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🌌第九章:「消えるヒカリ(前編)」
星乃ヒカリ。
最後の少女の化身、そして東京。
世界の中心が、今、音もなく崩れていく――
その中で、彼女が“本当に伝えたかったもの”とは。
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⚡Scene.1:落下の終着点
ヒカリは空を落ちる。
ビル群をすり抜け、ネオンをすり抜け、記憶の光を抱きながら――
その瞬間、誰かの声が聞こえた。
「ヒカリっっ!!!」
叫ぶような、焦げたような声。
振り返ると、そこにはユウトとトキオ、そしてセイジがいた。
空間を歪めて、強引にヒカリに“届いた”その声。
「……バカ、お前が消えたら、もう誰も笑わねえだろ!」
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💥Scene.2:男たちの奔走
ユウト(宮城)は“記憶の記録者”として、
セイジ(大阪)は“想いの橋渡し”として、
そしてトキオ(福岡)は“破壊と再生の力”として――
ヒカリを止めるため、時間すら逆行しようとしていた。
でもヒカリは、微笑む。
「ありがとう、みんな。でも……私はもう、決めてるの」
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💔Scene.3:最終停止カウント
東京の中枢、**秋葉原地下にある“記憶炉”**が完全停止に入る。
そこにはヒカリ自身がリンクされてる。
つまり、彼女が消える=東京の精神核が完全にシャットダウンされるってこと。
ユウトが叫ぶ。
「俺、こんなとこで君を見送るために残ってたんじゃない!!」
セイジは歯を食いしばる。
「“最後の女子”が消えるって、おかしいだろ……!」
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🌇Scene.4:ヒカリの願い
ヒカリは、ゆっくりと歩きながら話す。
「でもね、私、“女の子だから消える”とは思ってないよ。
私、“人の想い”を守り続けたから、
ただその果てに、今があるだけなの」
彼女は最後に、ひとつだけお願いをする。
「記憶炉の中に、私の“声”を入れて。
ほんの1秒でもいいから、誰かが未来で“この声”を聞けるように」
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🧬Scene.5:最後の録音
ヒカリの“心”は、記憶炉に保存された。
星乃ヒカリという名前、彼女の声、彼女の願い。
ユウトは涙をこらえながら“REC”ボタンを押す。
『これは、東京の光だった少女の記録です』
『私は――消えても、あなたの中で光っていたい』
録音、完了。
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🌃Scene.6:別れ
ヒカリの身体が、都市の光と同化しはじめる。
東京タワー、スカイツリー、地下鉄網、高速道路、
それらすべてが光を吸い上げ、ヒカリを“記憶の核”にしていく。
ユウトが呟く。
「……じゃあな、ヒカリ」
トキオはただ、手を合わせる。
セイジは最後まで背を向けたまま、拳を強く握っていた。
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――消えるヒカリ(前編)、終わり。
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🔜次回:「第十章:消えるヒカリ(後編)」
光は、完全に消えてしまうのか?
それとも、“誰かの記憶”という形で、
永遠に生き続けていくのか?
最後に明かされる、ヒカリの“真の願い”とは。
コメント
3件
ひかりいいいいい
え、これもうすぐ話終わっちゃう系!?