テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「お前がそんな顔するなら、もう離さない」
楽屋の照明が落ちて、残ったのは非常灯の薄青い光だけ。
「…滉斗、まだいるの?」
大森元貴はソファに座ったまま、首を傾げてこちらを見上げてきた。
汗で濡れた前髪が額に張り付いていて、ステージの熱がまだ体に残っているのが分かる。
いつもより少し声が掠れていて、それが妙に色っぽい。
若井滉斗は返事の代わりにドアの鍵をかけた。
カチリ、という小さな音がやけに大きく響く。
「…え、ちょっと待って。鍵?」
元貴が慌てて立ち上がろうとした瞬間、滉斗は長い足で一歩踏み込んで、
その細い体をソファに押し戻した。
「逃げんなよ、元貴」
低い声で囁くと、元貴の耳がぴくりと動いた。
「逃げてねーし…ただ、みんな帰ったかなって…」
「帰ったよ。もう誰も来ない」
滉斗は元貴の顎を軽くつかんで顔を上げさせる。
ステージメイクが少し落ちて、素の肌が覗いている。
いつもより無防備でいつもより柔らかそうで。
「…お前、今日のライブ中ずっと俺のこと見てたよね」
「見てたって…当たり前じゃん。同じステージにいるんだから」
「違う」
滉斗は親指で元貴の唇をなぞった。
「俺のこと、ちゃんと『男』として見てた」
元貴の瞳が一瞬大きく見開かれる。
「…は? 何それ」
「とぼけんな」
滉斗は膝で元貴の脚の間に入り込み、逃げられないように体重をかけた。
元貴の息が少し乱れるのが分かる。
「俺がギター弾いてる時、お前ずっと俺の指見てた。
喉仏動かしてる時も、汗が首筋流れてる時も。
全部見てたよね?」
「…見てたって、別に…」
「じゃあ今度は俺が見ていい?」
滉斗は元貴のシャツのボタンを一つ外した。
鎖骨があらわになる。
まだ熱を持った肌に指を這わせると、元貴が小さく震えた。
「や…滉斗、待っ——」
「嫌なら本気で抵抗しろよ」
そう言って滉斗は元貴の耳たぶを軽く噛んだ。
元貴の体がびくんと跳ねる。
「んっ…!」
「ほら。こういう声、出せるんだ」
滉斗は笑みを深くして、元貴の首筋に唇を這わせた。
汗と香水と、元貴そのものの匂いが混じり合って、頭がクラクラする。
「…お前さ、俺のことずっと独り占めしたいって顔してるよな」
元貴が目を逸らそうとするのを、滉斗は顎を掴んで無理やり自分の方に向けさせた。
「いいよ。独り占めしてやる」
シャツを全部はだけさせて、滉斗は元貴の胸に舌を這わせた。
小さな喘ぎが漏れるたびに、滉斗の理性がどんどん削られていく。
「滉斗…っ、だめ、こんなとこで…」
「だめって言うわりには、腰が動いてるけど?」
滉斗は元貴のベルトを外し、ズボンの上からゆっくりと撫で上げた。
元貴が喉の奥でくぐもった声を上げる。
「…意地悪」
「意地悪なのはお前だろ」
滉斗は元貴の耳元で囁いた。
「俺のことこんなに濡らしておいて、知らないふりしてたんだから」
元貴の頬が真っ赤に染まる。
「…バカ」
「うん。バカでいい」
滉斗は元貴の唇を塞いだ。
最初は軽く触れるだけだったキスが、すぐに深く、貪るようなものに変わる。
元貴の手が滉斗の背中に回って、ぎゅっとシャツを掴んだ。
その瞬間、滉斗の中で何かが完全に切れた。
「…もう我慢しないから」
滉斗は元貴をソファに押し倒し、
自分の欲望を隠さず、真正面から元貴を見つめた。
「お前は今日から、俺だけのもの」
元貴は潤んだ瞳で滉斗を見上げて、
小さく、震える声で呟いた。
「………わかった」
その一言で、滉斗の夜は始まった。
めちゃくちゃ長いです…!すみません!