コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
rzliですっ.ᐟ.ᐟどうぞ.ᐟ.ᐟ
『言わないで、よかったのかな』
卒業式の日、教室にはもう誰もいない。
全員がいなくなったあとの黒板には、クラスの誰かが書いた「卒業おめでとう」の文字がまだ残ってた。
なのに、俺の目はそこを見ていなくて、
ただ、隣の席を見てた。
もういない、らいとの席を。
rz ……転校?
li ん、急にな。びっくりしたっちゃけど…もう決まっとるけん
いつもより少しだけ真面目な顔で、
でも笑ってるみたいに話す、らいとの声。
li あのさ、ロゼ……俺、最後にちゃんと言っとこう思って
rz うん…
俺の心臓が、少しだけ速くなる。
もしかして、って思ったんだ。
言ってほしい言葉が、今この瞬間、聞けるかもしれないって。
でも。
li …やっぱ、いいや
らいとは、少しだけ目を伏せて、にこっと笑った。
li 俺、なに言うても泣きそうやけん…言わん、
rz …そっか
li ロゼ、優しかけんさ、俺のこと、ちゃんと覚えとってくれるっちゃろ?
rz …当たり前だろ
そしたららいとは、「ふふ、やっぱロゼってすごかね〜」なんて言って、
いつもの声で、俺にバイバイをした。
あれが、最後だった。
手紙は机の中にあった。
白い紙に、少し丸い字で書いてある。
ロゼへ
もうすぐ春やね。桜、ロゼと一緒に見れたらよかったなー!
俺、ばりばり泣き虫やけん、言葉にしたらたぶん止まらんくなるけんこれで我慢するね、
ロゼのこと、めっちゃすきやったよ!
いや、いまも、か。
じゃあね。ロゼが元気でおるなら、それで十分やで!
読み終わったあと、手紙を胸に抱きしめた。
ほんとは聞きたかった。
「すき」って、本人の声で。
でも言えなかった気持ちも、らいとらしくて、俺はなんも言えなくなってしまった。
窓の外では、春の風がカーテンを揺らしてる。
俺は今でも、らいとの声を探してしまう。
rz …言わんで、よかったのかな…なあ、らいと
ふたりの時間は、きっとあの春で止まったまんま。
それでも、好きって気持ちは、まだちゃんとここにある。
終わり.ᐟ.ᐟ.ᐟ
エセ博多弁ですみません💦🙇♀️
リクエストとかあったらコメント欄にお願いします.ᐟ.ᐟ.ᐟ