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黒川イザナの妹
◯黒川アリア
イザナの五つ下、 褐色肌、青紫の目、白髪
イザナとは全血兄弟
見た目や名前のせいで虐められていた
そのため人と話すことが苦手
◯黒川イザナ
アリアの兄、アリアのことは溺愛
アリアが傷ついてほしくないから周りのことは何でもやってしまう
アリアが虐められていたときに守っていた
◯鶴蝶
アリア、イザナと同じ施設で育った
2人と「オレらの国」を作ることを約束した
◯アリアと佐野兄弟の関係
真一郎→施設に尋ねてきた人。遊びに誘われたが断っていた。お兄ちゃんが心酔していた
万次郎→出会ったことがない。お兄ちゃんが狂った原因
エマ→昔、一緒に住んでたが小さい頃だったため覚えていない
※3人のことは知っているが血が繋がっていないことは知らない
本編スタート
———————————————
お兄ちゃんが暴走族チーム・天竺を作った
理由は佐野万次郎を倒すためと聞いた
その人は私の兄でお兄ちゃんが狂った原因
そして今、兄達は佐野万次郎率いる東京卍會に勝利をする為、渋谷に行き主力メンバーを襲撃しにいっている
———————————————
(お兄ちゃんもカクちゃんもいない)
(何しようかな…)
私はいつも一緒の兄達が不在で適当に横浜の街をぶらぶらとしていた
何か役に立ちたいと思っても喧嘩ができない為兄達を見守ることしかできない。寂しい。私も喧嘩ができたらな…
そう思いながら特に行く当てもなくただ下を見て歩いている
そんなとき誰かと肩をぶつけてしまった
「あ”っ?何だクソ餓鬼?」
『ご、ごめんなさい』
「声が小さくて聞こえねーよっ!」
運が悪く不良の肩にぶつかってしまった
どうすればいいのか分からず震えることしかできなかった
「てめー謝罪もなしかよ?!」
『ご、ごめんな…』
「だから!聞こえねぇーよっ!」
怖い、昔虐められていたときの記憶が蘇る
あのときはお兄ちゃんが助けてくれた
でも今はいない、どうしよう…
「オラっ!」
誰かが目の前にいた不良を蹴って倒してくれた。驚いて前を見てみると目の前には「東京卍會」の特攻服を着ている人が4人いた
「大丈夫!?」
『え、えっと…』
上手く会話ができない。せっかく助けてくれたのに感謝すらもできない。そんな自分が悲しく涙が溢れた
「え、なんで泣いてんだ!?タケミッチお前泣かせたのか!?」
「俺は何もしてないって!」
『あ、あ、ご、ごめんなさい』
金髪のリーゼントの子が疑いをかけられているが私は謝ることしかできない。
すると不良を蹴ってくれたピンクのパーマの笑顔の子と水色のパーマで怒っている子が話しかけてきた
「大丈夫?もし何処か痛いところがあったら病院行ってね」
「横浜は最近、天竺って言う組織ができて不良達の血気が盛んになってるから気をつけろよ」
『あ、ありがとうございます….』
ようやく言えた感謝の言葉。そんなときとあることが私の脳をよぎった。
【この人達に東京卍會のこと聞いてみる?】
聞いても些細なことしか分からないがもしかしたら何か役に立つ情報を入手することができるかもしれない
でもこの人達は私を助けてくれた
私は兄か恩人かの選択を迫られた
私は考えた結果「兄」を優先することにした
『あ、あの…』
自分から人に話しかけるのはとても緊張し声が震えた
「どうした?何か用か?」
金髪の子が優しく答えてくれた
『皆さん、東京卍會、人、達、、、』
「そうだぜ。俺は肆番隊隊長のスマイリー、こっちは副隊長のアングリーな」
「俺は松野千冬、こっちは花垣武道な」
自己紹介をされた。私もお兄ちゃんの為だと頑張った
『ア、アリア、、』
「アリアちゃんよろしくね!」
「アリアちゃんは俺達に何か用?」
『え、えっと…』
言葉が上手く紡げない。焦ってしまう
「なんか話したいことがあるけど緊張して話せないのか?」
『!(頷く)』
「ふーん、それって今じゃないといけないやつ?」
『ち、違う』
「じゃあこれから横浜観光行こーぜ?」
驚いた。しかも私だけでなく他の3人も驚いていた
「スマイリー君、すごいこと言うっすね…」
「聞きたいことあんのに上手く話せないなら話せる状況作ってあげた方がいいと思ってよぉ」
スマイリーさんは私なんかの話を聞く為に遊びに誘ってくれた
「で?行くの?」
チャンスは今しかないと思い頷いた
「しゃあ、なら後ろ乗れ!あ、おめーらは強制な!」
「相変わらず、やべーな」
こうして私は東京卍會の人達と遊びに行くことになった
中華街や赤レンガ倉庫、大桟橋などに行き、食べ歩きしたり観光を楽しんだりした。見慣れた風景だがどこかいつも雰囲気が違った気がした
「そろそろ話せるようになった?アリアちゃん」
『あ…』
確かにさっきよりから緊張はないが難しい
「難しい?大丈夫?ゆっくりでいいよ」
『…..』
こんなに優しくしてくれたのにその期待にも答えられない
「無理そうだな…」
「しゃーねな。話せるようになったら渋谷の武蔵神社来いよ。」
『え…?』
「俺ら東京卍會の溜まり場だよ」
「トーマンについて聞きたいならそこに行けば大体誰かいるから」
『…あ、はい』
「それじゃあそろそろ俺達帰るね」
そう言ってバイクに乗り帰っていった
私は泣いてしまった。あの人達が頑張ってくれた努力を水の泡にしたこと、お兄ちゃんの為に何もできないことを再認識したことに
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『ただ、いま』
「おかえりアリア、飯作ったから手洗って」
『(頷く)』
私は家でもお兄ちゃんに甘えてる。家事をやるのはお兄ちゃん。お風呂に一緒に入って身体を洗うのもドライヤーするのもお兄ちゃん。一緒のベッドで寝かしつけてくれるのもお兄ちゃん。
『(お兄ちゃんの為にどうすればいいんだろう)』
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翌日、お兄ちゃんは天竺の集会に行っている
もう夜なのでお兄ちゃんが作ったご飯を食べてお兄ちゃんを待っている
『(暇だな….)』
そう思い部屋を見回してみるととあるものに目が止まった
それは昨日お兄ちゃんが時間をかけて作っていた資料だ。確かこれを今日の集会で使うと言っていた。
『(お兄ちゃん困ってるかな…届けてあげようかな…)』
お兄ちゃんの為のことが昨日失敗し何もできないと泣いたことを思い出し一瞬躊躇ったがお兄ちゃんの為に何かしたいという思いが勝ち靴を履き資料を持って家をでた
集会所は徒歩10分程度
携帯で道のりを確認しながら進んでいく
『(着いた….)』
扉を開けると不良の人達がたくさんいた
そして1番前にお兄ちゃんがいた。ただ何か困っている様子だった。
『(きっとこれだ….!)』
もう少し周りを見るとカクちゃんがいた。お兄ちゃんより近い位置にいる。
『(カクちゃんのところに行こう)』
勇気を出して一歩一歩と歩いていった。
もう少しで着くというところで誰かに話しかけられた
「あれぇ?女の子1人で何してんの?」
声が聞こえた方を見ると三つ編みをした人がこちらを見ていた
「ねぇ、ここ何処か知ってる?」
「何やってんだ?蘭、って女?お前のか?」
「ちげーよモッチー、そこの扉から入ってきた」
話しかけてきた人の圧が怖くて泣きそうになりその人達から逃げるように前も見ずに走ってしまった
すると誰かにぶつかりここへ来たことを後悔した
『(やっぱり、私なんか役に立たないんだ)』
ぶつかった人からきっと殴られる。そう思い身体を強張らせていたら聞き慣れた声が聞こえた
「アリア?なんでここにいるんだ?」
カクちゃんだ
幼い頃から同じ施設で暮らしてきたお兄ちゃん以外で唯一安心できる人
『…お兄ちゃん、忘れ物』
「それ!イザナのじゃねぇか。届ける為にきてくれたのか?」
『(頷く)』
カクちゃんに話しかけられたことで涙が溢れてきた
「どうしたんだ?アリア?」
『(蘭とモッチーの方へ指を指す)』
「あいつらに何かされたのか?」
『(首を振る)』
「そうか、おい蘭、モッチー、アリアに何した?」
そうしてカクちゃんとさっきの人達が話していると
「「妹!!??」」
大きな声が鳴り響いた
その所為かここいる全員がこちらを振り向いた。もちろんお兄ちゃんも
「アリア!?なんでここにいる!?」
お兄ちゃんが駆け寄ってきた
『…これ』
「!…それ、届けてくれたのか?」
『(頷く)』
「ありがとな」
初めてお兄ちゃんの役に立てた
今まで全てお兄ちゃんにやって貰ってきた。だけど今回は1人でお兄ちゃんの為にできた。その事実がとても嬉しい
「集会が終わるまで鶴蝶と待っておいてくれ」
『(頷く)』
お兄ちゃんは私から資料を受け取り私の頭を撫でて元いた場所へ戻っていった
「アリア、帰る前にいいか?」
『?(頷く)』
そう言われてお兄ちゃんに抱き上げられ大きな男の人達がいる方へお兄ちゃんに連れていかれた
「こいつらが天竺の幹部、左からムーチョ、獅音、九井、稀咲、半間、モッチー、蘭、竜胆な」
『(頷く)』
「大将様にもう1人妹がいるなんて初耳だな」
「てめぇーらに言う必要はねぇからな」
「鶴蝶、俺らは帰るから蘭とモッチーにパンチ入れとけ」
「ああ?蘭はまだしも俺は関係ねぇだろ!」
「大将ひっど〜い」
「うるせぇ」
そう言って私とお兄ちゃんは集会所から家へと向かった