テラーノベル
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何時からこの病が発病したか分からない。憎たらしくて、時には愛らしく。この病のせいでころころと心情が変わってしまう。でも、そんな今が、一番楽しくて。
季節の変わり目、日差しは衰えていなくとも、風は少し涼しくなってきた今日この頃。朝何を食べたか、今日の日程がどんなものだったか、毎度家が近い幼馴染みと他愛のない会話をしていると学校に着く。クラスは違うのでいつもここでお別れ をするのだが、彼の背中を見ていると少しだけ、羨ましいという感情が涌き出てくる。別に今のクラスメイト達が嫌なわけではないし、仲が良い奴らが同じクラスに居るのだから、寧ろ幸せだと思う。ただそれでも、この気持ちは日に日に増していく。
恋愛漫画ではよく、好きな人は同じクラスにいるものだが現実は違う。まあ同じクラスだからこそ恋をする機会が多いからなのかもしれないが。あれやこれやと考えている内に教室に入り、仲が良い奴らと会話をする。彼らと居ると時間はあっという間で。すぐにホームルームが始まり、いつのまにやら授業が始まる。そこからもいつも通り、進んでいく筈だった。
彼が来たのだ。一瞬にして前髪を整え、出来る限り万全な状態にしておく。だが、目的は俺ではなかったらしい。嬉しいような悲しいような。何やら次の授業の教科書が欲しいそうで、仲がいいウェンに声をかけている。俺も彼ともっと親しい関係になりたい。ちょっとくらいこっち見て欲しい。彼らのやり取りを見ているとそんな欲望が膨らむばかり。まあ結局は話しかけれない俺が悪い。この一言に尽きるのだが。分かっているのだ、素直にならなければ素直な奴にとられてしまう。しかも彼は顔が整っていて、女子からするとロウやるべよりかは何倍も話かけやすい気さくな性格だ。正直言って俺とは到底釣り合わない人… だからこそ
「そうやわ。緋八、ライがなんか呼んどったで」
『…ほんま?あー次の授業終わったらそっちのクラス行こかな』
「ん、あいつに言うとくわ 」
『…ありがと、カゲツ。』
「ええよ。じゃ帰るわ、またなー」
話せた…!今顔赤ないかな…ちゃんと笑えとったかな…今さら考えても遅いというのに考えずにはいられない。だって好きなんだもの。話せただけでこんなにも慌ただしく、正常な判断が出来ない。しょうがないだろう、彼と目が合うだけでもこちとら心臓バックバクなのだ。話すだなんてこと耐えられるはずないだろう。
でも、それでも、 嬉しい!!正常な判断が出来ないからなんだ、話せたことは事実なのだ。欲望に乾いていた心がこの事実に潤されていく。とにかく一番の功労者にお礼を伝えたい。ありがとう、相方。まーじでありがとう。お前という幼馴染みが居てくれて俺本当に嬉しいよ。まあそんな冗談は置いておいて。
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