私は呪われている、幾つもの力を持ち「憑依」……つまり、霊を取り憑かせることが出来る、言ってしまえば「イタコ」である
どれだけ強い霊でも私はその霊に耐えられる気力が十分ある
まぁ、霊と話すなんて事は私は出来ないけど、せいぜい持って私が出来るのは霊を憑依させる事しか出来ない
御琴)……まどか、私歩けるし平気なんだけど
まどか)うるさい、黙って抱かれてて
御琴)うぅ〜……
「呪われている」そう言い始めたのは私の親からだ
見た目の所為もある、私の見た目は体に「桜模様の痣」が濃く刻まれている、それが生まれた時からだ
そして、それは段々と全身を貪り始めた
死ぬ様子はなく逆に長く生きている……気がする
御琴)…まどか、なんで私に親しくする……まぁ、他の奴らもそうだが…呪われている私になぜ親しくする、実際の年齢は身体の年齢より老けているぞ
まどか)??
まどかは何故か不思議そうな顔をして私を降ろした
御琴)え、な、なに……
まどか)なんで、なんて今聞くの?
御琴)??いや、ずっと気になってたわ
まどかはしばらく悩んだ後「好きだから?」と
御琴)はぇ〜…ご立派な頭…色んな意味で
まどか)それどーゆー意味?
御琴)知らね
クルッと後ろを向き粉々にされた建物を次々と直していく
まどかはしばらく黙っていたが「本当……」と呟いた
御琴)??
まどかは真剣な目でこちらを見て「本当なの!好きなのは本当!僕以外にもアイツらも!御琴は好かれてるの!」と必死に伝えて来た
御琴)つったってなぁ、あたしは呪われた女だ、抱こうものなら醜い痣が全身びっしりだぞ笑
服を軽く捲り上げ「これでもあたしを抱こうってか?笑」と聞けば「出来る」と真顔で返事を返してきた
御琴)ふーん?あんたは、ね笑ほんと、物好きのヤベー奴笑
建物を全て直したあと私は事務所に向かって歩き始めた
まどか)……嘘じゃないよ…本当だよ……凄い大切だもん…だって「愛してる」から
次に起きた時は全身が焼けるように痛みを感じ始めた
御琴)い”ッ”……あ”ぁ”ッ!!!(な、なにこれッ…ばかいてぇ”っ!)
全身から血みたいな赤黒い液体が流れ始め液体はベッドシーツに染み込んだ
御琴)んぁ”ぁ”ッ!い”ぅ”ッ…あ”ぁ”ッ!
しばらくもがき苦しんだ後痛みはスッ…と消え全身から流れていた赤黒い液体は消え去った
御琴)はぁ……はぁ…はぁ……(な、なに…これ……)
しばらく落ち着いたあとコーヒーを飲み更に落ち着いた後私は下着を全て脱ぎ鏡の前に立った
御琴)な、なにこれ…(凄い痣が濃くなってる……と、言うか…アッツアツの罪人の刻印を刻み込まれたみたいに少し凹んでる…?)
御琴)クッソ…んなのなかったぞチクショウ…
服を着直し残っている書類を整理した後食材を買いに行こうと外に出る
御琴)(治る……訳ねぇよな、これ…だいぶ深く刻み込まれてる感じだけど…)
腕に刻まれている痣に触れるとやはり痣の部分が凹んでいる
昨日までは……いや、起きる前間では絶対にこうじゃなかった、凹んでなかった
御琴)うーん…(見た目は…さらにグロいし包帯巻くかァ…)
食材(追加包帯)を買いに少し足早に向かう
買い物後
御琴)うーんと…これくらいか……
食材を買ったあと私は事務所に向かおうとしたら誰かに手を握られ後ろを振り向くと焦った顔をしている健三が居た
御琴)ど、どーしたの?健三……えっと…ここら辺だっけ……?
健三)か、体の痣!一体どうしたのですか!
御琴)へ?ちょっ……
腕を捲られ素肌を晒すと健三は更に顔を真っ青にした
御琴)べ、別に平気だよ?ほら、治るよ何時か
健三)あなた、知り合ったばかりもそう言ってましたよね?でも一向に治らないじゃないですか!何なら悪化してますよね!
健三に腕を引っ張られながらスワロウテイルの事務所に連れて行かれた
御琴)ちょ、ちょっと!私は別に平気だから!痛くも無いし!
健三)ダメです!こんなの見せられて平気な男性なんて居ません!
御琴)そ、そう言われたって……
スワロウテイル事務所
御琴)うにゃぁ!?
健三に少し乱暴にベッドに投げ込まれ「お前_!」と言い返そうとしたら押し倒され着ていた上の服を全て脱がされた
御琴)健三!
健三)大人しくしてください、どこに痣があるのか確認します、この痣さえ無ければ貴方はもっと美しいんですから
ズボンも脱がされ健三は痣を指で撫でて来た
御琴)うにゅぅ……もうイイ?確認出来たでしょ
健三)次は後ろです、うつ伏せになって下さい
御琴)は、はいはい……
うつ伏せになると健三は痣を確認してきた
健三)……枝…花、葉……植物とおなじならば「根」もある筈です、根さえ取り除ければ痣は無くなりますかね
御琴)根…?私が見たのは花の部分しか……
健三)背中の方には枝も葉もあります、前と後ろで痣の出方が違うのは多分ですけど「寝床」を騙す為ですかね
御琴)寝床って…
健三)さて、根の場所を探さなければ
健三は体をベタベタと触りながら「根」の場所を探し始めた
皮膚を押すように触ったり撫でて触ったり…根の場所を徹底的に探して来た
健三)あれぇ…無いですね……誠一くんなら分かりそうですかね…
御琴)分かっても治し方が分からなかったら無理じゃん
健三)それもそうですね…どうしましょうか
服を着て寝室から出るとまどかと誠一が怖い顔をしていた
御琴)あれ、まどかに誠一じゃん!お前らどーしたんだよそんな怖い顔して
まどか)健三と何してたの、御琴
御琴)ん?痣の確認してもらってた、痣がなんか深く刻み込まれてね、そうだ!誠一に話そうよ!
誠一)痣……?あ〜、桜模様のか、昨日までは普通やったんやろ?恵美
まどか)うん、普通だった……深く刻み込まれたって事は…触るよ
まどかに腕を出すとまどかは腕を触って「確かに…」と呟いた
まどか)健三は後で説教、僕の御琴に勝手に触って裸を勝手に見たんだ
健三)はーい
まどかと誠一に連れて行かれスワロウテイルのリビングに連れて行かれソファに座り今日の朝あったことを話た
健三)痣から赤黒い液体…もしかしたらだけど血やな、健三曰く「根があるかも」って言ってたけどそれは多分やけど本当かもな
まどか)桜模様が全身を覆ってる…御琴を護るみたいだね
御琴)護る…?私を?
まどか)そう、御琴は何年に生まれた?
御琴)えっと…○○○○年だけど?
まどか)実年齢に合わないその若さ…多分だけど桜模様は御琴を「気に入ってる」んだろうね
御琴)気に入ってる…?
まどか)そう、御琴が生まれたその年ならよく聞く「妖怪」とか「妖」とかが蔓延っている時代だ、その痣を消して御琴が平気かどうかは保証出来ないけど体の痣を消す方法は一応だけどわかった
御琴)ふむ…陰陽師の所に行けば妖云々は確かに祓えるかもね……私は憑依しか出来ないし元の……(元…?)あ、分かったかも
誠一)??どないしたんや?
御琴)いや、もしかしたら私の「種族」に関係するかも
魔法陣から古く重い書籍を取り出し幾つかページを捲りとある一文を見つける
御琴)……(ヤッパリ……)
私が「呪われている」と言われているのは実はもうひとつある、痣に加え私の「目には見えない種族」のせいでもある
出そうと思えば出せる「種族」私は妖狐だ
御琴)…痣の消し方は……
妖狐は九尾と人の子との間に生まれる……私の父は既に殺された「妖狐を作った呪われた九尾」と言われて
九尾は……私の父は祀られていた…言ってしまえば神だった、その神は「邪神」として人々に……村の人に葬られた
そして、この痣は……「私の父」が着けたものだ…いや、多分……「父そのもの」だ
御琴)…そういう事か…私は神に呪われていたんだ…
父は一種の遊びだと思って母と体を重ねた、でも……その1回で私ができてしまった、そして父は「邪神」として殺された
父は結構いい神様として話を聞いていたから私が出来たことで殺されて…私を「死よりも恐ろしい呪い」を掛けたのだろう…
まどか)何か分かったの?
御琴)そーね、簡潔に言えばこの痣は父が着けたものだ
まどか)え…?
御琴)私の種族は「妖狐」九尾と人との間に生まれた種族、九尾ってのは聞いた事があるよね、私が育った村ではある神社があってね、その神社に九尾が祀られていたんだ、その九尾が私の父…でも、その村では人と妖の間では子を作ってはならないってしきたりがあったんだ
まどか)ふむ…父は九尾の神、母は一般人……そのしきたりを超えてしまってできたのが君、御琴か
御琴)そう、しきたりを超えてしまったものは妖、人、そして人と妖の間に生まれた子は確実に殺すのが落とし前なんだけど…母は何とか私を守った……でも父は…殺された、神は神社を……社を壊されてしまえば存在価値は無い…社を壊されても信仰心があれば多少はましなんだけど…信仰心も皆無に等しく地に落ちた……こうして父は「邪神」とかし「堕ちた神」として「神祓い」を行われ父は散った
まどか)ふむ…それで「邪神」の邪の部分が君にこびり付いて「痣」として発現し君を苦しめた……と
御琴)そう、簡潔に言えばね
しばらく黙ったあと健三が口を開いた「桜模様なのは…多分やけど御琴の母親と父親にとっては思い出の花やったんやろうな」と呟いた
御琴)……だろうね(私は…2人の思い出を消そうと…)
まどか)御琴、痣を消さなきゃ安息は無い、それに平穏もない、辛いかもしれないけど消さなきゃダメだよ
まどかは真剣な目で見詰めてきた
正直迷っている、消さなきゃダメなのはよくわかっている
御琴)……分かってる、神祓いも正直大変なのはわかってる、それでも祓わなきゃいけないのは……
正直凄い迷っている
父が……呪いでも私に残した言ってしまえば形見みたいなもの、でも安息は無い、何がなんでこうなるのかがわかんないし……
御琴)……はぁ〜…あ”ーくっそ、めんどくせぇ呪いだ……笑
ソファから立ち上がり「死んだら少し遠いけど3県離れた○○山の廃村に行きな、そこに私の父の墓がある……大々的に祀られているからすぐにわかるよ」とだけ伝えて私はスワロウテイルの事務所から離れた
自分の事務所
御琴)……「神祓い」
札を4枚取り出すと札は私を囲うように四方に貼られ結界が張られた
御琴)「神の命よ我が身から離れその命を尊き場所へ戻り給え」
何回かそう唱えれば桜模様の痣は痛みを増していくが徐々に痛みの範囲が小さくなっていくのが分かっていく
痛いがその分父の邪を感じながら……苦しみを、父の苦しみの部分に隠された善を感じながら…じわじわと痣を消していく
半日後
御琴)はぁ”…あ”……う”ッ…(や、べ…)
終わった頃には私は全身ボロボロで意識もほぼ無い状態だった、でも……ある一心で「父が今も生きていたら…父は優しかった」そう思いながら自分の身にこびりついた父の苦しみを解いていった
御琴)スゥ…スゥ…
気付けば私は気絶する様に眠って居た
それを気付いたのは家に「勝手」に入った誠一に言われた
そして、誠一に救急車を呼ばれ私は病院に搬送された
寝ていただけなのに私は少し大きめに病院内で騒がれた
まぁ、全身がボロボロで血だらけだからね、多量出血で下手したら死んでたからね
今は普通に元気なんだけど…強いて言えば全身が痛い……とてつもなく痛い、とにかく痛い、なんなら痛すぎて飯食えねぇし……おかげでガリガリに痩せた、あと更に普通に生きてるのにもびっくりである
御琴)はぁ〜…(全身が普通に痛い……)
全身の痛みは痣のあった場所から血が吹き出していたのが原因である…そして、その痛みが腹の底から来るってことは痣は体内にまで侵入していたんだろう…
御琴)いたた…(早く仕事しなきゃ行けねぇのに…)
満足にリハビリも行えない程の痛み……運動不足真っ盛り
見舞いに来るまどか達は結構な頻度で来るが…なんにも出来ない私にとっちゃ多少の暇潰しになる
御琴)早く治んないかなぁ…
暇つぶしよりも私が先に願うのは「早く治ること」ただそれだけだ
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