ズゥゥゥゥゥ……
誌音の足元から影が広がる。
「さて……次はお前だな?」
主を見据えた。
「おいおい、殺す気か?」
主は ニヤリと笑った。
「そうだよ。」
誌音は 躊躇なく答えた。
「ハハッ、随分とストレートな物言いだなぁ。」
主は 楽しそうに筆を構える。
「でもな、お前は知らないだろう? この筆の本当の力を。」
表情が微かに動く。
「……?」
「さっき言ったよな。筆を壊した者は新たな筆になるって。」
主は ゆっくりと筆を宙に描くように動かした。
「そうだな。だったら、お前が新しい筆になったらどうだ?」
ヒュン!!!
主の筆が 異様な速度で心臓を狙う。
「おっと。」
誌音は ギリギリでかわした。
「はは、速いな。でも、私のほうが速いぞ?」
バッ!!!
主の手が 異様な動きを見せた。
誌音が動くよりも早く、筆が腕に絡みついた。
「なっ……?」
誌音は腕が動かないことに気づいた。
「お前は、もう筆の一部だ。」
主は 笑った。
「さて、お前をどう描いてやろうか……?」
詩音は 静かに目を閉じた。
「……はぁ。」
そして、次の瞬間——
「舐めるなよ。」
誌音の瞳が、一瞬で狂気に染まった。
「……?」
バキィッ!!!!
詩音の 腕が筆の拘束を破壊した。
「……!!?」
「主、お前は勘違いしてるよ。」
ゆっくりと主に歩み寄る。
「筆の力が何だ? そんなもの、関係ない。」
主は 筆を構え直す。
「ハハ……なるほど、やっぱりお前は普通じゃねぇな。」
「普通? そんなもん、とっくに捨てた。」
誌音の 口元が笑う。
「私は、もう死んでるようなもんだ。」
バキィッ!!!!
誌音の 拳が主の顔面を抉った。
「ぐっ……!!」
主の 身体が甲板に叩きつけられる。
「はは……ははは……!」
主は 口から血を吐きながら笑った。
「おもしれぇ……!! やっぱり、お前は描きたかった傑作だよ……!!」
誌音は 無言で主の喉元に手をかけた。
「おい、もう少し遊ぼうぜ?」
主の 口角が上がる。
「まだ終わりじゃねぇだろ?」
目が細められた。
「……お前、いい加減にしろよ。」
そして——
「終わらせてやるよ、主。」
ズドン!!!!
拳が主の胸を貫いた。
コメント
8件
今回も神ってましたぁぁぁ!!! え、誌音たぁぁん、、、!?主たん〇しちゃったの、、? 復讐の力って恐ろしいね(??) とりままじで続きが気になりすぎるよ((? 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいいいいぃ!!!!!!
えっ主ぃぃ!!!!((((めっちゃいい戦いしてたのにぃ…!(泣)ヤバい主死んだのかな…(汗()とりまイラスト描きます、!!続き楽しみです、!!!