、だ。」
「は?」
怖い。冴が、こわい。
「…世一。こっち、みて。」
咄嗟に俺は、自分の目を手で塞いだ。
絶対に催眠をかけられる。
すると凛がゆっくりと動いて言った。
「いさぎ、聞こえるか。」
まずいッ、凛も催眠術を持ってる!しかもこれは声のさいみ、ん、じゅつ、、、
「…トロン。なぁに♡りん♡」
凛の甘やかな声が俺の耳に入って、脳をとかしていく。
もう、俺の声は、自分に届いていなかった。
「潔には教えてなかったな。俺は、声の催眠術を使えるんだよ。って、聞こえてないか。」
「凛、手続き終わったぞ。」
「そう?じゃあ、」
「「帰ろっか♡俺たちの家に♡」」
それから、1人の男が行方不明になったと世の中に広まった。最後にいた病院でも、先生は記憶にないという。容疑者は記憶を改ざんする催眠術の類を用いたとされている。警察は捜索を続けているが、手がかりがないため全くめどがたたなかった。
ある一軒の家があった。その家は男性2人が暮らしていると言われている。その家では、毎晩のようにとても小さいが少し声の低い喘ぎ声が聞こえていたそうだ。
以上です!
監禁後は匂わせ程度になっています。監禁されている時の話が見たかった人、ごめんなさい🙏
とりあえず、リクエストがなければこのストーリーは以上です!今まで見てくださったたくさんの方々、本当にありがとうございます😊
次のストーリーはこのストーリーの合計ハート数が一万(10,000)を超えたら出そうと思います!9月から忙しくなるので、その関係です。よろしくお願いします!!
それでは、また次のストーリーで会いましょう!