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第二話 七光り侯爵家の異端児
情報を整理しよう。
まず私の名前はリアだ。姓はわからん。
メイドさんが私のことをリア様と呼んでいたので名は分かった。
そしてここは侯爵家のようだ。
私は長子らしい。性別は女だ。
母はアマンダ、父はカイルというらしい。
全部メイドさんが言っていた。
赤ん坊にはわからないと思っているのだろうが分かっていますよ。
ありがとう。メイドのリーナさん。
そしてこの世界には精霊がなるものがいるらしい。
ほとんどの国民が精霊と契約してその精霊が魔法を使うらしい。
精霊は魔力を糧にしているらしい。
でも魔道具が主流なんだとか。
なにそれって感じだよほんとに。
ファンタジーが過ぎるだろ。
ここまでが現世の情報だ。
そしてここからは前世の情報だ。
私の前世は医師をしていた。
副業で絵も書いてたり、薄い本出してたりしていたけど。
まあ、雑食だから腐女子に片足突っ込んでた。
女ヲタクが全員腐女子なわけじゃないからね?ここ大事よ。
名前は白鳥 葵。
身長168cm
体重 秘密
柔道黒帯。
武術全般は一応一通り修めている。
死因は腹部を刺されたことによる失血死。
24歳2カ月だった。国籍は日本だ。
そして世界に魔法なんてなかった。
以上。
いやなにこれ。
おかしいだろ。
前世で悪いことしてないじゃん。
なんでこんなことになったん?
通り魔に刺されて死んで。
生まれた時から母親にも嫌われてて、魔法とかがあるよくわからん世界にいる。
人生ハードモードがすぎるわ。
よし、決めた。
この人生楽しんでやる。
それで、こんな人生にした神だか何だか知らないけどそいつのこと見返してやるわ。
なんて思っていた時期が私にもありました。
数日この世界で過ごして分かった侯爵家のやばさ。
マジとんでもねえわ。
ろくな奴が全然いない。
侯爵家の奴ら(母親、父親、たまに来る母方の祖父母)は贅沢ばっかで私のことなんて気にしてない。
使用人は3つにわかれていて、
1つめの奴らは比較的まともだけどどっかの貴族の回し者がほとんど。
我が家の経済状況、交友関係、実地している事業なんかを探りに来ている。
中にはなんで誰も気づかねえんだよって言いたくなるような露骨なやつも多い。
2つめの奴らは侯爵家の言いなりの奴ら。
つまり、母のように私を嫌ってる。
乳をもらえなかったり、ひどいときは2、3日何もしてもらえないときもあった。
もちろん私は、前世の大人だった記憶があるだけで体はまだ生まれて間もない赤ん坊だ。
そんなことをされようもんなら死ぬ。
そこで助けてくれるのが3つめ、メイドから乳母役になったリーナさんたちだ。
たちというのはほかにも何人かいるが私が名前を知らない人が何人かいるからだ。
執事に一人、メイドに三人、庭師一人、そしてリーナさん。合わせて六人しかいない。
リーナさんと庭師は婚約しているらしい。
ぜひとも、幸せになってほしいものだ。
でも私にやさしくしたら辞めさせられるかもしれないそうだ。
これは他のメイドがうわさをしていた。
それでもリーナさんは私の味方でいてくれると言ってくれた。
だから少なくとも周りの人を守れるくらいに強くならなければ。
これが私の第一目標になった。
この国はノアリオ帝国といい、
女帝オルフェリア様が国のトップで旦那が将軍マクシム様というらしい。
身分は貴族と平民で分かれている。
えらい順に並べると
皇族 女帝、将軍、皇子2人、女帝の弟
公爵 三大公爵家
侯爵 4侯爵家
辺境伯 4辺境伯家
伯爵
子爵
男爵
準男爵
騎士爵
平民
となる。
おわかりいただけただろうか。
上から三番目。
つまり、貴族の中で上のほうの家柄なのだ。
それが私のいる侯爵家である。
まあ、四大侯爵家の中にも序列はあって、うちは二番目なのだがそれでもとんでもなく良い家柄なのだ。
それなのに、こういう奴らばかりの家なのだ。
私は悟ってしまった。
『この家、もうおわってるのでは?』
ごめんなさいご先祖様。
この家おわりです。
知ってますよ。
侯爵って簡単になれるものじゃないですよね。
私、前世でラノベ大好きだったからね。
いろんなの読みあさってんですよ。
そこで知りました。
高位貴族って元から高い地位にいたんじゃないんだ…!って
皇族が爵位もらうこともあるけどうちはそうじゃなくて
武功いっぱい立てて何代もずっと帝国に仕え続けた結果なんですよね。
でももうおわりですよ。
だって、私の両親なんもしてないんですもん。
前皇帝が病で倒れて、オルフェリア様が19歳で弟君が9歳だったんですよね。
で、ノアリオ帝国は女性の地位が比較的高かったおかげでオルフェリア様が女帝になったんですよね。
しかも、めっちゃ仕事できる人で、
帝国内がごたついてるのに乗じて諸外国が戦争しようとしているのに気づいて、
自分が女帝になると宣言して、侯爵家の次男だった将軍と結婚、その後いろんな改革を起こしたんですよね。
将軍は、自身が総帥になって国境に攻め入ってきた他国の軍をかえりうちにして、何なら国境を広げたんですよね。
Qでもその間うちはなにをしていたでしょうか。
Aなにもしていません。強いて言えば応援物資を送りました。義務みたいなものなので
Qほかの貴族は何をしていたでしょうか。
A兵を送ったり、自身が出陣したりしました。
Qなんでうちは2番目になれたのでしょうか
Aご先祖様が潤沢な資金をもっていたからです。
というわけで何もしていないのです。
そのせいで我が家についているあだ名が七光り侯爵です。
頭おかしいでしょこの家。こんなのやってらんないわよ。