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#逆転裁判夢
結愛(ゆめ)
642
𝒌𝒐𝒎𝒖
98
(⚠️読み切りです)
(勢いのまま書いてます)
─
ある春の頃、ぼくと御剣はあーだこーだ喋りながら通りを歩いていた。
最近あった裁判がどうだとか、真宵ちゃんがまた無茶をしただとか、そんなたわいもない話が続く。
その時、前から見覚えのある姿が歩いてくるのが見えた。たしか御剣が恋焦がれていた人だ、何やらオシャレをしているのか、所々光っている
「お、奇遇だね、〇〇ちゃん…お出かけかな?」
「そのような格好をしてどこに行こうと…」
「まあまあ、何か用事?」
御剣とぼくは話しかけた、正直言ってその時の格好はスリットのある服だっため、ぼくは慣れずに視線をそらす
「え。パーティー?へええ…楽しそうだね」
「なっ、ぱ、パーティーだと!?」
「御剣どうしたんだよ、そんなに驚いた顔して」
「嫌な予感しかしない」
「え。」
「私も同行し」
「わああああ!御剣の言うことは気にしなくていいから!ね!ほら早く行ってきなよ」
“パーティー”の言葉に過剰に反応した御剣をぼくは抑え込む。いやいや、たしかに心配だけど…
「あのな御剣、お前が来てもダレ?で終わると思うんだけど…」
「し、しかし…ムうううう…」
「心配なのはわかるけどね、ほら〇〇ちゃんいい子だからさ、騙されやすそうだし」
「当たり前だ」
「何が当たり前なんだよ……。」
御剣にやれやれとしながらもまた向き直り、楽しんできてねと伝えた。
その日の夜、法律事務所の扉が空いた。自分はそろそろ家に帰ろうと思っていたのだが、それが彼女だったために思わず足を止める
「あれ、おかえりなさい!あはは、ここに寄ってくれたんだ」
どうやら久しぶりに、とここに寄ってくれたらしい。嬉しいこともあるものだ
彼女からパーティーの感想を聞いていると、彼女の端末に連絡が入った。慌てて取り出す姿が見える、その時見えてしまった
「あれ。……これ、誰?」
あの時の自分はどうかしていたのかもしれない、彼女が御剣だということを話すとぼくは頷く。たしかに連絡先を交換していてもおかしくない関係だからだ
「そっか」
ぼくは愛想笑いでやり過ごした、得体の知れない感情が渦巻くのを感じる。
ここに来てまで御剣のことを思うのか、ぼくの事はただの友人だと、そう、思っているのかもしれない。
ねえ
あいつからキミのことを聞かされている時、ぼくがどう思っているのか、知らないでしょ?
「あのさ」
ぼくは今日一低い声を出したと思う、彼女に向き直り、あくまで揶揄うように
「あいつじゃなくて…ぼくにしない?」
そう、微笑んだ
「なーんて、ははっ、冗談だよ。こんなこと御剣に聞かれたらどうなるか分からないからさ」
おどけたように軽く片手をあげると、またお茶を飲み干す。空になった湯のみがやけに寂しく見えた
「まあ、またおいでよ、いつでも待ってるからさ」
コメント
1件
素敵な読み切りでしたね!成歩堂の「あいつ《御剣怜侍》じゃなくて…|ぼく《成歩堂龍一》にしない?」のくだり、冗談の形を借りた本音がひりひり伝わってきて、心臓がぎゅっとなりました。 パーティーに行く彼女に過剰反応する御剣の保護者感と、それにやれやれしつつも後日同じ感情を自分が抱く構図が、関係性のレイヤーを感じさせて好きです。空になった湯のみの寂しさが、言葉にしなかった想いを象徴しているようで……続きを想像せずにはいられない、味わい深い一編でした。