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職員 side
💛「次回は耳鼻咽喉科の予約ですね。これからきっと良くなっていきますから。」
「ありがとうございます…治療、頑張ります!」
💛「症状の原因が分かりましたからね。あとは根気強く耳鼻科の先生と頑張っていきましょう。」
「本当に、ありがとうございました……!」
ここは美留久総合病院の総合診療内科。今日も多くの患者さんがうちを訪れている。
今吉田先生と話していたこの患者さんは、急性発症のとある症状に悩み開業医をいくつも回ったけれど、原因が分からず当院に紹介となかった方だった。診察や症状の結果、吉田先生が原因疾患に当たりを付け、検査の結果今日確定診断に至った。この疾患の専門は耳鼻咽喉科のため、患者さんを耳鼻科に繋ぐことができたわけだ。 良かった、と喜ぶ吉田先生が本当にかわい…おっと心の叫びが漏れるところだった。
さて、そろそろお昼になりますので総診職員として定例の吉田先生ランチ先情報を報告せねば……と考えていると、 何やら吉田先生が熱心にスマホをポチポチしている。
職員「吉田先生、今日のお昼はどちらに行かれます?」
💛「あ。お昼行く前にちょっと電話してきますので、席外しますね。」
職員「分かりました。お気をつけて!」
吉田先生が帰ってきたら場所を聞いて院内チャットすればいいかー…等と呑気に考えていたが、この行いを後悔することになるとは思ってもみなかった。
🩷side
やっとお昼になったー!
今日も整形外科は予約患者さんやら直接来院の患者さんやらでかなり混んでたけど、何とか診察を終えることができた。
仁人、今日は何処で昼メシ食うんだろ、と思って院内チャットを覗くも、珍しく総合診療内科から連絡が来ていなかった。
🩷「んー…診察立て込んでるのか?予約患者リストを見る限りは全員診察呼ばれてるみたいだし…終わってるハズなんだけどなぁー…」
なんて考えてると、総診から連絡が入った。
院内チャット✦───
総診「申し訳ございません!吉田先生がいなくなってしまいました。いま他科の職員にも聞いていますが、吉田先生の目撃情報がなくて行き先が分かりません。」
✦───✦───✦───✦
🩷「は?…やりやがったな、アイツ……」
スマホを取り出し、アプリを起動する。 画面に表示されたマークを確認し、M!LKメンバーにメッセージを送る。
職「佐野先生、お昼ですか?」
🩷「うん。いつもの面子で。今日は外に食べに行ってきます。」
💛side
💛「あ!つよしっ!」
古「おー、じんと!久しぶりだな」
こいつは古 川 毅。俺の高校の同級生。 違う大学に進学したけど、こいつも他の病院で総合診療内科医をしている。
お互い忙しくてなかなか会えないのだが、今日はうちの病院近くでセミナーがあるらしく連絡をくれた。 近くに居るなら会いたいと思って電話をしてみたら、丁度ランチに行こうとしていたようで集まることになった。
💛「おれ、いつも院内でご飯済ませちゃうから美味しい店とかよく分かんないんだよ。毅、知ってる?」
古「あー、なら、さっきこっち来る時に良さそうな店あったからそこにするかー」
💛「いいね、じゃあそこで。久々に毅に会えて嬉しいなー」
古「…お前、相変わらずだなぁ」
ふふ、と笑っていると毅が顔をしかめて俺を見てくる。
💛「なに?毅は嬉しくないの……?」
しょぼくれていると、毅が笑いながら頭を撫でてくる。
古「そこじゃない(笑)普通に嬉しいよ。ただ…王子たちが苦労してるんだろうなぁって思っただけだよ」
王子って誰…?苦労ってなに…?そんな疑問が俺の顔に書いてあったのか、毅がため息をついた。
古「まぁ、そこも仁人の魅力か…そういえば、勇斗達に外で食べること、ちゃんと伝えてきたか?」
思わぬ毅の言葉に顔をしかめる。 何で勇斗達の名前がここで出てくるの?
💛「……伝えてないけど。」
不思議に思っていると、毅が盛大にため息をついた。
古「仁人おまえいい加減にしろよ…」
💛「え、まって。俺なんで怒られるの?」
古「……ま、仕方ないか…昼休み終わっちゃうし、早く行くぞー」
💛「う、うん。」
毅の言っていることはよく分からなかったが、お互い時間もないので足早にカフェに向かった。
店内に入ると流石にお昼時とあって人が少ない訳ではなかったが、ランチでもなかなかの値段設定だからか思った程混んでもいなかった。
お互いパスタランチセットを頼み終えると、自然とお互いの仕事の話になる。総合診療内科医はかかりつけ医としての役割はあまり果たせないが、原因疾患の特定ができた時の安心感とその後患者さんの治療経過を追えることが嬉しい点は共通のようで。
💛「症状が複雑で原因の特定が難しいことも勿論あるけどさ。元気になって病院を卒業していく患者さんの姿を見ると、自分も治療に携わった一員としてやっぱめちゃくちゃ嬉しいよね」
古「本当そうだよなー…これはやっぱり総診のやり甲斐だよね」
💛「うん」
最近うちの病院を元気に卒業していった患者さんの顔が思い浮かび、顔が綻ぶ。 そんな俺に釣られてか、毅の顔も綻ぶ。
古「…うちの病院にも、仁人の活躍聞こえてくるよ。原因の特定が上手くて、適切な科に迅速に振れる若手医師が居るってさ 」
💛「そうなの?……それは、普通に嬉しいかも」
そんな風に他の病院で言われてるのか…
驚きや恥ずかしさもあるが、自分の努力がこうして他者に認めてもらえるのは純粋に嬉しい。 そんなことを考えていると、真剣な顔をした毅と目が合う。
古「ねぇ、仁人。今の病院、楽しい?」
💛「え…うん。不満はないし、それなりに楽しく仕事できてると思うよ……?」
(あいつらも居るしな…)
同期で入った勇斗、太智、柔太朗、舜太。 科は違えど医大から切磋琢磨してきた関係だ。 今の病院はやりがいもあるし人にも恵まれているとは思うけど、やはりM!LKメンバーの存在は大きい。
古「あのさ……ちょっと検討してほしいことがあって」
💛「なに?…どうした?」
改まってどうしたんだろう…?
毅の次の言葉を待っていると、いきなり後ろから耳を塞がれ毅の声が聞こえなくなった。 同時に毅の目が見開かれ、はぁ、とため息をついているようだった。
後ろを振り返ると、そこに何故かM!LKメンバーが立っている。
💛「…え、なんでここにいるの?みんな、お昼は??」
🩷「……食べに来たんだよ。まさか毅と一緒だとは思わなかったけど。」
💙「吉田さん、一言連絡くれれば良かったのに」
❤️「そーだよ!探してもーたやん!」
太智と舜太に責められ、そういえばさっきも毅に同じようなこと言われたなぁと思い出す。
💛「ってか、昼飯が別々なんてこと普通にあるだろ…」
🤍「けどさ、いつも基本一緒に食べてるんだから。よっしー院内に居ないとかびっくりしちゃうから連絡ちょうだいよ」
💛「…ん?院内に俺がいないこと、知ってたの?」
🩷「んー、まぁね…………GPSでね」
勇斗の言葉が小さくて聞き取りにくかったけど、いま、GPSって聞こえたような…ん?GPS…って、どゆこと?
混乱していると、毅が盛大にため息をつく。
古「ちょっとM!LKの皆さん…過保護通り越してやり過ぎじゃない…?ストーカー手前だよそれ……」
🩷「まぁ、仕方ないんじゃない?こっちも必死なんだわ。こいつ、こんなんだからさ」
古「……まぁ、分からんでもないけど」
チラリと毅がこちらを見てくる。なにかを言いたげな顔をしていたが、タイミングが良いのか悪いのか、注文していたパスタランチが机に届いた。
古「とりあえず、ご飯食べるか」
結局M!LKメンバーも一緒に、6人で昼食を終えた。 勇斗達も毅と顔馴染みということもあり、久々の会話は盛り上がっていたように思う。
古「…と、もうこんな時間か。俺そろそろ戻らないと」
そう言って、毅が席を立つ。 時計を見ると、我々もそろそろ戻らないと午後の診療に向けて準備時間が取れなくなりそうなタイミングだった。
毅との話、楽しかったな… 同じ総合診療内科医として、情報交換したい…
そう思った時には、毅の袖を引っ張っていた。
古「……仁人?」
💛「毅、また会える…?昼飯前に毅が言いそうになってたことも結局聞けず仕舞いだし…」
俯きながら恐る恐る聞くと、ふ、と笑う声が頭上から聞こえた。 頭を上げると、額に毅の唇が触れる。
💛「……つよ、」
古「当たり前じゃん。また連絡する」
呆然としていると、いきなり毅の袖を掴んで居た手が振り落とされた。 同時に、後ろから肩を抱かれ引き寄せられた。
💛「……ッなに、」
❤️「……」
見上げると、舜太が俺を抱えながらものすごい形相で毅を見ている。舜太の後ろには柔太朗と太智も居るが、同じようにその顔は険しい。その様子を見て毅は笑みを深くし、近くに居た勇斗に何やら耳打ちした。
🩷「……分かってるよ」
古「ならいーけど。仁人、またな」
💛「あ、うん…また」
毅が先にカフェを後にする。
残された我々には重々しい空気が漂っている。 勇斗が何を言われたのは分からないが、苛立ちを隠せていない。なにか焦っているようにも見える。何か声をかけようか迷っていると、 肩を抱いていた舜太の力が強くなった。
💛「舜太、痛いって…」
❤️「…ごめん」
舜太と一定の距離を保ちM!LKメンバーを見ると、自分を射抜くような鋭い視線が集まる。
💛「…ッ時間ないし、俺、会計済ませてくるわ」
今まで感じたことの無い、圧倒的な威圧感。ずっと目を合わせていると身動きが取れなくなってしまいそうで、会計を理由にその場から逃げた。
💛(毅、あいつ勇斗に何言ったんだよー……)
せっかく楽しく昼を過ごせられたと思っていたのに… 会計を済ませながら、深い深いため息が漏れた。
🩷 side
古「仁人、勇斗達の気持ちに気付いてないよ?このままだと、誰かに横取りされちゃうかもしれないね…?」
毅に耳打ちされた言葉が脳内で木霊する。そんな事は仁人の態度を見ていれば一目瞭然だ。俺らが今までどんな思いで仁人を守ってきたのか知らないだろ…俺らの仁人に対する独占欲がどれだけ深いか知らないだろ…
仁人が俺ら以外の、誰かのものになる…?そんなこと絶対させないし、絶対に許さない。
🤍「今まで優しくし過ぎたかもね」
💙「吉田さん相手やし、多少強引にいかなきゃいかんかもな」
❤️「今までは俺らが常に隣に居たし、仁ちゃんにちょっかい出す人なんておらんかったけど…最近立て続けで流石に嫌やわ」
🩷「……お前は俺らのものだって、仁人本人に自覚させるしかないか」
会計に逃げる仁人の後ろ姿を見つめる。あの顔がどんな風に変化するのか…何でってまずは驚く?顔を真っ赤にして瞳を潤ませる?…どんな顔して喘ぐ……?
🩷「ははっ……楽しみだなぁ」
自分は今、心底楽しそうな顔をしているに違いない。仁人にしてみたら、少し恐怖を覚えるような……
宙を仰いだ後、いつもの佐 野 勇 斗の顔に戻す。誰にも、この黒い気持ちを悟られないように。
🩷「さて。午後の診療に戻りますか!」
覚悟しておけよ、吉 田 仁 人―――
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古川さんの性格等よく知らずに登場させていますので、言動など間違えていましたら申し訳ありません!꒰ᐡඉ ඉ꒱
コメント
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とても好きなお話だったので♡を1000まで押させて頂きました。 はじめましてなのにすみません🙇♀️

めっっっちゃ良かっです(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ 💛鈍感すぎてもう心配になるレベルですねw王子の独占欲半端なくて最高です!!毅くんも狙ってるんですかね🤔 なんで気づかないのか不思議なレベルですよね?w つぎの話もすごく楽しみにしてます✨️