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「教わったよ、だからちゃんと聞いてたって」
「じゃあ、私どういう話してた?」
「·····まんじゅ」
「はい聞いてなーい! 嘘はダメでしょ!」
まるで幼稚園の先生みたいに、彼女は僕を叱りつける。
男子としては低い僕の身長と、女子としては高い彼女の身長はほぼ同じ。
むしろほんの少し低い視線から叱られるというのはなかなか新鮮だ。
「ごめんごめん、考えごとをしてた」
「ん、考えごと?」
彼女はしかめていた顔を嘘みたいに晴れさせて、興味津々といった様子でこちらを覗き込んできた。
僕は彼女と少し距離をとってから、控え目に頷く。
「そうだよ、ずっとかんがえてたんだ、僕にしては真剣に」
「お! 一体どうしたの?」
「君のことだよ」
僕は立ち止まらず、彼女の方も見ず、ごく普通の会話になるように、劇的な雰囲気になんてならないように気を付けた。
あまり真剣に取られると面倒臭そうだから。
そういう僕の画策も全て飛び越えて、彼女は予想通りの面倒臭いリアクションをとった。
「私? えー、なんだよー、愛の告白ー? きゃー! 緊張しちゃう!」
「·····違うよ。あのさ」
「うん」
「残り少ない命を、図書室の片づけなんかに使っていいの?」
僕の極めて何気ない質問に、彼女は首を傾げた。
「いいに決まってるじゃん」
「決まってはないと思うよ」
「そう? じゃあ他に何をしろって言うの?」
「そりゃあ、初恋の人に会いにいくとか、外国でヒッチハイクして最期の場所を決めるとか、色々やりたいことあるんじゃないの?」
彼女は、今度は反対方向に首を傾げた。
「んー、言いたいことは分かんなくもないけどさ。例えば【秘密を知ってるクラスメイト】くんにも、死ぬまでにやりたいことはあるでしょう?」
「·····なくはない、かな」
「でも今、それをやってないじゃん。私も君も、もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。そういう意味では私も君も変わんないよ。きっと。一日の価値は全部一緒なんだから、何をしたかの差なんかで私の今日の価値は変わらない。私は今日、楽しかったよ」
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