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カチャン…
彼の帰ってくる音がした
僕より2つ上の彼。
たったの2歳しか違わないのにこんなにも離れて見えるのはきっと彼のせい。
「おかえりなさい、青先生」
って出迎えても僕には軽くハグだけしてあしらわれた
言葉で伝えるのが苦手でちょっとツンツンだけど僕にはいつも愛が伝わってくる
でもこれは冷たい。僕のことなんかそっちのけですぐベランダに出ていった
彼の好きな煙草。僕は苦手だけど煙草を吸う彼の瞳はとても魅力的だ
その瞳で
煙草じゃなくて僕を
僕のことをもっと見つめて欲しくて
彼をそっと抱きしめた
「ただいまの挨拶はハグだけで終わりですか?」
そう聞くと
抱きしめた手を解かされて見つめ合った
薄い唇が優しく横に広がって僕に微笑みかける
「…ん?もうしょうがないなぁ笑」
ふわりと僕の頬に唇が触れる
「ほらこれで満足?煙吸ったら身体に悪いんだから部屋戻りな」
そうやって頭を撫でてきてすぐ子供扱いする
僕はずっと本気なのにいつもからかわれてるみたい
2歳差で大人ぶってるのなんかむかつく…!
彼の焦った顔が見てみたくて吸いかけの煙草を取って咥えて見せる
一息が怖くて、躊躇してたら吸うよりも前に取り上げられちゃった
「こーら未成年くんは吸っちゃダメでしょ。これは大人の嗜みだからね。」
あれ?
全然焦ってないしむしろ落ち着いた大人の対応ってやつを見せられて余計むかつく…もっと余裕無くなってよ
「僕が二十歳になったら吸ってもいいですか?」
「えぇ…笑それはダメだよ笑 黄くんにはちゃんと長生きしてもらって僕のこと看取ってもらわないと笑」
「なんですかそれ僕は青先生のお世話係じゃありません!」
「じゃあおじいちゃんになっても一緒に居てくれないの?」
「そういうことじゃないですけど……」
そんな悲しそうな顔して言われたら罪悪感湧いてきちゃうじゃん…この顔されるといつも許しちゃう自分も悔しい…
あぁもおっ!!
“チュッ”
目をまん丸に見開いて驚く君の顔を最後に見て僕は目を瞑る
自分からキスをしたのなんて初めてだし、口を開けて欲しくて必死に彼の唇を求めた
でも先に限界が来たのは僕の方で僕から舌を入れたかったのに君はどんどん僕の口に入ってきて思わず吐息が漏れる
“んぁッ…”
君の息と僕の息も混ざって、苦くて後味の甘い煙草の香りが僕に侵入してくる
最後は銀の糸が僕たちを繋いで離れた
「珍しいね、黄くんからするなんて」
「青ちゃんの息沢山吸ったから僕も煙草吸ったことになりますよね。ちゃんと苦かったですよ笑 死ぬ時だって同じがいいから、これからは青ちゃんから煙草吸いますね。」
これは僕にとっての精一杯の大人ぶったこと。青ちゃんにとっての僕は一生年下の余裕の無い彼女だから、たまにはこういうことしたっていいでしょ、?笑
「お前いつからそんなに煽るのが上手くなったんだよ」
「青先生が気づかなかっただけですよ笑 ほらこんなに無防備なのにこのまま何もしなくていいんですか?」
今夜だけは、
「後悔しても知らないからな」
いや、今夜も背伸びしたがりの僕をたくさん愛してね。
お久しぶりです。最後まで読んで頂きありがとうございます!
いつも話を書いてると新しい展開がどんどん浮かんできて結局何を書きたかったのかよく分かんない感じになっちゃうので上手くまとめられてたら幸いです🥲
物語を書く時は大体深夜4時とかに思い付きやすくて書いてるんですけど、そうすると中々書く時間が取れないんですよね泣