それからというもの、綾人が彼女の話題を挙げると何だか、心に穴が空いたような気持ちになるようになった。
「はぁ、何だろう」
「ん、どうしたの?雪」
僕の声に反応したのか姉の奈々が、聞いてきた。
「あ、姉ちゃん。」
僕は、この気持ちをどうにか知りたかったので姉に聞いてみる事にした。けれども、このまま正直に言うか、少しはぶらかしていをうか迷った。けれど、このまま正直に言うには、恥ずかしいので少しはぶらかして言おうと思った。「姉ちゃん。友達の相談でね!その、友達の友達に彼女ができた途端に悲しくなったりしてるんだって。どう思う?」
姉は、得意げそうに答えた。
「それって…恋じゃない!」
僕は、自分の事だったので少し、戸惑った。しかし、恋と言われたことに何だかしっくりくる気がした。僕は、姉にお礼を伝えた後、自分の部屋にこもった。綾人の事が好きだなんて、今まで思ったこともなかった。けど、もう遅いと思った。綾人には彼女がいる。速く気が付いていれば、こんな気持ちにならなかったと思う。
「はぁ、明日からどうしよう。」
僕が、そう呟いたと同時かすかに足音が聞こえた。
―終わり―
コメント
1件
良かったら、コメント書いてね!