この作品はいかがでしたか?
31
この作品はいかがでしたか?
31
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
とある魔女のお話です!是非読んでみて下さい
私には、昔魔女の師匠がいた。
適当でめんどくさがりで
いつもお酒飲んでて
なんなら魔法は、稀にしか教えてくれない。
私は正直いい印象抱いていなかったし
正直苦手だった。
なのになんで。
「なんでこんなに泣いてるんだろ。」
師匠が病にかかったらしい。
後数年で亡くなってしまうらしい。
あんなに「私は不死身だ!」
とかいってたのに。
どんなものも人も意外とぽっかり死んでしまう。
「なぁに聞き耳立ててんだい!」
(やば!!)
(聞き耳立てるだけだしバレないと思ったのに!!)
「いえ!聞き耳なんか立ててません!それよりお医者様はなんと?」
魔女は怪しむ様な視線で私を見つめてくる。
そして私の質問を聞くと嘘みたいに表情を変える。
「当たり前のことを聞くんじゃないよ!バッチリ健康だってさ!!」
魔女は真実かのように嘘をつき
そして笑顔で親指を立てる。
本当に昔から嘘ばっかり。
この真実を他の弟子たちが知ったらどうなるんだろう。
きっと悲しむんだろうな。
そんなことを思いながら
作り笑顔で魔女に言う。
「そうなんですね!では帰りましょう!」
魔女の城に帰ると
そこにはたくさんの
弟子たちが魔女を待っていた。
魔女の顔を見るたびに弟子達は
みんな笑顔になり魔女を迎え入れた。
その笑顔の意味が私には
わからなかった。
夕食を済ませた後魔女は
私に散歩の誘いをした。
断ったら殺されそうなので
魔女と散歩に向かった。
「あんたとここくるの久しぶりかも!」
魔女が嬉しそうに言う。
そしてその後に少し寂しそうに笑顔で言った。
「あんた今日の医者との話やっぱり聞いてたでしょ!」
その言葉を聞いて私は
少し焦ってしまった。
「、、、バレてましたか。」
その言葉に魔女は呆れた様に
ケラケラと笑っていた。
私はその顔を見て少しホッとした。
「あのさ。」
そのうち魔女は明るくこう話す。
「あたしが死んだらあんたは泣く?」
そんな重たい言葉に私は困惑する。
だって死んだらとか
死なんてこの人に
限って現実味がなかったからだ。
「、、、どうでしょう。」
「あはは!酷い弟子だね!そんな子に育てた覚えはないよぉ!!」
そして魔女は 段々帰り道に
近づいてきたその頃に
少し躊躇いながら長々と こう言った。
「、、、あたしは孤児だったし友達もいなかった。だから昔から魔法しかなかったのさ。」
「でもなんとなく家族が欲しくなった。だから弟子を作ってみた。飽きたらすぐ捨てればいいしって。」
「でもね。思ったよりも愛してしまったのさ。あんた達をね。」
「だからガーネット。あたしが死んだら花ぐらい添えてくれよ!」
「あっ後この話をあたしが喋ったってことは、あたしが死ぬまだ秘密にするんだよ!」
「バレるとあいつらに笑われるからね!」
「まぁあたしがそうすぐ死ぬわけがないけどねぇ!!」
私は少しだけ目に
涙を浮かべている魔女を
見ながら家に帰って行った。
魔女のあの話を 聞いてから
私以外の弟子と魔女で
色んなところに行く様にした。
例えば美術館とか、博物館とか。
「ガーネット!!この絵ゾウの屍にに見えないかい!?」
「、、、」
海とか山とか。
「うーんやっぱり山より海で魔法ぶっ放したいかも。」
「、、、」
とにかく魔女の寿命が尽きるまで
色々なところに行った。
魔女は段々元気になって行った。
もしかしたら病が治るかもしれない。
とか思っていた。
期待していた。
ただ病とは怖く。
寿命が近づくとあっという間に
魔女は弱った。
弟子達も魔女をとても心配していた。
幸せは長くは続かなかった。
そして魔女はもう少しで
自分の先が近いことを悟り
弟子一人一人に話をした。
「なぁ。ガーネット。頼みたいことがあるんだ」
「あたしが死んだら花くらい飾れって言っただろう」
「それでな飾って欲しい花があるんだよ」
「ベロニカって花であぁそうだ。」
「ってなんだい!?その悲しそうな目!例え話さ!」
色々な話をした。
短い時間だったけど。
今まで魔女と過ごした中で
一番長く感じた時間だった。
そしてその短く長い時間を
過ごした後に
魔女は
永遠の眠りについた。
「、、、もっとたくさん喋りたかった。」
弟子達は皆悲しみ
自害しようとするものまで現れた。
そこまでするほど
皆自分や仲間を
愛してくれた魔女を
同じくらいの愛していた。
そしてしばらくたち弟子達は
感謝を込めて加護をかけたお墓を
つくって 魔女を埋葬した。
そして私は魔女に言われたとおりに
彼女のと同じ名前の花
ベロニカの花束を
彼女のお墓に捧げた。
自分の涙を拭いながら。
この花の花言葉に
ぴったりだったあなたは
いつまでも私達の記憶に
残り続けるよ。
「どうか安らかに。」
「愛しているよ。ベロニカ。」