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恋愛のお話書きたくなった!!!
普通になぐり書きだから変でも許して(泣)!
高校2年の夏。
風変わりな転校生・**紫月(しづき)**が現れたのは、七夕の日だった。
銀髪に淡い紫の瞳。まるで絵本から抜け出したみたいな雰囲気で、教室では一瞬にして注目の的。
でも、彼女には「ある奇妙なルール」があった。
毎日、夜12時になると、姿が消えてしまう。
誰にも気づかれないように、ひっそりと学校からも部屋からもいなくなる。
だけど、なぜか僕――**晴翔(はると)**だけは、彼女が消える瞬間を見てしまった。
「……お願い、誰にも言わないで」
涙を浮かべて懇願する紫月に、僕は頷いた。
そして、毎晩12時前に彼女に会いに行く約束をする。
「12時までの恋人だね」
そう笑う紫月の笑顔に、僕はどんどん惹かれていく。
けれどある日、彼女は言った。
「私、あと7日で完全にこの世界からいなくなるの」
「どうして?!」
「……私は“願い”から生まれた存在。7月7日に現れて、7月14日に消えるの。だから――」
その日が近づくにつれて、彼女の姿は少しずつ薄くなっていく。
誰も気づかないけど、僕の目には見えるその儚さが、胸を締めつける。
そして、最終日。
12時ちょうど、消えかけた彼女に、僕は伝える。
「君が消えるなら、僕の願いはこうだ。もう一度、君に会いたい。来年、ここで待ってる」
消える寸前、紫月は微笑んで頷いた。
そして――1年後。
また七夕の日、学校の門の前に立っていたのは、
何も思い出していない紫月だった。
でも、彼女はこう言った。
「なんだか分からないけど……ここに来たら、心がぎゅっとするの」
そして彼女は僕に微笑む。
「……あなたに、会いたかったのかも」
終わり