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今日はねーリュカ、私のお友達で、
リュカのごはんを作ってくれてるマカロン
ちゃんのお話だよー。
でもヤッホーちゃんはすぐに話を盛るからなー。
話半分くらいに聞いてね、リュカ。
むかーしむかし、あるところに、
ティーパーティー王国という紅茶とやばい草
とパンジャンドラムが大好きな国がありました。
マカロンちゃんのお母さんの、小さくてとてもきれいな蝶々は、ひらひらと、ティーパーティ王国のお城の、紅茶と、やばい草を保管する倉庫にタマゴをうみました。
蝶々さんは、普通タマゴをたくさん産むんだけど、その蝶々さんが産んだタマゴは1個
だけでした。蝶々さんはタマゴを産むと
力尽きて死んでしまいました。
そのタマゴから生まれた小さくてかわいい
芋虫が、後の、マカロンちゃんだったのです。
…….そうだよね、リュカ。絶対嘘だよね
このお話。
続けるよー。
マカロンちゃんは生まれてすぐに葉っぱを
もぐもぐしました。
もぐもぐ、もぐもぐ、
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ
気づくと、その倉庫の大事な紅茶の葉っぱや
やばい草は一瞬でなくなってしまいました。
そして、マカロンちゃんはポカンッと
かわいい人間の女の子のような姿になったのです。
倉庫の管理をしていた番人は、空っぽになった倉庫と、あどけない顔でこちらをきょとん
とした顔で見つめるマカロンを見つけ
ものっすごく頭を抱えました。
(オイオイオイ死んだわ俺どーすんだよこれ
どーすんだよぉ。何?この子がやったんかぁ。えーーーー。終わったぁ………。)
番人は少し悩んで、マカロンちゃんをひょいっと抱えました。
「逃げな、嬢ちゃん。ここにいたらお前も
殺されちまう。………お前はとんでもねー
化けもんだが、まだちいさい女の子だ。
言葉がわかるなら、おそろし山に行け。
おそろし山には精霊のヤッホー様という
はちゃめちゃにすごい方がいる。
ヤッホー様ならお前みたいな化けもんでも
なんとかしてくれんだろ。」
そう言って男はマカロンちゃんのおでこに
指をあて、魔法でおそろし山への行き方を
教えてあげました。
マカロンちゃんはまだ言葉を話せません。
なのでマカロンちゃんは男のおでこに
カプッとキスをしました。
「……へっ、どうせなら、最後のキスは
美少女がよかったなぁ…..。」
マカロンちゃんを逃がしたハンサムという
番人は、その後、火炙りによって処刑されました。
マカロンちゃんは道草をもぐもぐしながら
おそろし山を目指しました。
マカロンちゃんの通った道は、まるで
除草剤をかけたかのように、木々がきれい
さっぱりなくなりました。
何度かマカロンちゃんを捕まえようとする
人や魔物がいましたが、マカロンちゃんは
ちょっと引いちゃうくらいすばしっこかったので誰もマカロンちゃんを捕らえられませんでした。
マカロンちゃん、とうとうおそろし山に
やってきました。
そこはおそろし山の、屈強なるもの達の森という。おそろし山の関所のようなところでした。
おしゃべりができるようになったマカロンちゃんは言いました。
「ごちそうがいっぱい。」
それは、この世の地獄でした。
マカロンちゃんによって次々と食べられていく魔物、魔物、魔物、魔物達の群れ。
当然ヤッホーちゃんや、そのときからいた
フージャも、マカロンちゃんを倒すために
たくさんの攻撃をしました。
しかしマカロンちゃんはあまりにも
素早すぎたため、攻撃がまるで当たりません。
気づくと、屈強なるもの達の森の魔物達は
皆マカロンちゃんに食べられ
今ではかよわきもの達の森という
ちいさくてかわいい植物系の魔物たちが
のびのびひなたぼっこできる場所となった
のです。
そこにあらわれたのが、さっきまで昼寝をしていた魔王バルザルド様でした。
「おっそいわよこのバカ!!!」
ヤッホーちゃんは本気で怒りました。
バルザルド様はヤッホーちゃんにしばかれながらマカロンを分析しました。
「はえー、見たことのない魔物と魔法だねー。《加速》魔法を複雑に組み合わせた
生物兵器ってところかなー?
おや、おなかがすいてるのかい?
ちょっとまってて。」
バルザルド様は魔法でクッキーの雨をふらせました。
マカロンちゃんは目を輝かせてクッキーを
おなかいっぱい食べました。
バルザルド様は魔法で滝のような紅茶の雨を
降らせました。
マカロンちゃんは目を輝かせて紅茶をごくごくしました。
すっかりおなかいっぱいになったマカロンちゃん。
すやすやねむってしまいました。
「……で、どうすんのよ。これ?」
ヤッホーちゃんは頭を抱えていいました。
「動かない内に抹殺したほうがいいんじゃねぇですかぃ?」
フージャは細菌達に準備をさせながらいいました。
「面白そうだから育てる。」
「「はぁ!!!!!!?????????」」
二人は息をあわせて言いました。
「あーへーきへーき、《減速》魔法をめちゃくちゃかけたから、それでもボクよりちょっと素早いくらいだけどね。」
けろっとした顔でバルザルド様は言いました。
あの人は昔から変わらないみたいですね。
こうして、マカロンちゃんはおそろし山の皆に育てられ、料理長、メェープルマカロンと
なったのでした。
おしまい。
おやすみ、リュカ。