テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
223
🖤MIRA🤍
66
王都への旅立ちの準備を進めていた潔たちの前に、空間を切り裂くようにして、
新たな悪魔が姿を現した。赤と黒の髪を綺麗に切り揃え、
一見すると人当たりの良さそうな笑みを浮かべた青年。しかし、
その瞳の奥には、狂気にも似た冷徹な光が宿っている。
魔界の最高幹部・カイザーの忠臣であり、優秀な魔術師でもある悪魔
ネスだった。「あまりにも、遅いです.」
「カイザーに言われたら普通5分以内に来るでしょう!」
ネスはふわりと地面に着地すると、形の良い唇を歪めて、
あからさまな不機嫌さを露わにした。
「カイザーお代官様が直々に『連れてこい』と神託を下したのですよ? それなのに、下級の羽虫どもと傷の舐め合いをして、ノロノロと何を突っ立っているのですか。不敬にも程があります」
「チッ、ストーカー野郎が。わざわざ迎えに来やがったか」
千切が忌々しそうに武器の柄に手をかける。
「お前がネスか……。お代官様の犬のくせに、随分と偉そうじゃん」
玲王も冷たい視線を浴びせるが、ネスはそれを無視して、みんなの背後にいる潔へとまっすぐ歩み寄った。
「あなたが、噂の『堕天使』ですね。……どれほど素晴らしい存在かと思えば、」「随分とみすぼらしい。翼はドロドロの真っ黒、
体は傷だらけ。こんな不完全なゴミが、カイザーお代官様の視界に入るなんて」
、蔑むような目を向けた。その指先からは、いつでも潔を呪い殺せるような、
禍々しい紫色の魔力がパチパチと弾けている。
「おい、いさぎに触るな……!」蜂楽が爪を立てて飛びかかろうとした、その時。「……ごめんな」潔の口から零れ落ちたのは、怯えでも怒りでもなく、静かな
「謝罪」だった。「は……?」予想外の言葉に、ネスの動きがピタリと止まる。「俺の翼がこんなに汚くて、傷だらけのせいで…」潔はネスの紫色の魔力を見つめながら、優しく、そして真っ直ぐな瞳ではにかんだ。
「でも、俺はどんなに不完全でも、生きなきゃいけないんだ。みんなが俺の居場所をくれたから。だから、お前たちの城へ行くよ」「っ――!?」
ネスの心臓が、ドクンと大きく跳ね上がった。魔界の悪魔なら、
罵倒されれば怒り狂うか、恐怖に命乞いをするのが普通だ。それなのに、この堕天使は、自分の無礼を許し、それどころか自分の
「主への忠誠心」ごと優しく包み込むような眼差しを向けてきた。
黒い翼から感じるのは、邪悪な魔力ではない。天界で誰かを守るために傷ついた、気高く、あまりにも温かい光の残滓だった。、何ですか、この感覚は……。お代官様以外の前で、私の胸がこんなに騒ぐなんて、ネスは顔を真っ赤に染め、弾かれたように潔から手を離した。「ねぇ、いさぎに変な術かけた? 殺しちゃうよ?」
すかさず凪が潔の腰を抱き寄せてネスを睨みつけ、
國神も大剣を構えてネスを威嚇する。
「ち、違います! 私はただ、お代官様の命令を遂行するだけです!」
ネスは激しく動揺しながらも、必死に冷徹な仮面を取り繕おうと、
懐から巨大な魔導書を取り出した。
「お代官様をこれ以上お待たせするわけにはいきません。
これより、全員まとめて空間転移します!」「なっ、待て……!」
玲王が叫ぶのと同時に、ネスが呪文を唱える。
足元に巨大な紫色の魔法陣が広がり、眩い光が視界を染め上げた。フッ、と浮遊感が襲い、次の瞬間。「……うわっ!?」潔たちが目を開けると、
そこは先ほどの古びた洋館ではなく、天井が遥か高くにそびえ立つ、息を呑むほどに豪華絢爛な王宮の玉座の間だった。
「ハハッ、ようこそ我が城へ。待ちくたびれたぞ、可哀想な迷子の堕天使ちゃん」
相談time.
投稿頻度どれくらいがいいでしょうか.
1 一日1回
2 二日1回
3 三日2回
コメント
3件
続きがほしいです(´ . .̫ . `)
無理なくがんばっていただければ十分です(*^-^*)
寺島あおいです🌷 第5話、読み終えました……! ネスの登場がまずカッコよくて、でも潔くんのあの「謝罪」には心臓を掴まれましたね。罵倒されてもなお相手の忠誠心ごと受け止める潔くんの優しさと強さ、それに動揺して顔を赤らめるネス……もう最高の化学反応でした。空間転移でいきなり王宮!この先どうなるのか気になって仕方ないです。 更新頻度はどれも魅力的ですが、無理のない範囲で続けられる「三日2回」が私の一押しです☺️