꒷꒦꒷꒦꒷ 瑞希視点 ꒦꒷꒦꒷꒦꒷
待ち合わせ場所のカフェに向かう。
此処のカフェは杏とも前に来たカフェだ。
『……』
謎の緊張感に押し寄せられながら少し待っていると、類が走ってきた。
『あ、類~!』
「お待たせ瑞希…悪いね、少し遅れてしまって…」
『ううん、大丈夫だよ!』
『じゃ、カフェ入ろ~!』
「……嗚呼 」
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2人用のソファ席に腰掛けるとボク達はアイスココアを頼むと他愛も無い話をしていた。
『でね~?この前杏と来てて~』
「フフ、楽しそうだね」
『……うん、良い思い出になったんだ、』
「…そうかい、」
少し空気が重くなるのを晴らすように可愛いカフェの制服を着た店員さんがアイスココアを2つ持ってきた。
【ごゆっくりどうぞ!】
『………ん~、美味しい…』
「だねぇ……」
「……瑞希、」
『…何、?』
少し身構えながら類と見つめ合う。
「……瑞希が書いている日記があるだろう?」
『…ある、けど』
ボクはカバンの中から日記を取り出し、
机の上にそっと置いた。
「……この中身は見ないよ、…瑞希のプライベートの事だからね」
『…そう、』
ホッとするのも束の間、類が口を開いた。
「……単刀直入に言うよ、
…瑞希自信が自分に呪いを掛けているんだよ」
『……え、え…?どういう、事…』
背けたかった単語、呪い
この単語は今のボクにとって最も嫌いな単語だった。
「…瑞希は100日後に自殺する為に、とこの日記を作ったね」
「…だけど次第にそれは呪いになった、」
『……』
「……絶対に死ななくてはならない、と」
『ッ…』
目を背けたかった、そんな言葉は思い出したくないものまで蘇ってくる程に嫌だった。
『……、』
「…瑞希、死にたくなかったら死ななくても良いんだよ?」
類の優しい声は、ボクの心に響く。
『…そんな、……でも、ッ……』
「……無理に死ぬ必要は無いんだよ、」
呪いがスルスルと解けていく感覚がする。
自分自身に掛けた、呪い。
それは楽になる為なら…と初めは自分自身を洗脳させていたけど…。
次第に呪いになっていた。
絶対に死ななくてはならない、と。
『……そう、だよ…』
『…ボクは、自分自身に呪いを掛けたよ…』
「……瑞希、君は今…死にたいかい?」
答えるのを躊躇するような質問。
1番、答えたくない……。
自分でも良く分からなくなってくる。
死とは何か…。
『……ボク、は……………』
呪いがボクを蝕んでいく。
本心はどんどん隠れて嘘に埋もれる。
『ボク、は…………、?』
「……」
『……死にた…、く、…ッ……!』
声を出すのも苦しい。
怖い、怖いよ…。
『ッ、死にたくない……!! 』
いつの間にか席から立ち上がり、目から暖かいものが伝っていた。
初めて言葉にした本心は、ボクが思っていたより勇気のいる物だった。
……でも、
「…瑞希、言ってくれてありがとう」
優しく笑いかけながら類はボクの頭を優しく撫でた。
『……///』
そしてまた、類が口を開いた。
「死にたくないなら、死ななくて良いんだよ」
『……!』
その言葉は、ボクの呪いを解いていた。
56日目
今日は、カフェで類と会ったよ!
……類に、呪いを解いてもらったんだ。
あはは、なんか…スッキリしたかも!
ボク、やっぱり……死にたくないよ
瑞希
コメント
5件
類LOVE!!! 良かった~!!! なにもないって信じる!
よくやってくれたぞ!類!
文字化けせずに言えた…! よかった…あと50日弱、何もないといいけど…