「お前は追放だ。」
ここは旅の途中で寄った街の宿屋の一室。
今俺に追放を言い渡したのはユディという男だ。
勇者パーティの守りの要の戦士。
筋骨隆々の暑苦しい男だ。
似合わない長髪をし、似合わないアクセサリーに身を包み、両隣に女を侍らしている。
「聞こえたの?追放よ。早く出ていって。」
右の女が下卑た笑いを浮かべている。
この女は魔法使いのアバズレだ。
名前はシャンティ。
赤髪の腰まであるロングヘアだ。
この女はついこの間までベッドの上でオレに股を開いていたよ。
誰がお前に女の悦びを教えたのか忘れたのかね。
「あなたは本当にクズですね。早く出ていきなさい。」
左の女が冷えきった目で俺を見下してくる。
この女は僧侶のセリナ。
ただの変態だ。
露出、屋外プレイ、羞恥プレイ、魔物の死体の前でしたがる、神官のくせに教会で股を開くのが大好きな馬鹿だ。
何度強要されたか。
「一応だが聞いておこう。理由はなんだ?」
ユディがじろりと俺を睨みつける。
「理由だと?知れたこと!」
割れんばかりに思い切りテーブルを叩きつけた。
「その知れた理由を教えてくれ。」
「お前はこの2人に何をした!言ってみろ!」
この2人?アバズレと変態に?
「色んなことをしたな。聞きたいのか?」
ユディの顔がみるみると茹でダコのように真っ赤に染まる。
「お前と言う奴は⋯勇者として恥を知れ!」
恥⋯ねぇ。
1度だって俺から誘ったことなんてないんだがな。
自分が正義と思っているんだろ。
このアホ女どもに何を言われたのか分からんがな。
しっかり俺が躾たからな、最高に気持ちよかったろ?
しっかりケアしてやれよ。
さあ、サヨナラだ。
「俺が追放なのは分かった。出ていこう。しかし今後どうするんだ?勇者の称号はどうする?ユディがやるか?」
俺は勇者だ。
この大陸の1番の猛者に与えれる称号だ。
10年に一度の武術大会がある。
俺は15歳の時、それに出場し、圧倒的な強さで優勝した。
優勝者は10年後の大会に生きていたら、ディフェンディングチャンピオンとして出場することになる。
基本的にみんな死んでいるから、毎回ディフェンディングチャンピオンはいない。
なぜ死んでいるのかと言うと、魔族の存在だ。
魔大陸と呼ばれる大陸から、人族の住むオーティス大陸へ侵攻してくるのだ。
それを防ぐ為に勇者がいる。
と言っても魔大陸に攻め込むとかはない。
我々人族は魔大陸に行けないからだ。
魔族は稀に転移の魔法を持つものがいる。
転移でこちら側に魔族を送り込み、人族に紛れ込む。
そして虎視眈々とオーティス大陸を手に入れようと暗躍している。
魔族は強い。
だが数が少ない。
いくら魔族が強くても人族の圧倒的な数に太刀打ち出来ないのだ。
勇者は諸国を周り、魔族の被害がある所に出向き、魔族狩りをするのが主な仕事だ。
もちろん報酬は破格だ。
アバズレなんてアバズレのくせして王女だ。
変態神官もまさかの聖女と呼ばれる大陸の宝だ。
そんな女を俺に充てがうのだ。
それも報酬の1つと言われている。
アバズレと変態には秘密だがな。
もちろんユディもそのことは知らない。
そしてこのユディなんだがな。
オーティス大陸で1番大きい国、ナレンギル王国の第1王子だ。
まさかの次期国王。
そして武術大会を開催する主催国でもある。
「勇者は俺がやる。もう父上には話は通してあるのだ。大臣も各国の王もこの判断を受け入れてくれている。」
ほう。どの国の王も馬鹿だな。
ユディの実力を知らんのだろう。
俺が守らなきゃこいつは雑魚だぞ。
まぁいい。偽りの強さで満足してくれ。
「そこまで決まっているならもう俺は必要ないな。大人しく出ていくとしよう。」
ゆっくり立ち上がり、そのまま去ろうとする。
「待て。その鎧は王国から下賜されたものだろ。置いていけ。その剣も。マントも。装備品は全て王国の物だ。」
うーむ。鎧以外は違うんだが⋯
まぁ何を言っても変わらんだろ。
ここは素直に身ぐるみ剥がされておくか。
「これでいいか?」
俺は上下の服のみになる。
「あはは、勇者のくせに情けないわね!」
アバズレがなんか吠えてるな。無視無視。
「ふん、本当にクズね。」
それ以外の言葉忘れたのか?馬鹿だから仕方ないのか。
「こいつは勇者じゃない。もう元勇者だ!今から俺が勇者ユディだ!」
うっとりした顔でユディを見つめるアバズレと変態。
何このシチュエーション。
吹き出しそうなんだが⋯
さてと、サヨナラなんだが⋯
やっぱり1発ぶち込むか。
「あー、お熱いところ申し訳ない。俺からの餞別を受け取ってくれないか?」
いい所を邪魔するなと言わんばかりの目つきで3人が俺を睨んでくる。
返事を待たずに俺は瞬時にユディに近づく。
「サヨナラ。男として。」
俺はやつの一物が潰れるように蹴り込む。
「なっっっ!うがああああああああ!」
魔力を大量に乗せた一撃だ。
竿も玉もサヨナラだ。
この聖女は⋯まだ欠損を治せない出来損ない聖女なのはユディは知らなかったよな。
「ああああああ、あぎゃああああああああ!」
のたうち回ってらぁ、ああ痛そうだ。
それにしてもうるさいな。
顎を蹴り込み黙らせる。
「きゃああああ!ユディ!」
さて、このアバズレと変態にはどうしてやるか。
とりあえず2人の頭頂部の髪の毛を掴む。
「お前らはどうして欲しい?いっそ死ぬか?」
アバズレが吠える。
「こ、こんなことをしてお父様が黙ってると思うの!?」
変態の髪の毛を掴んでいる手を離し、うるさいのでアバズレの頬を叩く。もちろん強めだ。
「あべぇぇぇ!」
なんて汚い声を出すんだこの王女様は。さすがアバズレだな。
強すぎだか。ピクピクして動かんな。
まぁいい、放っておこう。
「や、ややや、やめ、やめ、やめえええ!」
ヤギかお前は。んで漏らすな。
漏らすの好きだったもんなぁ。
毎回俺も汚されて辟易としてたんだ。
もう一度変態の髪の毛を掴む。
「早く欠損が治せるようにならないと、王子様は玉なしどころか棒もないぞ。頑張れよ。」
とりあえず裸にしてやろう。
高級そうな神官服を乱暴に引きちぎる。
「こういうの好きだったろ?悦べよ。しかも大好きなユディ様の前だぞ。お前の大好きな寝盗られだっけ?それだ。ほら、悦べ。」
なんで色んなところから汁垂れ流して震えてんだこいつ。
変態の好きなシチュエーションだろこれ?
おかしいな。
まぁいい。この女は⋯乳首えぐるか?いっその事胸を削ぎ落とすか。
リクエスト募ってみるのもいいな。
「おい、俺からのプレゼントは何がいい?乳首だけ引っこ抜くか、乳房を削ぎ落とすか、どっちか選べ。」
なんで泡吹いて失神してんだよ。
あーつまらん。でも何もしないのもなぁ。
あ!そうだ!呪いをこの前覚えたんだよな。
さて、どんな呪いするか。
でも解呪されたら俺に呪い返しがあるとか何とか⋯
あ、いいこと思いついた!
操る魔法も覚えたんよね。
「マリオネットイリュージョン。」
俺は操り人形のようにユディを操る。
そしてユディの魔力を使い呪いを発動させる。
「カー⋯ス⋯サイ⋯レ⋯ント⋯」
これで変態は喋れなくなったな。
よしよし。一応確認までに。
変態の大好なおしりの穴に、この剣の柄をズブッとな。
おー、入る入る。さすが変態。
しかしこれで声出さなかったことないのにな。
成長したな。じゃないか。呪いだこれ。
うん、上手くいったな。
なかなか悲惨な現場だな。
全員生きてるし大丈夫だろ。
筋骨隆々の次期国王は股間を血まみれにして泡吹いて倒れている。
赤髪の王女様は顔半分がありえないほど腫れ上がって大の字に倒れている。
聖女様はうつ伏せでケツを突き出し、剣の柄が深々と鍔本まで刺さっている。
この剣を抜いたら聖剣だな。聖女のケツだし。
回復魔法をしてやる義理はないよな。
ふぅ、多少スッキリしたし、これで許してやるさ。
勇者の旅も飽きたしな。
じゃあ元気でな元パーティメンバーの諸君。
元気で暮らせよ。
そして俺は宿を後にし、新たなる旅路に胸を躍らせ歩き始めるのだった。
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