俺たちは死役所に入る。そこは、妙に静かで異様な雰囲気がある場所だった。
死役所の方「皆様、お待ちしておりました。定方と申します。」
定方「それでは、死者登録申請をしてもらいます。」
12人が「死者登録申請…」「なんだそれは…」
子連れ「私とこの子は本当に死んだんでしょうか?」
定方「それも含めた登録申請となっております。では、1人ずつ申請を行うので整理券をお取り下さい。」
そう言われると12人は整理券を取り始めた。
俺と姉は、4番目と、5番目となった。
俺の番になり、定方さんに聞かれる
定方「お名前と生年月日を記入して下さい。」
俺は記入して差し出す
定方「土方タカシさん。今、パソコンでお調べしますね。」
そう言うとカタカタとパソコンで調べているようだった。
定方「土方さん、貴方はまだ亡くなっておりません。まだ、息がある様です。これだと申請が行えません。」
俺「じゃあどうしたら?」
定方「この場合、仮申請となります。」
俺は仮申請に記入した。
定方「では、本日の申請は以上となります。」
俺は申請を終え、姉の申請を待つ事にした。
待合所で待っていると姉が戻ってきた
姉「私まだ死んでないみたい」
俺「ねーちゃん、俺もまだ死んでないみたいだよ」
姉「私たちは、あと1週間で生き返らないと死ぬって事か…」
その時、騒ぐ声が
中年男性「なんでだよ!俺はまだ死にたくない!」
定方「ですから、貴方はもう亡くなっております。」
中年男性「そんなことあるかっ!俺はまだ意識があるし、ケガだってかすり傷だっ!」
待合所で2人は話す
姉「そりゃそうよ。まだ死んだなんて思いたくない。」
俺「その点、俺らはまだ生き返る可能性が残ってる。」
中年男性「もういいっ!申請でも何でも書いてやる!」
中年男性は申請した様で次にさっきの子連れのようだ
その女性は、真摯に定方さんの話す事を聞く。
終わった頃にはうなだれている様に見えた。
残りの8人は受け入れた様だった。
時間が経ち
定方「これで12名の申請が終了致しました。まだ、この国に来られたばかりなので、宿泊所はこちらでご用意致しました。今から地図をお配りしますのでそちらに」
俺たちは死役所を後にする。
つづく。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!