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今日もらっだぁ先輩に会えるかなと高鳴る鼓動を抑えながら図書室に向かう。
もう図書委員の仕事はないのだが、彼に会える可能性がある限りは足を運びたい。どうせ教室にいても近くの友人と少し話をしながらご飯を食べるだけなので。
「失礼しまーす」
と図書室に入ると、昨日と同じ席に彼はいた。
「っ!らっだぁ先輩!」
「あ、ぐちつぼ、おはよー」
先輩に会えるのが嬉しくて、自然と笑みがこぼれてしまう。
「ねえ、連絡先交換しない?」
先輩の連絡先……俺なんかが貰っていいのだろうか。情報通なクラスのやつにらっだぁ先輩のことを聞いてみたら、彼はとてもモテているらしいが、誰も近づけさせないオーラがあるらしく、女子たちは告白できずに諦めていくらしい。
顔も声もいいもんな…と改めて思う。モテない要素が1個もないんだよな。
「おーい、ぐちつぼ?」
「あっ、すみません…考え事してました!連絡先ですよね、?もちろんさせてください!」
俺の急な早口が面白かったのか先輩はまたくすくすと笑う。
いつもからかわれている気がしてなんだか恥ずかしくなって、少しムッとする。そしたら先輩が怒らないでって頭を撫でてくるから、違う意味で恥ずかしくなって俯く。
こんな人たらしな先輩、やっぱモテるだろうな。誰にでもしてるのかな、と少し胸が痛んだ気がした。