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「ダグって……なんだ?」僕はわからず、ベルに聞いてみたが、返事はなかった。
そのまま腕を取られて、まるで荷車のように僕はベルに引っ張られていった。
置いていかれてた手塚さんは頑張って走ってた。
「これがダグだ!テル!」
僕の目の前にあったのはとても立派な入り口と、その中から溢れ出る邪気、僕の世界で言うところのダンジョンだろう。
「へぇ〜!めっちゃでかいねぇ!モンスターも出てくるのぉ?」
ベルは頷く、そして解説を続ける。
「ああ、モンスターももちろん出てくるぞ!私はここに潜るのがとても好きなんだ!」
僕と手塚さんは思わず理由を聞いてしまった。
「モンスターもでてくるんだよぉ?!怖くないのぉ?!」
「手塚さんの言うとおり、モンスターも出てくる。それを押し抜けるほどのメリットがあるのか?」
ベルは、今までにみたことのない腹立つ顔で、分かってないなと言いたげな顔をして言った。
「モンスターがいいんだろ?あとお宝もあるし、洞窟よりのダンジョンなら、水晶なんかも取れるぞ!私の趣味の一つだ!」
へぇーすげぇ。ベルって趣味あったんだ。
……というわけで、ダグに潜った。
「めちゃくちゃ暗いな。」
ベルに聞くと、洞窟よりだと、松明が必須になる。そうだ。
え?松明必須?
「僕ら松明ないけど、どうするの?」
「お前には便利なスキルがあるだろうが。」
「……あぁ?!そんなことにも使えちゃうのぉ?!」
僕は内心びっくりもしたが、まあそうだろうな。とは思っていた。
「じゃあ、『人形武装』?」
片腕が分解されると同時、僕は明るいものを考える。
松明…古いな。太陽…焼け死ぬな。そうだ!懐中電灯だ!
片腕が懐中電灯のような形になっていくと、すぐにあたりが照らされた。
「おぉ!やるじゃないかテル!」
「照くん、片手でもいけるんだぁ」
僕らはダグの奥に奥にと進む。
道中、鉱石や、やられてしまった人の物品を漁ったり、モンスターを倒したりして進んでいった。
その過程で、手塚さんは『薬物鑑定』、『薬物調整』の能力を手に入れた。
「もう出口か、意外に早かったな。」
「ああ、楽しい時間が終わってしまう……」
ベルは楽しそうだが、手塚さんはとても疲れていた。
「ち、ちょっと待ってぇ〜…置いてかないでぇ〜…」
そういえばレベルアップ、疲労がすごいんだった
僕たちは疲れ果てた手塚さんを運びながら、ベルの家に着いた。
「いやー思ってたよりも楽しかったな。」
「だろぉ!そうだろぉ!」
そうやって時間を潰していたら、手塚さんが起きた。
「んぬぅ…おはようぅ」
「「おはよう」」
数分後…
完全に目が覚めた手塚さんは、新しいスキルを試したい、と言った。
「そういえばゲットしていたな、一回やってみたらいいんじゃないかな!」
「うん!『薬物調整』ぃ!」
前のあのやばい薬とおんなじように、宙にビンが浮かぶ。
そこに綺麗な青色の液体が注がれていく、だが、なぜか少し赤みもかかっている。前にベルが言っていた【MPポーション】のような物ができた。
「おぉ!想像したとおりだぁ!」
ちょうど僕もダグでMPを消費している、その薬を手に取り、飲んでみると、甘く、体に染み渡るような感覚に飲まれた。
「ふぁあ、何これ何これ、気持ち良すぎる!」
体の調子が驚くほどいい、肩の凝りも治っている。
「なあ?!今のってエネルギーポーションじゃないか?!」
ベルが驚いたような声で言う、飲んでいる途中の物を『薬物鑑定』すると、本当にエネルギーポーションだった。
「エネルギーポーションは、飲むとすべての状態異常、軽い病、MP、HPを回復し、30秒間すべてのステータスが1.2倍になる夢のような激ヤバポーションだぞ?!」
……俺の肩こりって軽い病だったのか?
とにかく俺はすごい代物を飲んでしまったようだ、手塚さんには感謝しかない。
「ありがとう、手塚さん。」
手塚さんは少し照れている様子で、どういたしまして、と返してくれた。
それと同時に、薬剤師が国から恐れられている理由もなんとなく分かってしまった。
この時、手塚さんが狙われるなんて、僕たちは予想もしていなかった。
続く。
意外と更新が早くなってしまいました!
手塚さん、すごい能力ですね!さすが裏社会の職業!
さあ、次回のお話もぜひお楽しみに!