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俺は眠ることが好き
何もかもを忘れられて1人になれるから
昔からストレスが限界まで溜まると、吐き出すように俺は眠る耐性があった
ストレスが大きければ大きいほど眠る時間は増えて、1日どころか1週間も眠り続けることもある
そんな感じだから身体能力が良くても、寝てしまって授業が受けられないことが軍学校では度々起こっていた
まぁ…
いわゆる不登校気味…って言うん?
俺もあんましこの症状を自覚してなかったから学校側の人間にこのことも伝えてへんかったし
卒業するまでに丸々5年もかかってもうた
3年制の学校やから、、2回留年したってことやな
そんな俺が今、まさに眠りにつこうとしている
ーお昼頃ーー
sho ふぁー…っ、んぅ、っあ、眠たっ…
sho 何でやろっ…、んー、まだお昼やで?
頭がボーッとする、考え事を拒否しているようだ
sho 飯は食ったから、、ぁー、そかっ、、
sho トントンにこの書類渡しに行っとるんやった…
手に書類を持っていたことも忘れかけていた
sho 急ごっ…
俺はふらふらしながらトントンの所へ向かった
ー書記長室ーー
コンコンッ…
sho 失礼しますっ、シャオロンです
tn どーぞ
無機質な扉の音と低い声の書記長の声が聞こえる
入る許可が出たので、俺はゆっくりと中へ入った
sho トントン、書類持ってきたから見てほしい
tn ん、貸してみ?
書記長室に来れば、大体この一言だ
いつものようにトントンの顔を見る
トントンが書類を全部見たのか、机にぱらっと落とした
tn ふぅ、。シャオロン、ガバガバに間違っとるで
sho え、ほんと?
tn ここで嘘付くと思ってんの?お前ももうちょい真面目にやらんかなぁ
tn 大先生でもできる初歩的なものもほとんど間違えとる
tn 何でこうなるん?見れば違うって分かるやろ?
sho ごめんっ、トントン、俺っ、しっかり見たつもりっ、で…あ、
tn ごめんって言うなら、最初からやれや!
sho …っ
トントンの言ってることは正しい、間違ってんのはオレ
何回も見直したはずやのに、どうしてっ…?
目頭に涙が溜まる
tn どいつもこいつも、ほんまに
tn 出てけっ
tn お前にやらせたって、また同じ結果やし、もうええわ
tn 無能が
無能、
むのう
そうやね、俺はむのうや
よく言われたから別に悔しくも悲しくもない
sho ごめんっ、トントン
俺はその場を後にした
sho 眠たいし、何か悲しいし、…っ、何したらええかもう分からへんっ
頭がごちゃごちゃだ
寝たいという衝動がまた1つ強くなる
今にでも倒れてしまいそうだ
sho …っすこし、ねれば大丈夫になんかな
俺はまたふらふらあるきはじめていた
寝室ーー
やっとの思いで自室にたどり着いた
眠たくてしかたがない
とりあえず、寝ることにした
俺は鍵をかけて、ベッドに大量の毛布を乗せる
あと、お気に入りのぬいぐるみも
真ん中に自分が入るスペースを作り、俺は囲むように毛布を置く
sho …うん、できた
俺は靴下を脱いで、その中に入った
…ぬくぬくしてて気持ちい
だんだんと眠気で瞼が落ちていく感覚を感じる
最後に思い出したのは、最近の悔しかったことだった
初めは書類が上手く書けなくて、トントンにたくさん怒られたこと、そして、最近の戦争で何も活躍できなくて、皆に殆ど助けられてしまったこと、次にコネシマと喧嘩をしてしまったこと、たくさんある
おれはむのうだから
俺は目から溺れる涙を無視しながら、長い眠りに付き始めた
3日後…
ut 視点
最近、シャオちゃんを見かけない
こんなに1人の人と会えないだろうか?
1日ぐらいだったらまだしも、何日も見かけないのはおかしい気がしていた
ut これは思いきって、幹部集める?んー、でもなぁ…、自分の思い込みが激しいのかもしれんしな、んー、いや、集めた方がええやろ
自分の内と語り合い、幹部を集めることにした僕はインカムをポチっと押す
ut 「こちらは鬱、皆聞こえてる?ちょっと聞きたいことがあってな、会議室集まってほしいんや、時間はとらんから、お願いします」
一通り言ってインカムを切る
ut はぁー、シャオちゃんが会議室に居てくれてることを願うしかないわ、
僕は深いため息を付きながら、会議室へと向かった
ー会議室ーー
ut 皆、集まってくれてありがとう
皆は優しいから、すぐ集まってくれる
ほんま、ええやつ
tn …それで、本題は?手短に話せ
ut あ、そやね
でも、一番居てほしいやつが居なかった
ut ごめんな、集めてもーて
ut 皆に聞きたいことがあってな
ut 誰かシャオちゃんを見いひんかった?
「は?」
そんな一言が飛び交う
そんだけ?って思ったやつも多少はいたのだろう
でも、今ここにも姿がないのはさすがにおかしいやろう?
自然と声が震える
こんなに姿が見えないということは、きっと何かがあったということ
そして
最悪なことが起きている可能性もあるから
em それは、私も思ってました
em 例え、この軍の敷地内が広かったとしてもこんなに数日も彼の姿が見えないのはおかしいなと
em 現に、今おりませんし
エミさんも同じことを思っていたらしい
zm …確かに、でも、それだとしたら今どこにおるんや?
ut 逆に、皆が最後にシャオちゃんを見たのはいつや?僕は3日前あたりが最後なんやけど
tn 俺もやな、書類を渡しに書記長室に来たのが最後
皆もそれぐらいらしい
gr これは、やばいかもしれん
「えっ?」
ふいに声をあげるぐるチャン
さっきまで考えるようにしていたのに、今は焦っている
gr 今すぐ、シャオロンの部屋に行くぞ
そう言って、ばんっと扉を開いていなくなるグルちゃんに皆が唖然とする
僕もさすがにグルちゃんが焦ってることなんてあまりにもないから驚いた
rb …っ
その後、ロボロも一緒に駆け出していった
ut ちょっ…とりあえず、僕たちも追いかけようっ!
僕たちも分からず、グルちゃんのところに急いだ
シャオロンの部屋
rb視点
rb なぁっ…、グルッペン
rb シャオロンまた、なったんかな?
あぁっ…
嫌だ
サイアクだ
gr 多分な、そうじゃなきゃおかしいだろう?あいつは黙って居なくなるやつじゃない
rb そうだよな
シャオロンを最近見てないことは知ってた、
でも、まさか
また眠ってしまうなんて
鍵がかかった扉を開けると、そこにはあの時と同じ光景
異様なほどな毛布とぬいぐるみがベッドに積み重なっており、そこにシャオロンが静かに横たわっていた
rb シャオロンっ…!!
そう話しても呼び掛けには断じて応えない
シャオロンは俺の親友で軍学校の同期
シャオロンのこの体質を知ったのは、シャオロンが初めて学校を欠席して3日ぐらい経った時
俺がお見舞いとしてシャオロンの家に行ったら
シャオロンは静かに今と同じ状況で寝ていた
あの時はまだ寝てるだけやと思っとった
だけど
声をかけてもどれだけ揺さぶってもシャオロンは起きんくて
さすがに怖くなった
息はしてたけど
とりあえず、救急車を呼んだ
それから1週間経って
やっとシャオロンは目を覚ました
シャオロンが言うには
時々このような症状が現れるということ
でもいつ起こるか
何日眠り続けるのかが分からないから
一生目覚めないかもしれないし
誰にも見つけてもらえず餓死してしまうかもしれないということだった
あの時から俺は極力シャオロンを見てきたはずだ
そうだったはずだった
なのに
俺はまた彼のことを見守ってあげれんかった
俺は自然と震えていた
ut ねぇ、グルッペン
ut シャオちゃんは寝てるだけだよね…?
gr あぁ、、眠り続けているというのが正解だ
ut ね、むりつづけてる?
gr いわゆる、仮死状態だ
その一言にまた震える
シャオロンの命が危ないということだ
皆も驚いてる
kn とりあえず、医務室行かな…
コネさんがインカムを付ける
ut シャオちゃん、は何で起きんのや?シャオロンに何かあんの…?なぁ、ぐるチャン
大先生が口早に言う
gr …、まずはシャオロンを運ぼう、それからや、鬱
gr 落ち着け
その一言で大先生は俯いた
医療室
sn …軽い栄養失調と脱水症状だね
シャオロンが寝ているベッドの周りで話をする
sn 後は、特にはなかったから大丈夫だよ
sn 呼吸も安定してるし、特に異常無し
sn 気になるのは、何故何日も眠り続けているのかだね
sn …グルッペン?話してくれるよね?
しんぺい神から軽く圧がかかり、一同が静まり返る
gr …あぁ
gr シャオロンからも言わなくていいと言われていたから言っていなかった
gr それのことについて、まず申し訳ない
gr …シャオロンは特殊な体質があってな、ストレスが限界まで溜まると、眠ってしまうんだ
…へ?
gr それもそのストレスがどのくらいかで眠る時間も変わってきてな、、
gr 一週間も眠り続けることだってある
gr だから、目を離さないようにはしていたんだが…
gr 本当に申し訳なかった
グルッペンが皆に頭を下げた
ut …、僕シャオちゃんのこと、何も気付けんかったな笑
ぼそっと口に出る
rb …っ、!、それは、俺もや
rb もう目を離さんって決めたんに…
辺りが静まり返った
シャオロンのことを気づけず、ストレスを緩和させてあげれなかったという思いが皆から伝わってきた
俯く者
泣くもの
周りの雰囲気を緩和させようとする者
黙る者
それぞれだ
それから一週間。
未だにシャオちゃんは目を覚まさない
一向に起きようとしない
俺らはその間、対策を練った
次失敗しないように
シャオちゃんに寄り添うようにと
一人一人が自分と相手の心に寄り添うように心がけることなど
できることは全部声に出して決めた
今は皆、普通に自分の仕事に付いている
シャオちゃんが起きなくて皆、心配でたまらないみたいやけどな
特にロボロはもう…死にそうや笑
自分を責めてる、一番
シャオちゃんがもし帰ってこなかったら、多分ロボロも帰ってこなくなっちゃうんじゃないかな?笑
シャオちゃんが起きたら、ロボロのこと話そ
きっとロボロ、うるせぇ笑とか言って恥ずかしがるわ笑
…
…
なぁ
シャオちゃん?
今
どこにおるん?
もう
目を覚ましたらどうや?
皆、お前のこと好きやで
怒ってないよ
嫌ってないよ
だから
…っさぁ
ut 起きてよっ…シャオちゃん笑
1人、
僕は窓に向かってそう言葉にした
ut …っ、ん、
目が覚める
何やら扉の向こうが騒がしかった
ut どしたん、何かあるんか?
僕は扉を開けた
そしたら、トンちやらシッマやらが走ってた
kn あ、大先生!シャオロンが、目覚めたって!
その一言に
僕はついつい口が開く
ut え、まじ!?…はよ行こや!
一週間ぶりにシャオちゃんの声が意識が戻った
僕は喜びでいっぱいになった
医療室
そこにはもう大勢のメンバーが集まっていた
皆が笑顔で笑っていて
僕も嬉しくなる
ut シャオちゃん!
そう呼んだ
ぴくっと反応した彼はこちらに目を向けた
sho 大先生、久しぶりっ
にっこりと笑う彼を見て
ついつい口角が上がる
目頭からは熱い水滴が零れた
何粒も伝って
僕はたくさん笑った
シャオちゃん
…
…
…
ut シャオ、ちゃ、…ん笑
大先生は
真っ暗な机に何度も何度も涙を溢した
窓から見える月が少しだけ大先生を慰めているように見えた
コメント
8件
皆様、読んでくださりありがとうございます。今回はshoちゃんを主役として書いたのですが、最終的にはut先生が主役みたいになっちゃいましたね…。出てきたのはsho、tn、rb、utの4人でしたね。この小説を書くに当たって、マブダチのrbは絶対に出そうと思ってました笑 後の二人ですけど、ut はut くんとshoちゃんの絡みが俺意外と好きで出しちゃった感じですかね。
皆の優しさが出てていい作品だなって思いました! ブクマに失礼します!