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「…涼ちゃん」

その声で名前を呼ばれる度に僕はいつも少し泣いてしまう。

「…元貴。僕…元貴の声が好き」

後ろから抱き締められ、首筋に元貴の唇がそっと触れた。

「声だけじゃないよね。言ってよ…俺の全部が好きだって」

耳朶を甘噛みしながら服の上から器用に乳首を探り当て弄ってくる元貴に僕は思わず甘い嬌声を上げた。

「あっ…あ、ん…元貴の全部が、大好き…だから…もっと…」

耳元で甘く囁かれて、背筋がゾクリと粟立つのが解った。

「…涼ちゃん、こっち向いて?」

「ん…もと、き……」

元貴は一旦僕から離れると、僕の身体をくるっと振り向かせもう一度優しく抱き締めた。

どちらからともなく唇を重ねる。互いの舌を吸い合うような濃厚な口付けに下半身が徐々に反応してきてしまう。

「…ん、っふふ。涼ちゃん、キスだけで感じちゃったの?可愛いなあもう…ね、触って欲しい?」

身体の内側から這い上がってくる熱に、僕はもう何も考えられなくなっていた。

元貴の手をそっと掴むと、熱く膨張している熱の塊に服の上から触れさせ甘えるようにねだった。

「…触るだけじゃなくて…扱いて欲しい…だめ?」

「…!っだめなわけないじゃん。良いよ…気持ち良くしてあげる」

身に着けていたスウェットパンツを下着ごと脱がされると既にそこは硬く勃ち上がっていた。

元貴の細くて綺麗な指が僕の熱の塊を包み込むようにきゅっと握る。

そのままちゅこちゅこと上下に扱き、たまに亀頭辺りをぐりぐりと刺激してくる元貴に先端からは先走りの白濁がぴるぴると溢れ出て元貴の手を汚した。

「んぁ、あっ…!ひぁ、あっ…元貴…僕、もう…いっちゃ、あぁっ…!」

「イきなよ。涼ちゃんが俺の手で気持ち良くなってくれんの嬉しい」

「ん”っ…んぅっ…あぁぁっ…~~~~~~~~~~~っ♡」

その甘い囁きに堪え切れず、僕は元貴の手のひらに欲望の証を放ち、くたぁと元貴に体重を預けた。

「涼架さーん?俺まだイってないから挿れても良いかな?」

ふと元貴から離れて元貴の下半身を見るとそこはビンビンに張り詰めて震えていた。

引き寄せられるように指先で触れると、元貴は悩ましい声を上げ余裕の無い表情で僕を見つめる。

その色っぽい表情が愛おしくて僕は思わず上機嫌になってしまう。

「元貴、僕の触ってこんなにおっきくなっちゃったの?」

「涼ちゃんの喘ぎ声が可愛かったから…ニヤニヤしないでよ、もう。…後ろ慣らすよ?」

元貴の細くて長い指が僕の後孔にツプリと挿し入れられる。

グチュグチュという卑猥な水音を立てながら僕のイイトコロを探り当てるように動かされる指に僕の唇からは艶めかしい吐息が漏れ始める。

「ん…っ…あ、ぁっ!そこ、だめっ……」

元貴の指がある一点を掠めた時、背筋に電流みたいなものが奔り思わず背中を仰け反らせた。

「ココが好きなんだ?よし。じゃあ挿れるから力抜いててね」

両脚を開かされ脚の間にあるヒクヒクと蠢く後孔に元貴の熱の塊が宛がわれる。

そして、一気に最奥まで突き上げられてしまった。

ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅん♡

部屋中に響き渡る艶めかしい水音にさえ感じてしまい何も考えられなくなる。

ただ、目の前に居るこの愛おしいひとを満たしてあげたい。

僕の頭の中には、もうそれしかなかった。

「…あ…っ、んっんっ…もときぃ…好き…」

「っ…涼ちゃん…俺も好きだよ…大好きだよっ…」

元貴の頬に手を伸ばすと元貴はにこっと微笑み甘い口付けをくれた。

最奥をぐりぐりと刺激されると、僕は呆気無くイってしまった。

その数秒後、元貴も僕の中から性器を取り出すと僕の腹部目掛けて欲を放ち達した。


「元貴、愛してるよ」

「なに、急に。俺も涼ちゃん愛してるよ」

情事後、ベッドの中で他愛も無い会話をする。

この時間が僕にとっては結構大切で………。

「じゃあキスして…?」

「…うん。良いよ、キスもエッチもたくさんしよ?だから、そんな寂しそうな顔しないでよ」

舌を絡め合ったり吸い合ったりするキスを数秒間した後、ふと元貴を見ると不安そうな顔をしていた。

「…ごめんね、不安にさせちゃった?」

「……俺、涼ちゃんが思ってるよりも、涼ちゃんのこと愛してるから。それだけは憶えといて」

そう言って元貴は、僕を強く強く抱きしめてくれた。

嬉しくて、幸せで、涙が溢れそうになった。

「…元貴。僕、元貴のこと、絶対に幸せにするからね」

「それは俺の台詞だよ。でも、うん…信じてるよ」


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