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乙骨の意識が途切れそうな中で、秤金次は戦場に向かって駆けつける。遠くからでも乙骨の崩れ落ちた姿を見て、胸が締め付けられる。彼の表情に一瞬の躊躇いが見えたが、それを振り払い、力強くその足を進めた。
秤金次:「乙骨…お前、絶対に死なせねぇ。」
秤金次は立ち止まらず、すぐに乙骨の元へ駆け寄る。呪霊たちがうごめき、気配を察して次々に近づいてくるが、秤は一切その場に立ち止まることなく、拳を握り締めた。
秤金次:「動くな、呪霊ども。」
周囲に向かって、秤金次が冷徹な眼差しを放つと、その場の空気が一気に重くなる。秤の呪力が滲み出し、周囲の呪霊たちはその圧力に圧倒されて足を止めた。
秤金次:「乙骨、しっかりしろ。お前を守るために、俺がこの手で全部ぶっ潰す。」
秤は乙骨の身を引き寄せると、急いで彼を安全な場所へと運び始めた。
秤は乙骨を無事に基地に運び込み、医療班に引き渡す。しかし乙骨の状態は思った以上に悪かった。心肺停止、下半身欠損、そして内臓のほとんどが消失している。手術をするにも非常に危険な状態だ。
医療班の医師:「これは…無理だ。乙骨の状態はあまりにも…」
秤はその場で深く息をつき、拳を握りしめる。医師の言葉は痛いほど分かるが、それでも諦めるわけにはいかなかった。
秤金次:「無理じゃねぇ…。まだ死んだわけじゃない。」
医師:「しかし、彼の状態は…」
秤は立ち上がり、無言で医師を無視して、乙骨の元へと向かう。
秤金次:「死なせるわけにはいかねぇんだよ。」
秤の決意を込めた言葉は、乙骨には届くことはなかった。しかし秤はその決心を再確認し、乙骨のために全力を尽くす覚悟を固めた。
乙骨が回復するまでの間、秤は再び戦場に戻る。宿儺のような存在との戦いは、まだ終わっていなかった。上層部の命令が下り、次の戦闘準備が進められる中、秤の脳裏に浮かぶのは乙骨のことだった。
秤金次:「お前を絶対に守ってみせる。あいつのために、そして自分のために…」
新たな戦いが始まろうとしていた。