テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『episodes3 異常事態』
【病院 A棟】
病院は四つの棟から成っていて、俺たちはA棟に来ていた
大きな窓の外にはハリボテのような白いビルが地平線の向こうまで続いている
伏「…なーんか、人が俺たちしかいないって寂しいっすね」
茅「まぁな」
伏「…」
茅「…」
無言のまま歩き続ける
手術室、病室、医者が集まるオフィス。
四階から順に見ていき 最後に一階の受付に辿り着いた
茅「ふぅ…A棟はこれで全部見終わったか?」
伏「そうっすね!次はB棟っす!」
茅「一棟だけで2時間弱もかかったのに…もう一棟あるのか」
伏「ちょっと休憩してくっすか?」
茅「そうしよう」
俺たちは受付にある硬くも柔らかくもないソファーに腰を下ろした
茅「…これからどうなるんだろ」
伏「何がっすか?」
茅「ほら、こんな異世界の病院に閉じ込められて、いつ帰れるかわからない」
茅「結構絶望だろ」
伏「…意外とそんなことないっすよ、俺は元々いた世界よりマシだと思ってるっす」
伏「俺、ずっと学校行けてなかったんすよ」
茅「そうなのか?」
伏「俺バカだから、学校の勉強についていけなくて」
伏「最初は追いつくために死ぬ気でやってたんすけど、ある時気づいちゃったんすよね」
伏「あ、これ無理だ。って」
茅「…」
伏「そっから家にこもってゲーム三昧、ほんとに俺ってバカっすよね」
茅「…伏見はバカじゃない」
伏「バカっすよ」
茅「確かにバカかもしれない。だけど…バカじゃない」
伏「どういうことっすか…」
伏見は軽く笑う、優しい笑い方だ
伏「…ありがとうっす、カナメ」
茅「特になんもしてないけどな」
伏「騙されてくれて。」
その瞬間、伏見の背中から大量の触手が出てきて俺を覆った
茅「…!?伏見!?」
そして触手は俺の右手に絡まり、手を引きちぎった
茅「…っ!」
伏「やっぱり男の肉はうまいっすね…はは…」
そして地獄が始まった
腕を捥がれ、足を切られ、大腸を抉り、目を掻き出し、血を吸い…
伏「ありがとう、カナメ」
伏「おいしくいただいたよ」
『end 獲物と捕食者』
×『ちょっと待った!これで終わっちゃっていいの!?』
茅「…」
×『起きろよ!ご主人様!』
茅「………誰?」
×『茅蜩カナメ様専属の奴隷でーす』
奴隷…
茅「ていうか…俺死んだはずだよな…」
×『うん、死んだよ。伏見ライに捕食されて』
茅「…じゃあなんで…」
×『な、な、なんと!俺は優しいからご主人様にチャンスを与えちゃいまーす!』
茅「チャンス?」
×『そう!俺の能力である巻き戻し、これを使って時を戻し、死亡エンドを
避けてもう一度病院からの脱出を目指せるチャンス』
茅「時を戻すことなんてできるのか?」
×『勿論!さぁ、時を戻そう!』
本当に急だな
茅「えっ、あっ…なんかよくわからんけどありがとう」
×『…いいよ』
謎の男は優しく微笑んだ
そして俺の体は崩れ始めた
×『あっ、そうだ。この能力の弱点っていうか注意なんだけど』
×『時を戻すと、前起こったことと違うことが起きるかもだから』
×『気をつけて行ってきてね。ダーリン。』
【???】
猫「ねぇ、おーい!」
伏「どうしたんすかね、ぼーっとして」
ル「僕の素晴らしき宗教勧誘に心奪われたんじゃないの?」
猫「いや違うでしょ」
あぁ…本当に戻ってきたのか
猫柳ユウに、ルカ、それに…伏見ライ。
変わらない顔ぶれの中に、異物が混ざっていた
?「やはり、妾の美しさに心奪われたんじゃな」
茅「…………は?」
誰だ…?こいつは…
再生まで、あと7日
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!