カナ視点
暗く、深い。
ここは…ぁ、ん?
分からない……
でも、檻?何かの中に閉じ込められてるのかな…
何も、出来ないんだなぁ…
何かを叩いてくれてる音が聞こえてくる。
その音に連れて少しずつ視界が開けてくる。
視界の先に映ったのは、戦ってるみんなの姿。
あれ。なん、で
何で、みんなと戦ってるんだろ、
視界とともに聴覚も戻って来る。
声が、聞こえてくる。
「連れ戻すって、決めたから…」
半泣きの声で、届く。
嬉しい 哀しい
重い。
その声に答えたい。
みんなの所に戻りたい。
そう願う事に、世界が崩れる。
_水の音
その音は次第に大きくなって、包みこんでくれるように。
「…おかえり、カナ!」
みー視点
さっきミユが気づいてくれた仮面を取りたいっ!
でもナイフやらを振ってきて中々近づけない!
うー……
でも、重力の勢いで殺しちゃうんじゃって、心配で…
いや!んー……
「いいやもうどうにでもなれー!!」
重力の勢いとともに剣を突き刺す。
ヤケクソで、正確な一撃が仮面に当たる。
いや、みーも当たってると思ってなかったし。
ハラハラと崩れる仮面
ゆらりとくずれるカナ
とっさに支えて、顔を、脈を確認する。
大丈夫、生きてる。
生きてる、んだ。あぁ
「よかった、よかったあぁ ぁ……ぅぅ」
その場の雰囲気なんてお構い無しに泣く。
うっすらと、瞳が見える。
カナが起きた、起きたんだ。
ちゃんと息を整えて、言葉をかける。
「…おかえり、カナ!」
少し気まずそうで、でも嬉しそうに
「…ただいま、みんな」
ミユ視点
泣き声が聞こえてきて少し心配したけど、チラ見すれば感動の再開してて、
じゃあ私も急がないとなぁ!
水穂に目線を戻せば困惑しているようで、
いやはや、ビックリしてますなぁ…
まさかこんな事が……って思ってるだろうなー
さて、次は水穂の番だよ。
「ミユ!カナのライフルで仮面を狙う! 囮お願いしてもいい?!」
その言葉に迷いはなさそうで、元気で、
頼もしい仲間だ。
「いいよ!もうすでにライフルの痛さは分かっとるし!」
致命傷にならなきゃ大体何とかなるっしょ!
…いや、多分ね?
多分ね?!?!
カナ視点
起きたばっかりで少し頭は痛い…けど、
皆に迷惑をかけた分頑張らないとね。
「カナ、仮面狙えそう?」
「ちょっと、待って……」
手が震える、なんで
なんで…
「…みーも手伝うよ、タイミングはまかせて」
「手も支えてもらっていいかな」
まかせて!と返されてとってもありがたい…
安心感が凄いんだよね。
私は照準を合わせる事に専念する。
ミユが消耗しきってしまう前に
また水の音、今度は支えてくれる。
あの初めてきた時のようにやれば、出来る
「「今!」」
甲高い一音
それと同時に一閃が走り抜ける。
仮面を貫くその弾は、
優しくも、強い思いが重なっている。
ヒトを現実から遠ざける物を、粉々に砕く。
そのことを確認したカナは、意識が暗転していく。
安心と疲れからか。
相棒の所に行きたいのに、弱いなぁ…私
次回、それじゃ、帰ろっか
コメント
7件
こんな人って読むの早いのね
ねぇ、好き😭😭
続きを書くんだ!今すぐ!