テラーノベル
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東からの太陽が西に沈んでいくある晴れた日。
学校からの帰り道。
つまらないな。
いつもと同じ景色変わらない…。
「暇だなー。」
その時だった。
サアーっと風が顔に吹きかかった。
(風か。)
気にせず歩きだそうとした時だった。
「チリン…」
「シャン…」
「シャン…」
「カン」
「シャラン…」
「キーン」
と鈴の音と金属がぶつかるような音がした。
(何だろ?)
(でもどこかでこんな音、聞いた事がある気がする...)
と思いながら一歩その音が聞こえた場所に足を踏み入れる。
その瞬間。
足元がふわっとなって浮いたと思ったら真っ逆さまにどこかに落ちていくようなそんな感覚がした。
何分間かは分からないが。
落ちる感覚が止まったと同時に。
花の匂いがして。
凄く静かな感じがして。
足元はひんやりとしていた。
遠くから。
「チリン…」
「シャラン...」
とその音だけが澄んでいてよく聞こえた。
ゆっくりと目を開けると。
薄暗い空間の中たくさんの人がいて皆が息をのみ一点だけを見ていた。
視点が集まっている場所を見てみると。
そこだけ、ふんわりした優しい光に照らされ。
「シャラン」
「キーン」
「チリン」
と音を響かせながら舞を舞って戦っているようだった。
その舞を見た瞬間。
花の香りも。
冷たい足元の感覚も。
薄暗い空間だったことも。
周りにいた大勢の人たちの姿さえも。
全てが消えた。
目の前に映るのは舞を舞いながら戦っている姿と澄んでいてよく響いてくる音だけだった。
「…綺麗」
舞を舞っている人達は静かな動きでふわっとしているのにどこか芯があって輝きに包まれているようだった。
時々、裾が揺れ、そこに光があったてキラキラと光りを受けて放っていた。
何時間経ったのかは分からない。
気が付けば、薄暗かった場所は明るく照らされ、たくさん居たはずの人達は居なくなっていた。
私ただ一人を残して。
私だけ、終わっていたのにその場から動けなかった。まだ、あの舞が目の前で舞っているという映像だけが延々と流れていた。
そんな余韻に浸っているとガチャリと扉が開く音がして私はとっさに近くにあった椅子の後ろに身をかがめた。
そうだった。忘れてたけど、私、穴に落ちる感覚がして気がついたらここに居たんだった。
(…ここってどこなんだ?)
とそんなふうに思っていると誰かの声が聞こえてきた。
「ここで反応が出たんですが」
「ほんまにか?ここは入れんはずやで」
「やが…」
と言って声が止まったと思っていると。
ストッと音がし、真上から影が差した。
そっと、顔を上げてみると。
狐みたいな耳。
淡い紫の髪。
そして吸い込まれそうな濃い紫色の二つの瞳がしっかりと私を見据えていた。
「一匹入ってたんやね。……珍し。」
「君は…誰やかな?」
「……。」
「そうか。まあ、ええわ。うちを見て驚かんし。色んな意味でおもろいからな。」
「ちょっと…ッショ」
と言いながらヒョイッと持ち上げられ肩の上に担がれた。
(細身なのに力が強いな)
「連れてくよ、君を…」
「連れて行くんですか?本気で?」
「ええんやろう」
「ええんやろうって表なんですよ?禁忌の存在なんですよ?」
「そうなんやがな、表って言ったてねぇ。
……誰にも見つからんかったらええ。」
(所々、聞いてて言葉がこんがらがるな)
「まあ、良いですよ。
……ゆったって無駄やし。」
「そう。君は良いかな?」
(?)
「舞‥あるよ。」
(舞…。)
「いいね!瞳が輝いてるな。舞、好きなんだね。」 「良いって事か。行くよ。」
そう言うと微笑んで「ヨットセ」と言ったかと思うとパッーンと地面を蹴る音がして、肩に担がれたまま、宙へと舞い上がっていた。
「ちょっ…。行くときは言っててゆったのに。」
と言いながらもう一人の人は変わった乗り物みたいな物に乗って追いかけ始めた。
#裏
エコ

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コメント
1件
うわあ、めっちゃ引き込まれた…!第1話にしてこの幻想的な世界観、鈴の音と舞の描写がすごく美しくて、私も主人公と一緒にあの場面にいるみたいな感覚になったよ。特に「全てが消えた」ってところ、心臓がドキッとした。狐耳の紫髪キャラ、口調も含めてすごく気になるし、「舞あるよ」で目が輝く主人公の反応が可愛かった…。この先どうなるのか、もう続きが気になって仕方ないです!Hinahaさん、素敵な世界をありがとうございます🌙